『2〜3月 戸面原ダム・三島湖釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



2月2日 戸面原ダム

昨年秋の台風による激濁りの影響も薄れ1月に入っても好調を維持していた戸面原ダムだったが、1月末に110mmもの大雨が降ってしまい再び 強い濁りに見舞われてしまった。

例年であれば水深8mレンジにある沈木にバスが着く時期で、その攻略を楽しみにしてやってきたのだが現地の湖水の濁りを見て愕然。 ディープのライトリグには全く向かない水の色である。

朝、いつも釣れるオダをダウンショットで直撃するとすぐに1尾釣ることが出来た。 これはもしかして思ったほど難しくはないんじゃないか?と楽観的になりかけたがやはり甘かった。

結果的にその後は完全ノーバイトに終わり1尾で終了。この日はシャローカバーの可能性も感じられず、次に繋がる一手すら思いつかなかった。 少なくともこの強い濁りが落ち着いてくれるまでは打つ手なしというのが正直な感想だった。


2月24日 三島湖

房総のレイクというのは不思議なもので、それぞれが距離的にはほど近い範囲内にあるにもかかわらずその特性が大きく異なる。水系、周囲の地質などがその主要因と言えるだろう。

戸面原ダムが大雨による強い濁りの影響をてきめんに受けてしまうのに対し三島湖はさほどでもない。こちらは1月末の大雨の影響もほとんど受けず、この日の釣行でも湖水はだいぶクリアーだった。


昨年のハイシーズン中に魚探の自動等深線作成機能を使い三島湖の等深線地図を作り上げていた。おおよその地形はこれでわかるので冬バスの着き場となりそうなエリアを集中的に探ってみようと考えた。
まずは狙ったエリアの水深5m付近から9m付近までを丹念に魚探掛けしてみる。釣りをしてしまうと効率が落ちるのでまずは魚探掛けで魚がどこにいるのかを直接探してみた。

結果、ベイトフィッシュとのリンクはなさそうなものの、水深7mレンジのボトムベッタリに時折バスらしき影が映る。ダウンショットのシューティングで狙ってみるが喰わない。しかしおそらくはバスだろうと思えたためタイミングをズラして再度このエリアを狙ってみることにした。


その後はメインレイクの下流域と下流域に位置する大きなワンドである三ツ沢内を徹底的に探ってみる。 特に三ツ沢内は過去に湖岸崩落した際の沈木が水深10m前後のディープにまで及んでいる場所が多く、この時期のバスを多くストックしているのではないかと思われたのだが空振りに終わってしまった。

なお、場所によりシャロー攻略も織り交ぜていたが全くバスの気配は感じられず午前中で完全に見切りをつけた。


再び朝に狙ったフラットエリアに戻ってきた。ダウンショットでは効率が悪く感じられたのでスプリットショットリグでのドラッギングで探っていく。使用ルアーはゲーリーヤマモトのオケラ。

この時も様々なレンジを探ってみたのだがバイトが得られたのはやはり7mだった。ようやく1尾目を手にしたのは14時過ぎだった。

これをヒントとして次の展開に繋げたかったが後が続かない。魚探を見てもバスが特定の場所に群れているという感じはなくポツリポツリと点在している印象。その後も別のエリアの水深7mでバイトを得たがこれは掛けられなかった。


この日は不完全燃焼で終わってしまった。状況がイージーになってからでは意味がないのでなるべく今の状況が変わらぬうちに再戦しに来ようと思った。


2月29日 三島湖

三島湖ほどの規模の湖となると1日ではとても周り切ることが出来ない。前回の釣行では周り切れなかったエリア、試していなかった釣り方というものもある。 自分は冬の釣りが好きだが、そろそろ春の魚も意識していかなくてはいけない時期になってきている。

おそらくまだ時期尚早だろうとは思いつつも豊英筋のインレットをチェックしてみることにした。本湖の水温が8度台だったのに比べて上流部は6度台とかなり低かった。 案の定魚の姿は皆無だったがそれで良い。以後はひたすら冬の釣りに徹することが出来るからだ。


メインレイクのディープフラットを丹念に探る釣りにスイッチ。前回バイトが得られていたエリアを中心に丹念に探っていくことにする。

フルソリッドカーボンの繊細なロッド(TVS-60XUL/FS)を用いてスプリットショットリグのドラッギングを微速で流していくと水深8mで貴重なバイトを捉えた。ようやく1尾をキャッチするがこれ以後はバイトを得ることが出来なかった。

辛うじてノーフィッシュは回避できているものの湖の状況に上手くアジャスト出来ているとは言い難い結果である。 とはいえ、そろそろ真冬の釣りも終焉を迎えつつある時期となってしまっているので来冬は三島湖のディープで修業を積みスキルアップに繋げたいところだ。


3月7日 戸面原ダム

戸面原ダムの特徴として濁りが入りやすく、またその濁りがなかなか回復しないという点がある。1月下旬の大雨による濁りもまだ完全に回復している状況では なかったが、それでもどうにか釣りにはなるレベルにまでは持ち直していた。

この日は夕方から雨が降り出すかもしれないという予報だったが実際のところは朝からしっかりと雨に降られた。水温は上昇傾向で朝の時点で9度台。日中には10度を超えるようになり、もはや厳寒期とは言えない時期となった。

朝は水深4mフラットに点在する2箇所のオダをダウンショットで叩いて7時までに4尾を手にした。これで釣れることはもうわかったので他のエリア・釣り方も試してみる。



宇藤木方面のインレットを遡上。あいにく両岸からヘラ釣りの人達が竿を出しており第一カーブ前で引き返すしかなかったが、周辺の川筋の岩盤が狙いだったので特に問題はなし。 シンクスパイダーのノーシンカーとフラグラブのジグヘッドリグを岩盤にフォールさせてみるがバイトはない。

大きく移動する途中、本湖にあるブッシュをパワーフィネスで撃つ。倒れ込んだ竹と浮きゴミがリンクするゴージャスなブッシュを撃つと40cmほどのサイズをキャッチすることが出来た。 行きがけの駄賃的な1尾ではあったが、パワーフィネスも有りか?ということで似たようなブッシュを攻めてみても続くバイトは無く、早々に見切りをつける。



移動した先は上郷方面のインレット。しかしこちらは昨年秋の台風によって湖岸の崩落や樹木の倒壊が激しく、遡行していくとすぐに倒木に行く手を阻まれた。

上流部をチェック出来ないのは残念だが長い目で見れば天然の禁漁区が出来上がったのも悪いことではないのかもしれない。

以後はメインレイクを中心に探っていくも、岸沿いにはバスの気配は感じられなかった。そこで水深4〜5mレンジを中心に探っていくことにする。

とあるワンドの奥で、倒れ込んでいる竹の先端部が水深5mにまで達している場所がある。ダウンショットで丁寧に探ってみるとバイトがあったがすぐに外れてしまった。 少し時間を空けてから同じピンスポットでじっくり誘うと再びバイト。今度は慎重に対処してバスを手にした。このエリアの魚はまだ冬っぽいと感じられた。


夕方は朝に連発した水深4mのオダに入り2投連続キャッチ。この場所は晴れてしまうと日中には魚が抜けてしまうのだが、この日は雨天〜曇天だったために魚が残ってくれていたようだ。



この日は9バイト8フィッシュ。まだバスがシャローに向かう気配は感じないものの、待機している水深においてはかなり活性自体が上がってきている印象を受けた。 バイトの出方自体がズッシリと重々しいものだったりバイト直後に走り出すなど、かなり明瞭で真冬のそれとは異なっているものがほとんどだったからだ。

例年であれば3月下旬を境にバスが一気にシャローに射してくる。そうなれば釣り方も一気に変わるのだが、それまでの間はまだまだ冬の釣り方に分があるというのが正直なところだ。 もし手堅く釣りたいということであれば、陸上の暖かさや3月という春のイメージに惑わされず、抑えの釣りも準備しておくことをお勧めしたい。


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラーV-SPEC
TVS-61UL/ST
REVO PRM
2000SH
FCスナイパー3lb. AR-Wピンテール2.75インチ、レッグワーム2.5インチ、MGリングシャッド(ダウンショットリグ)
(タングステンシンカー1.5〜3g、スーペリオLOフック#6)
ツアラーV-SPEC
TVS-60XUL/FS
ダイワ
2000番
FCスナイパー3lb. ゲーリーヤマモト・オケラ(スプリットショットリグ)
(スプリットショット#6、インチフックラージ)
ツアラー改 REVO NEOS
2500S
PE1号 プロズファクトリーPTデバイス1/8oz+AR-Wピンテール2.75インチ



[ 戻る ]