『年末年始 戸面原ダム釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



新年あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。

2019年の秋、相次いだ台風によって各地で大きな被害が出てしまった。 房総方面は台風15号によって長期に渡る停電・断水、通信網も寸断されてしまった。
HPも更新されず、完全に音信不通となってしまったボート屋さんが心配で水や食料、物資などを現地まで持って行ったのだが、途中の道中も信号機が消えており、電柱が倒れて道路に電線が垂れ下がっているという状況だった。
そしてその後の台風19号の被害に関しては周知の通りである。 私自身も10月中旬以降はプライベート釣行を止め、毎週末栃木県佐野市に出向き災害ボランティアとして活動している。 災害ボランティア活動は現在進行形だが、年末年始は活動がないため釣行可能な時間が出来た。実に2ヶ月以上振りの釣行となった。


12月29日

12月というのは自分が1年のうちで最も好きなバス釣りシーズンだが、この冬は上述の理由により釣行していなかったため湖の状況が全く把握できないままでの釣行となった。過去2シーズンの経験と魚探にマーキングしたスポットだけが頼りだった。

戸面原ダムが解禁となった直後の2年前の冬も湖水は酷く濁っていた。そのためかライトリグはまるで効かずシャローカバー中心のゲーム展開となった。
そして本来の水の色に戻っていた1年前の冬。今度は逆にシャローカバーにいる魚は少なく、ミドル〜ディープエリアをライトリグで攻略するのがメインパターンとなった。

当日は台風からの濁りが依然として残っていた。しかし、2年前ほどまでは濁りが酷くない印象。シャローカバー撃ちがメインになるのかライトリグがメインになるのかわからなかったためタックルは6セット持ち込んだ。

朝の気温は1度で桟橋とボート上は霜で真っ白だった。 水温は8度台。午後になると9度を超えた。水位は台風以降はずっと満水をキープしている。


まずは昨冬に実績のあった水深5mほどにあるオダを攻める。かなり丹念に攻めてみたのだが全くバイトがない。魚探にも魚が映らない。

この濁りゆえ、魚はもっと浅いレンジに居るのではないかと思い切って2mレンジに投げたところあっさりヒット。これか?!と思って付近を同様に攻め1尾追加。

釣れた場所はフラットな地形の2〜3mのショルダー部でオダなどはない。居着き系ではなくフィーディングで浅場をウロウロしていた魚だろうと思われる。実際、陽が上がると2〜3mレンジでのバイトは途絶えてしまった。

半面、陽が上がると朝にはノーバイトだった4〜5mでバイトが出始めた。 途中シャローカバーをパワーフィネスで攻めて1尾釣ったが、それを除いてはダウンショットで連発させ、10時の時点で9尾まで数を伸ばした。
いずれの魚も長時間濁った水の中にいるせいだろう、魚体の白さが印象的だった。




午前中のハイペースが嘘のように午後はバイトが遠のいてしまった。本湖をメインに冬場の実績場所をあちこち探ってみる。
厳寒期に強くなってくる沈木エリアにはまだ魚が入っていないようだった。念のためにと4〜5mよりさらに深いレンジも試し釣りしてみたがこちらもバイトは得られなかった。 要所要所でシャローカバーを撃ってみるも、こちらも反応なし。

結局、馬の背(と呼ばれている台地)で1尾、そして夕方に朝イチのスポットを攻め直して1尾追加するに留まった。


計11本にて2019年の釣り納めを終了。しかも11バイト11フィッシュでミスはゼロ。こんなことはハイシーズン中でもないことだ。 2ヶ月以上振りの釣りということもあって、この日はとにかくバスを釣りたいという強い気持ちで臨んでいた。そんな点も結果に繋がったのかもしれない。
釣り納めとしては悪くない結果、この勢いを次に繋げたいところだ。


1月2日

例年、三賀日中にその年の初バスを釣ることを目論んでいる。 4日前の釣行で湖の状況もおおよそ把握できたと感じており、手堅く2020年の初バスが手にできるであろう同湖に再度釣行した。

明け方の冷え込みが厳しく湖面からは湯気が立ち込め、幻想的な光景の中ボートを進めた。水温は終日8度台だった。

この日も水深5mのオダから釣り始める。しかしやはり朝はノーバイト。

前回の経験を活かし、浅い側へダウンショットリグを投げ込むとすぐに明確なバイト。実に呆気なく今年の初バスを手にした。ヒットした水深はやはり3m未満の場所だった。

さらに調子に乗ってシャローカバーへBFシュリンプ3.4インチのテキサスリグを撃つと、フォール時にカツン!という感触。そのまま全く動かなかったがアワセを入れるとやはりバス。フックは下顎に刺さっていた。

その後シャローでのバイトはなかった。陽が上がれば4〜5mのオダで喰い出すだろうとタカを括っていたがこの日はその予想が外れる。 辛うじて1尾を絞り出しただけで終わってしまった。

冬場のバスの着き場というのは余程のことがない限り大きく変わらないと考えているが、この日の同エリアの水の色は4日前よりもかなり悪くなっていたのは間違いなかった。水面は泡だらけで濁りが強くなっていた。


4日前の釣行では冬場の実績場所を何箇所もチェックしたのだが、いずれも芳しい手応えは得られなかった。それであれば同じことを繰り返すのは得策でない。 ここはいっそ思い切って新しいエリア探しをした方が今後のためにもなるだろう。

今時の魚探は湖上を移動していくだけで自動的に等深線マップを作成してくれる機能が付いているものが多い。私が愛用しているGARMINのストライカープラス9svも然りで、既に湖全域の等深線マップが出来上がっている。 それを基に、ここは可能性がありそうだと思える場所をピックアップして探っていくことにした。

まずは本湖のとあるバンク隣接エリア。岸側は急斜面の森林になっているが、どういうわけか一部にだけ扇状のフラットが沖にまで伸びている。ここはほとんどの人がノーマークのはずで、私自身も底質が粘土っぽいため敬遠していた。 しかし改めて魚探をじっくり掛けてみると、水深5m前後の場所にもポツポツと倒木が沈んでいるようだ。シンカーのウェイトを3gに上げ、テンポ良く探ってみることにした。

ほどなく明確なバイトがあり1尾キャッチ。これで完全に確信が生まれ、同エリアをじっくり探っていくとさらに2尾追加できた。 釣れてくるサイズも悪くなく魚体も綺麗で、プレッシャーが低い場所であることは明白。他の人とのバッティングを避けられる場所を何箇所か持っていると釣果は確実に安定していく。これはいい場所を見付けたな、と思わずニンマリ。


続いて本湖の別のエリアに移動。大きな岬にブロックされて湖流が当たらないので冬向きと思える場所で、さらにその中にある小さな岬から続く尾根が水深5〜6mほどのフラットに向かって伸びている。 タイミングによってはスクールがゴッソリ溜まっていてもおかしくない場所だが、どういうわけかこれまであまり連発させたことがない。

この日も1尾は釣れたので条件的には決して悪くないと思うのだが、何か決定打となる要素が足りないのかもしれない。

冬場のメインは川筋よりも本湖がセオリーだが、上郷方面のワンドのみチェックをしてみる。 あまり条件に合う場所というのが多くはないが、狙いは水深のあるワンド奥。ワンド奥は湖流が当たらないことに加えて沈木が溜まっていることが多く、水深さえあれば狙い目となる。

案の定、キャッチしたのは1尾だったが他にもバイトがあった。現状の水位が維持されればとの条件付きだが、ここも冬バスが溜まっているようだった。

この時期は16時までしか釣りをすることが出来ない。15時を過ぎた時点で朝イチの実績場所をじっくり探ることにした。 ここで何とか複数尾のキャッチをと目論んだが、40cmを1尾釣ったのみで終わった。

この日は計9本にて終了。


なお、前シーズンもほぼ同じ時期の年末年始に戸面原ダムで釣りをしている。 年々釣果が落ちていくことを懸念していたのだが、この冬は前年よりも釣れている。
しかもショートバイトに悩まされることなく、喰い込みのいいバイトがほとんどで冬場の釣りという印象が全くしない。 もしかすると濁りがプラス要素をもたらしているのかもしれない。

これから先の1月下旬〜2月中旬にかけての厳寒期が最も難易度の高い状況となるだろう。 この時期をどう乗り切ってやろうか?とワクワクしながらあれこれ画策しているところだ。

やはり真冬のバス釣りは最高に面白い!


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラーV-SPEC
TVS-61UL/ST
REVO PRM
2000SH
FCスナイパー3lb. AR-Wピンテール2.75インチ、レッグワーム2.5インチ(ダウンショットリグ)
(タングステンシンカー1.5〜3g、スーペリオLOフック#6)
ツアラー改 REVO NEOS
2500S
PE1号 3.5gスモラバ+BFシュリンプ2.8インチ
ツアラーV-SPEC
TVC-70H
REVO MGX
SHS-L
FCスナイパーBMS 12lb. BFシュリンプ3.4インチ(テキサスリグ)
(TGバレットシンカー1/4oz、ストレートフック#1、シンカーロックS)



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