『年末年始 戸面原ダム釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



新年あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。

今年に発売するビワー社製スイムベイトの実力確認も兼ねて11月以降は東京湾でのコノシロパターンのシーバスゲームを続けていた。 ヘビータックルを用いたビッグベイトでの釣り。そして魚を探すのは全て他人(ボートキャプテン)任せ。色々な意味で私自身のウインターバスフィッシングとは真逆の釣り。エキサイティングで楽しい釣りだったが、私自身の釣りの感覚に弊害を生んでしまった。

11月下旬にも戸面原ダムに出向いたのだが、感覚のリハビリに終始して3尾という貧果に終わる。何とか厳寒期までに元の感覚を取り戻す必要性を痛感した。


12月20日

強い寒波がやってきたということで朝の気温は-3度。桟橋や船上は霜で真っ白だったが、水温はまだ10度台で早朝は湖面から湯気が立ち上っていた。 ガイドに付着した水滴が凍ってしまうことを除いては、この気温でも無風であれば釣り人側として特に問題はない。
一方でこの急激な冷え込みが水中にどう影響を与えているかが問題ではある。とはいえやるべき場所とやるべき事は決まっているのだが。


出船してほどなく水深4〜5mのオダで微かなバイト。それなりに喰わせの時間を置いたにも関わらずスッポ抜けた。例年の12月のバイトとしてはかなり喰いが浅い。 魚自体が狙ったスポットに複数居るのは魚探の映像を見ても明らか。しかし喰わない。どうやらこの日はかなりのタフコンディションのようだ。

魚は居ると見て同じスポットで粘る。使用するワームをローテーションし、フォーミュラーを塗布しながらバイトが来るのを待つ。

陽が上がってくると魚も動き出したようで8:30を過ぎてからバイトが出始めた。そのいずれもがショートバイトで辛うじて2尾をキャッチ。このスポットは魚のストックがもっと多いはずだがそれが限界だった。


その後は冬場の実績場所を周ってみるがいずれも不発。新規開拓のため上郷方面へ。 上郷方面は水深が浅い場所が多く、減水が進むと冬場に攻略する価値があるスポットが少ないというのが正直なところ。 但し今シーズンは水位が満水に近い状態となっており、辛うじて可能性は残っていると読んだ。

そして移動途中に規模の大きなオダを発見。水深は4.5mほど。GPS魚探でマーキングした後、離れた位置からキャストすると一発で喰った。 プレッシャーが低いオダなのだろう、冬場らしからぬ明確なバイトに早アワセしてしまいフッキングできず。

だがワームにフォーミュラーを塗布してから同じスポットに投げ直すとまた喰った。今度はしっかりアワセて無事キャッチ。

フッキングミスした魚と同一個体かどうかは定かでないが、魚の反応の素直さ故、ほとんど誰にも攻められていないロープレッシャーのオダなのだろうと感じられた。
おそらく水位があと50cm以上下がればこのオダもその価値を無くしてしまうだろう。水位次第という条件付きではあるが、今後に使えそうな手持ちスポットを増やせたことは収穫だった。


12月29日

多くの人が2020年の釣り納めと考えたのだろう、戸面原ダムボートセンターの駐車場には50台近くの車が押し寄せてパンク状態。バス釣り、ヘラブナ釣りともに大勢の釣り人でゴッタ返していた。 この日はプレッシャーという要因とも向き合わねばなるまい。

水位は9日前と比べて30cmほど低下した。これだけでも魚の付き場は充分変わる。

まずは手堅く水深4.5〜5mのオダを攻めて2尾キャッチ。例年であればこのオダはもっと魚のストック量が多いはずだが、プレッシャーが高い場所でもあるためか最近はあまり尾数を伸ばせなくなった。


本湖にあるディープフラットに移動。ここは湖流がプロテクトされる位置にあり、4〜5mのフラットエリアが広がっている。オダなどはほとんどないが、部分的に水中に立ち木がある。

ここは点の釣りのみならず線の釣りも意識しながら釣りを行う。そんな理由もあって使用したのはAR-Wカーリー2.75インチ。 実は今まで使用方法を把握しきれておらず一軍起用していなかったワームなのだが、ダウンショットで縦方向に細かい誘いを入れた際にテールがランダムに波打つ動きが出せることに気付き、最前線に復帰させた。

この場所ではAR-Wカーリーが上手くハマり2尾をキャッチできた。


続いて越冬系の魚が多い場所に移動。ワンド内の中央部で水深6〜7mあるのだが、その深度まで倒木やオダなどが多数沈んでいる為に魚のストック量が多い。
まずはレッグワームのダウンショットをポーズを入れずに動かし続ける早目の展開で反応する魚を拾っていく。その後、AR-Wピンテール2.75インチにスイッチし、ポーズを多めに織り交ぜながらじっくりと誘いをかけていく展開で残っている魚を絞り出す。この戦略が奏功し4尾をキャッチできた。



9日前に発見したオダをチェックしに行きたかったのだが、この日は幅の狭い場所の両岸からヘラ釣りの人が竿を出しており、上郷方面へエレキで移動することが憚られた。 断念するしかないか、と諦めかけていたところ片岸のヘラ釣りの人が場所移動をするようで上手い具合に空いた。早速狙いのオダまで一直線。
狙いのオダは水位の低下によって水深4m少々となっていた。この時期のスポットとしてはもう少し水深が欲しいところではあるのだが、レッグワームとAR-Wカーリーでそれぞれ1尾づつをキャッチ。

私自身もこの日が2020年の釣り納め。他のアングラーとのバッティングに若干苦労した日ではあったが、得られた10バイトを全てキャッチに繋げられた点だけは本当に満足している。悪くない釣り納めとなった。


1月3日

2021年の初釣り。朝の気温は-1度。水温は8度台(場所により7度台)と5日前と比べて1度未満の低下にとどまり、水位も-5cmとほぼ変化なし。

この時期としては人出が多いと感じられたが、満員御礼状態だった5日前ほどではない。これといった悪い要素も見当たらず、期待を膨らませてまだ薄暗い湖面へと繰り出した。

冬場の薄暗い時間帯でもバスは釣れる(むしろ釣れる)のだが、この日は1時間以上ノーバイト。 ようやく7:40に水深5mのオダからバイトを得て今年の初バスをキャッチした。

続いて5日前に2尾をキャッチした5mフラットを攻める。 期待をしていた場所であり、相応の時間を掛けて丹念に探ったにも関わらずノーバイトに終わったのはこの日一番の誤算だった。
寒さが増すにつれ、冬でも動く魚を狙うよりも越冬場所を直撃していく釣りの方が強くなる。特に日中はその傾向が強い。


上郷方面の大きめのオダは本来ならば複数尾の魚をストックできる規模なのだが、水位の低下によりポテンシャルが落ち、この日も1尾キャッチのみに留まる。 越冬場所となっているワンド内ディープも予想よりは魚を絞り出せず2尾キャッチに留まった。 水温が本湖よりも若干低いことがここにきて影響しているのかもしれない。



ここまで自分が選択したA級場所を周った結果、いずれも少し期待外れだった感が無きにしも非ず。 ここで戦略を変え、B級場所のラン&ガンに切り替える。 B級場所について具体的に記すと、複数尾をストックするだけのポテンシャルがない小規模のオダや沈木である。釣れてもおそらくは単発なのだが、そうしたスポットを数多く周ることで少しずつでもスコアアップしていこうという作戦である。
AR-Wピンテールのダウンショットでそうした小規模のオダ(水深4.5〜5m)を撃って周り、どうにか3尾をキャッチすることに成功。


欲を言えば何とか二桁釣果を達成したいところではあったが 7バイト7フィッシュで終了。この日もノーミスだった点には満足。


冬のバス釣りは釣れるし楽しい。ここにきて再び世の中の情勢が不安定になってきたのが気掛かりではあるが、 出来ることならばこの冬もバス釣りが楽しめれば、と願っている。


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラーV-SPEC
TVS-61UL/ST
TVS-60XUL/FS
REVO PRM
2000SH
FCスナイパー3lb. AR-Wピンテール2.75インチAR-Wカーリー2.75インチ、レッグワーム2.5インチ(ダウンショットリグ)
(タングステンシンカー1.5〜2.5g、スーペリオLOフック#6)



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