5/28 相模湖釣行

池島 竜一

SMITH STAFF

7年ほど前まで、さほど頻度は高くなかったものの相模湖にも足を運んでいた時期がある。 当時の相模湖は小バスが数釣れる状況で、不思議と25~30cmクラスのバスは少なかった。 ところが最近の相模湖は全く状況が変わっているらしい。自分自身で確認したいと思い、5/4に釣行した。
結果は30cmクラス1尾という貧果に終わった。そのような中で強く印象に残ったのは湖岸沿いの各所に設けられた釣り禁止場所。揚沢ワンドは全域が禁漁区となっており驚いた。 言うまでもなくこれらはスポーニング期のバスを保護する目的で設置されたものだ。

ここまで明確なかたちで産卵期のバスを保護しているフィールドは相模湖と津久井湖くらいのものだろう。 私が足を運んでいた頃にも竹で囲まれた浮漁礁というのはあった。たださほど多くはなかった。 現在では湖岸のあちこちに禁漁場所が設置されており、その多さと徹底ぶりに驚いてしまった。
勿論自分はバスの保護には大賛成で、おそらく近年の相模湖の状況が変化したのもこの禁漁場所の効果によるものだろう。 そう思いつつも1尾の釣果だけでは何もわからない。もう少し何尾かのサンプリングが欲しいと思い再釣行を行った。


5月28日


釣行前日、都内では台風を思わせるほどの激しい豪雨に見舞われた。但し、降ったのは昼間の短時間に過ぎず、その後は天候も回復した。おそらくは相模湖も同じような状況だったことだろう。 各インレットからの濁りが気になるところではあるが降雨の時間が短く半日以上が経過することから、翌日にはインレットからの流入も透明度が回復しているだろうと楽観的な気分で現地に向かった。


ところが現地に到着すると秋山川がかなり白濁してしまっている。落ち葉などの浮きゴミも多かった。 まずは出船して秋山川上流部まで行ってみると、下流部よりはマシではあったもののまだ濁った水が流入しているようだった。さらにボート店の地点で16度台だった水温が14度台まで下がっている。 濁りと同時に冷たい水が流入しているようで、バスの気配も感じられなかったため秋山川を後にし、桂川筋を遡上してみることにした。

桂川筋も強い濁りと浮きゴミの多さに閉口してしまった。上流部では濁りが回復していることに期待してひたすら遡上を続ける。 ところが期待とは裏腹に上流域はさらに濁りが強くなっているではないか。島田湖まで遡上したもののまだクリアーな水は差し込んできていなかった。 結局、下流に戻りながら要所要所を探っていくことにした。

上流域のインレットでSトラウト6.5インチフローティングを小刻みにターンさせていたところグッドサイズのバスがアタックしてきた。 フッキングはしなかったが、この濁りの中でも何とか反応させられる魚がいたことで迷いが生じた。
結果的にこの判断は誤りだった。その後は1バイトを得たのみで正午過ぎまでノーフィッシュ。完全に見失っている状況だった。


駄目元で桂川の下流域まで大きく移動したところで本湖寄りの水の色が良いことに気付く。どうやらまだこの辺りまでは濁りが到達していないようだ。
俄然やる気を取り戻し、勝瀬橋近くの崩落跡のレイダウンから30cmクラスをキャッチ出来た。さらにもう1バイトあったので、たまたまではなくある程度条件が揃ったスポットだったのだろう。

本湖に出てみるとさらに水の色が良い。南岸のガレ場が続くフラットエリア、その水深2m弱の場所にバスが射してきているのを確認。 軽量シンカーを用いたダウンショットリグを横方向にスイミングさせると抑え込むようなバイトが出るようになり、40cmを筆頭に4尾を連続キャッチ出来た。ちなみにこの日は垂直岩盤系の縦ストラクチャーでは全くバイトはなかった。

濁りは回復傾向のはずという思い込みが裏目に出て半日を無駄にしてしまったのが大きな反省点ではあるものの、結果的には5尾のバスを手にすることが出来、とりあえず及第点レベルまでにはリカバー出来たような気はしている。


この日の釣果のうち、20cmクラスは1尾のみ。やはり昔と比べて小バスは少なくなっている気がした。逆に、昔はあまり混ざらなかった30cmクラスが主体となっている印象。


年中プレッシャーに晒されている為かやたらと賢い魚が多い気はするが、相模湖のバスの歴史の長さを考えた場合、現在でもこれだけのゲームが成立するフィールドであるということは驚異的だ。 今となってはノーフィッシュが当たり前になってしまったようなフィールドも少なくない中、魚を保護することが如何に大切なことなのか、現在の相模湖というモデルケースから学べる点は非常に多い。

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