ハミングバード通天湖釣行(12月7日)

成吉 弘幸

 奈良県在住。登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では近畿地方の渓流や管理釣り場を中心にトラウトを追いかけている。

 今回は京都府南丹市にあります、ハミングバード通天湖へ行ってきました。この釣り場は京都府立るり渓自然公園内の、二つの谷の合流地点に作られた人造湖にトラウトを放流し、管理釣り場として営業されています。レギュラーサイズは40cmクラスのニジマスですが、50cmや60cmクラスの大型魚も放流されています。ここでは桟橋からと手漕ぎボートを使った釣りが楽しめます。

 今回は12月6日に大放流があるとの報に接し、翌日には早速ボート予約を入れ、当日を迎えました。遊漁券購入後にボートで向かったのは、個人的に実績のある右ワンド奥のシャローエリアです。特に旧川筋付近が回遊ルートになっているのか、過去にも実績の高い場所です。幸いこの場所に最初に到着できたので、アンカーを降ろして状況を観察します。水質はステインですが、魚の気配が感じられません。少なくとも表層パターンではなさそうです。


 最初は活性の高い魚を攻略しようと、放流魚に実績のあるドロップダイヤ3gのゴールド系スプーンをチョイス。まずは中層付近を探るべき、カウントダウン5沈めて巻き始めたところ、リール数回転巻いたところで、タックルに重量感のあるアタリが伝わってきました。鋭くアワセを入れたところ、水中で暴れているのが伝わってきます。それをロッドワークでかわしながら、ネットインできたのは50cmクラスのニジマスでした。一投目でのヒットにワクワクが止まりません。

 ここからはドロップダイヤの3gスプーンのローテーションで、レギュラーサイズ3匹のキャッチに成功。

 ドロップダイヤへの反応が悪いと感じたところで、エッセンシャル1.9gスプーンにルアーチェンジ。ただアピール系カラーにはスレかかっていると判断し、抑え目のカラーを選択。それまでは中層でのヒットでしたが、もう少し下のレンジも探ってみたところ、レギュラーサイズのニジマスがヒット。レギュラーサイズとは言っても40cmクラスであり、このサイズの魚はジャンプするし走るしと、良型に勝るとも劣らないファイトを楽しませてくれます。

 その後はエッセンシャル1.9gスプーンでさらに50cmクラスをキャッチでき、今日は良型の数釣りが楽しめると期待したのですが、それが落とし穴でした。

 ここからは何やっても、アタリ一つ得られなくなってしまいました。各種クランクやスピナーを始め、ブラウントラウトも放流されたとのことだったので、各種ミノーも使ってみましたが、まったく反応がありません。ボトムも探ってみたいのですが、この付近は沈殿物が多く、根掛かり怖くて攻めづらいのが残念です。


自分なりに分析してみると、朝一釣れたのは以前に放流されていた魚で、その中で活性の高いものが立て続けに釣れただけで、放流魚はこの付近には回ってきていないのかもしれません。そのため場所を移動することにしました。


 次に向かったのはダムサイト付近です。この付近は放流場所近くであり、放流魚が散っていなければと期待しました。水深は8mほどあり。まずは2.7gスプーンでレンジを刻んでみたところ、ボトム付近でモヤっとしたアタリがあったのみでした。クランクも試してみたのですが無反応。ボトム付近のアタリが唯一の手掛かりです。水深もあるため、メタルバイブに利があると考え、廃版品ですがボトムトレーサーにルアーにチェンジ。キャストしてボトムまで沈めたら、ロッドは使わずにリールの巻きだけのボトムバンプで探ってみたところ、数投目でぐっとリールを巻く手に重さが伝わってきました。最初は根掛かり?と思ったのですが、かすかながら生体反応はあります。そのままボトムからひっぱりあげたのは、レギュラーサイズのニジマスでした。

 ただこの付近ではこの一匹だけで、何も起きそうな予感がしないので、トイレ休憩の後は、左ワンドを目指します。過去には、左ワンド奥のシャローエリアよりは、その手前の水深がある場所で実績をあげていたのですが、この日は全く反応がありません。休憩もボートの上で済ませていたら、奥のシャローエリアのボートが移動されたため、そちらに移ることにしました。その付近ではかなり以前に釣りをしたことはあるのですが、水深がかなり浅いせいもあってか、小型魚しか釣れた記憶がありません。いつもならスプーンでサーチするところなのですが、なぜかこの時はボトムノックスイマーエリアのオレンジミルクをチョイス。ロッドを使ってボトムバンプを試したところ、数投目にレギュラーサイズのニジマスがヒット。ただこれは交通事故的なヒットで、後が続きません。

 仕方なく色々なルアーや探り方を試して、シボクラMR-Fでヒットはあったのですが、これも交通事故的でした。

 この付近では良型は期待できず、数釣りも難しいので、最後の移動を行います。すると右ワンドの入口付近に、他のボートが集まっています。私もその付近で再スタートです。ここではセオリー通りスプーンで探りを入れます。チョイスしたのはエッセンシャル1.6gのクワセブラウン。これを他のボートの邪魔にならないように、放射線状にキャストし、レンジを刻んで探っていたところ、カウントダウン7でヒット。その重さと言い体をよじる暴れ方と言い、確実にこの日一番のサイズであることは間違いなさそうです。遠投してのヒットだったこともあり、時間はかかりましたが、無事ネットインしたのは、60cmクラスのニジマスでした。この一匹に、この日の苦戦が報われた気分でした。

 その後にはシボクラDR-Fでのヒットもあったのですが、こちらは魚の歯が当たったのか、悔しくもラインブレイク。結局午後2時半過ぎに終了としました。


 放流魚を狙った釣行でしたが、数釣りとはいかず、釣れたのは居つきの魚が多かったようです。ただ最後に60cmクラスが釣れたので、何とか溜飲を下げることができました。機会があれば今シーズン中に再度釣行しようと考えています。

RodFNL‐T511ML-F
ReelS社1000番
Lineナイロン3lb(直結)
Lure シボクラMR-F モスペレ
ボトムノックスイマーエリア オレンジミルク
ドロップダイア3.0g 各種カラー
エッセンシャル1.9g 各種カラー
エッセンシャル1.6g クワセブラウン
ボトムトレーサー