10月 津久井湖釣行

池島 竜一

SMITH STAFF

その昔はデスレイクと称されていた津久井湖だが、今年の春に何度か足を運んでみてその印象は大きく変わった。地元関係者の努力の賜物に違いないが、今現在の津久井湖はとても魅力のあるフィールドだと思う。

そして発電目的のダムならではなのだろうが、短時間で大きく水位が変動するという特徴がある。これは房総方面のダムには見られない点であり、釣果にも影響する要素であるためとても新鮮に感じている。


10月6日


この日は何種類かのルアーサンプルを持参していたこともあり、まずはそれらのルアーを試してみることからスタートさせた。
しかし岸際に魚の気配がなく見える魚もいない。多くの時間をジャークベイトとトップウォーターに費やしたがバイトを得ることは出来なかった。


岸沿いを探り、ある程度の見切りを付けたところでディープをしっかり攻めていこうと考えていたのだが、数ヶ月前から調子が悪かった魚探用のリチウムイオンバッテリーが開始2時間ほどでシャットダウン、魚探が使えなくなってしまった。

魚探が使えなくとも春先に何度か釣行していたおかげで魚の多い場所というのは何となくではあるが見当が付く。そうした場所を何箇所か周ってみたところ、ダウンショットを落とせば入れ喰い状態になる場所を3箇所ほど見付けることが出来た。


だが釣れてくる魚は小バスが多く、25cmを超えるキーパーサイズは4~5尾釣って1尾混ざる程度の確率だった。 ほとんどエンドレスにバイトが続く状況ではあったのだが、魚探の画面が映らない状況で魚を釣り続けても状況解析がままならず面白みに欠けるという点は否めなかった。

やはり水深、地形、ベイトの有無、水温といった要素を基に釣れる場所を絞り込んで行くというプロセスが楽しいのであって、何が何だかわからないけれど一応は釣れている・・・というのは自分の中でのバス釣りの楽しみ方に欠けているという事なのかもしれない。 この日の釣りは魚探が使用できなくなった時点で終わっていたようにも思う。


途中、この日も出船していたMさん組のボートと情報交換を行った。すると驚いたことにトップウォータープラグで複数のヒットを得ているという。そして昼過ぎから釣れ始めることも多いと教えてもらった。確かに自分もそれを何度か感じたことがあった。
おそらくは減水の進行とリンクしているように思えるのだが、午後の方が明らかに魚の活性が上がっていると感じられる場面が何度もあった。それはシャローに見えるバスの数が急に増えたり、ベイトフィッシュを追い回し始めたりといった場面を目にするようになるからだ。


もしかすると今日も午後から状況が好転するかもしれない、そんな望みを賭け午後からは改めてビンターンでバンク沿いを撃っていく。するとほどなくバスが身を翻してビンターンに喰らいついてきた。

この後も2度ほどビンターンへのヒットやアタックがあり、午前中とは打って変わって午後になって急激にバスがシャローに射してきているように感じられた。ワームを沈めてもバイトの出るレンジが午前中よりもだいぶ浅くなっていることも実感した。


10月12日


この日は魚探用のバッテリーも正常なものに変え、改めてディープの釣りをしっかりとやるつもりで臨む。 この日はまだ水温も20~21度台でところによっては水面にアオコも残っていたが、魚探の映像からは徐々にワカサギも固まり始めている様子が感じられるようになっていた。

津久井湖のディープの釣りは房総リザーバーのディープの釣りとは一線を画すと考えている。房総リザーバーではディープといえどある程度バスの居るエリアというのは決まっている。地形やストラクチャーの有無で魚の着きやすい場所が絞られるからだ。
一方、津久井湖の場合はベイトフィッシュへの依存度が高いためか魚の移動が早く、スポットで絞り込めない点が難しい。ライブソナーを所有している人は魚を探して追いかければ良いと思うが、その手段がないのであればバーチカルもしくはやや後方へのシューティング、或いはひたすら広範囲を探る釣りでバスとのエンカウンターに賭けるしかないだろう。


自分は津久井湖ディープの経験値が低いということもあり、この日はフラグラブ1/2ozフットボールジグを広くスイミングさせる手法を取った。すると時折「コ、コッ」「ブルブルッ」という感触が手元に伝わってくる。明らかに魚だが小バスかニゴイがフラグラブを突いているのではないか?
そこでバイトがあった付近へダウンショットを落としてやると小バスが釣れてくる。水深8mでも小バスの反応がある事には正直驚いた。


結局、水深8m前後の場所でポツリポツリとバイトが出ることがわかったが、やはりキーパー率は高くなかった。1週間ほど前に発見していた3箇所の入れ喰いスポットもこの日はだいぶトーンダウンしてしまっていた。

この日も午後になると魚が岸際に射してきてレンジも浮き気味になった。AR-Wカーリーのダウンショットを中層で引いてくるとひったくられるバイト。この日唯一の40cmオーバーだった。

まだまだ自分は津久井湖のローカルアングラーの人達のレベルには遠く及んでいない。ただ、房総リザーバーとは一味違うディープの釣りは新鮮で非常に面白い。今後ワカサギの群れがさらに固まり出すとまた違った展開になるのだろう。 そして水位変動によってバスの活性が上下するというのはまるで海釣りのようだが、これもまたとても新鮮に感じられる。

試してみたい釣り方、ルアーがあれこれと頭の中に浮かんでいる。厳寒期の釣果は厳しいのかもしれないが、年内にあと数回釣行してみたいと思う。

RodツアラーV-SPEC TVS-61UL/ST
ReelREVO MGXシータ 2000SH
LineシンキングPE0.4号+フロロリーダー4lb.
LureAR-WカーリーAR-Wピンテール(ダウンショット)スーペリオLOフック#6、タングステンシンカー1.5~4g
Rodツアラー STC-60FML
ReelREVO LT
Lineフロロ12Lb.
Lureビンターン80S、他