12月 戸面原ダム釣行

池島 竜一

SMITH STAFF

新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。


自分が最も好きなバス釣りのシーズンは冬。その中で12月というのは最も数を出しやすい時期となる。


その理由は水温の低下に伴いバスの着き場が徐々に絞られてくる上、バス自体にはまだ喰い気があるため、ピンポイントでバスの着き場を直撃すれば高確率でバイトが得られるという点にある。
その前提条件としてバスの越冬場所となり得るオダ等のピンスポットを確実にマーキングしていく必要があるが、マーキングポイントが多ければ多いほどその確率自体も上げることが出来る。つまり努力を結果に繋げやすい時期と言える。


11月5日


自分は毎冬戸面原ダムに通う反面、春~秋にかけてはあまり足を運ばない。実に半年以上のタイムラグが空いてしまっている為、その間に流されてしまっているオダや消失してしまっているオダも存在する。そこで魚探のGPSにマーキングしてあるオダの存在をアップデートするために足を運んだ。


2022年は大型の台風などには見舞われていないはずだが、それでもやはり消失してしまったオダや微妙に位置がズレているオダなどが幾つかあった。その理由として最も大きいのは実は釣り人によって引き上げられてしまうというケースなのかもしれない。 ボトムに根付いている立ち木などは移動のさせようがないが、ただ単に湖底に溜まっているだけの沈木や枝などはある程度のヘビータックルならば引き上げてしまうことが出来てしまうからだ。


厳寒期に迷わず自信を持って釣りをするため、移動してしまったオダの位置を魚探のGPS地図上にマーキングし直していく。この地道な作業が冬場に生きるということを自分は身を以て知っている。


軽く実釣してみたところ、11月初旬という事でこの日はまだバスのほとんどがバンク沿いに集中していた。スモラバ+BFスイミーシュリンプのパワーフィネスでシャローカバーからグッドサイズが引き出せたり、シンクスパイダーのノーシンカーを岸沿いに沈めてやるとかなりのバイト数も得られた。その反面、越冬場所となるオダにダウンショットを入れても反応はなく、まだ冬パターンには程遠いと感じられた。

12月3日


12月に入り、ようやく冬らしい気温になってきた。可能性がゼロではないのだろうが、シンクスパイダーのフォーリングで要所を撃ってもバイトが出ないことを確認した。バンク沿いからバスの気配は消えていた。
これはいよいよバスがディープの越冬場に移動し始めた兆候かと期待したが、越冬場所と目しているオダでのバイトも単発で、複数の魚が着いている気がしない。


水温がまだ13度台だったこともあり私自身も冬方向の釣りに振り切る気分になれず、レティクルシャッドをドラッギングで5mフラットにまで送り込んでやるとまだこの釣りに反応する魚が居たりと、季節感を模索しながらの釣りとなった。

この日は急激な冷え込みに魚がまだ馴染んでいなかったためか、一時的な喰い渋りに陥っていたようだ。水深4m前後にある沈木の枝にラインを掛けてダウンショットの一点シェイクでバイトが出せることが分かった。とはいえこれは一時的な喰い渋りへの対応策に過ぎず、季節の進行に沿った攻略手段というわけではない。
この日、掴みどころには欠けていたが水深4~5mに魚が落ち始めていることはわかった。冬に向かっての過渡期といった印象を持った。


12月25日


この日の朝の気温は-2度。水温もようやく8度台にまで下がった。前回の釣行から3週間空いているという事もあって、この日は迷うことなく朝から冬モードの釣りで攻める。


水深5mのフラットに沈んでいる実績No.1のオダからチェックする。しかしどういうわけか全くバイトが得られない。その付近にある別のオダから1尾キャッチしたものの、魚がオダに複数着いているという気が全くしなかった。

秋以降、魚探にマーキングし直してきたオダをあちこち周ってみるがことごとく空振りに終わる。何かヒントを掴みたいという一心でより浅い3~4mレンジ、あるいはその逆の深いレンジ(6~8m)も探ってみたが反応がない。 ピンスポットの釣りに固執し過ぎなのかと5mのディープフラットを速目のスイミングで攻め1尾キャッチしたものの、これも単発で終わる。

この日の釣りを終えて、自分自身の冬の攻略パターンが湖の現状と噛み合わなくなってきている気がしてならなかった。何らかの要因によって湖内のバスの行動パターンが変化している可能性もあり得る。仮にそうであったとしたら秋以降に続けてきた魚探掛けの努力は無駄に終わることとなる。


12月29日


前回の釣行後、自分なりに対応策を考え新しいタックルを2セット組み込んだ。 それでも冬の釣りは迷ったら負けと思っているので、これまでの経験で培ってきた釣り方を主軸に置く。


前回不思議とノーバイトだったオダから試したところ、ほどなく小型を1尾キャッチ出来た。通常、厳寒期になると小型のバスは行動が鈍くなるため釣れなくなる。逆に捉えると、小型のバスが釣れるという事は条件が良いと判断できる。

その後すぐに同じオダから1尾追加。但しそのオダではこれで打ち止めとなった。

この時点でまだ薄暗い時間帯だったこともあり、メインレイクにある5mのディープフラットへフィーディングしに上がっている魚を当てに行く。AR-Wピンテールのダウンショットを横方向に引いてキャッチ成功。陽が上がるとこのエリアの魚は姿を消すのでその前のタイミングで上手く拾えたのは我ながら好判断だった。

しかし順調なペースだったのはここまで。この後は行く先々で先行者とのバッティングに悩まされることとなった。バスの越冬場所というのは冬場に何度か通えば誰でもわかる。おのずと狙うスポットやタイミングが似通ってきてしまうのは致し方がない。


ここで先行者とのバッティングを避ける意味でも狙いと釣り方を変えることにした。 厳寒期の釣り方になるのだが、ディープの倒木(オダよりも規模の大きいもの)の枝の間にダウンショットを入れていく釣りである。 イメージとしては、混み入った枝の中で越冬しているバスの鼻先にルアーを落としていく感覚。ラインを枝にかけて1点シェイクで誘い、バイトがなければ枝を乗り越えてまたその先の隙間に落とす、の繰り返し。
タックルが繊細過ぎると魚に主導権を奪われやすくなってしまうため、この釣りにはTVS-63LにPE0.6号+フロロ5lbリーダーというセッティングで臨んだ。パワーフィネスをライト化させたようなイメージで組んでみた。 枝を跨いだ状態でボトムまで落として誘うという釣り方の特性上、シンカーは1/8ozを使用。


この釣りが上手く機能してくれ、1時間で3尾のバスをキャッチすることが出来た。

ディープの倒木自体は湖の各所に点在している。この釣りが効くのならと各所を周ってみたが、釣れたのは結局最初に釣ったエリアのみだった。


その後は冬場の実績エリアを周ってみたものの、昼間という時間もあってかバイトは得られず午後になった。


満水時には多数のバスをストックしているワンド内のオダを攻めたかったが先行者がガッツリとマークしており入釣出来ず。 やむを得ずその先にある別のワンドに向かう。そちらのワンド内にもオダはあるが、どういうわけかここ最近は芳しくない。案の定この日もノーバイトだった。


しかし、いつも複数のヘラ釣り師が陣取っているはずのエリアがこの日に限って誰もいないことに気が付いた。ヘラ釣り師の人気スポット故これまで自分もじっくりと探ったことがなかったのだが、4日前の釣行時にこの場所で釣りをしていたヘラ釣り師の人がバスを釣り上げるのを目撃していた。 あまり期待せず魚探を見てみると5mフラットにオダが点在していた(おそらくヘラ釣りの人により人為的に沈められたものと思われる)。直感的に可能性を感じた。


夕マヅメパワーもあったのかバイトが連続し、30分ほどで3尾キャッチすることに成功。

何とかトータル9尾まで数を伸ばしたのであと1尾が欲しい。しかし16時にはボート店へ帰着しなくてはいけないのでもう時間がない。ようやくバイトを得るも、こんな時に限ってスッポ抜けてしまう。


これでラスト1投というキャストで再度バイトが来た。しかも掛けてみるとサイズが悪くないらしくなかなか寄ってこない。最後の最後でバレてしまったら最悪だという思い、何とか二桁釣果に乗せたいという思いで慎重にネットインを成功させ、この日の10尾目をキャッチすることが出来た。

2022年の釣り納めで何とか会心の釣りをすることが出来た。この展開を待ち望んでいたし、この冬も絶対にチャンスはあるはずと確信していた。パーフェクトではなかったものの、秋以降の魚探掛けも報われるかたちとなった。


ハイシーズンには及ばないものの、最近は冬場の湖上もだいぶ賑わうようになってきた。しっかりと狙えば冬でもちゃんとバスは釣れる、その事実に気付いた人が増えたからだろう。

RodツアラーV-SPEC TVS-60XUL/FS
ReelREVO MGXシータ 2000SH
LineFCスナイパー 3lb.
LureAR-Wピンテール2.75インチAR-Wカーリー2.75インチ、レッグワーム2.5インチ(ダウンショットリグ)
タングステンシンカー1.5~2g、スーペリオLOフック#6
RodツアラーV-SPEC TVS-63L
ReelREVO MGXシータ 2500SH
LinePE0.6号+フロロリーダー5lb.
LureAR-Wピンテール2.75インチAR-Wカーリー2.75インチ、レッグワーム2.5インチ(ダウンショットリグ)
タングステンシンカー3.5g、スーペリオLOフック#6
RodツアラーV-SPEC TVS-63L
ReelREVO PRM 2000SH
LinePE0.4号+フロロリーダー4lb.
Lureシンクスパイダー2.2インチ(ノーシンカー)
がまかつWORM322#2
Rodツアラー改
ReelREVO NEOS 2500S
LinePE1号+フロロリーダー12lb.
Lureスモラバ3.5g+BFスイミーシュリンプ
RodツアラーV-SPEC TVS-63L
ReelREVO PRM 2000SH
LinePE0.4号+フロロリーダー4lb.
Lureレティクルシャッド50SP