『8/30 戸面原ダム釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



8月30日

今年の夏も猛暑だった。ここ数年、暑さに弱い私は暫しのオフシーズンを過ごしている。
ここにきてようやく朝晩には秋の気配も僅かに感じられるようになってきた。 最高気温を気にしながら天気予報をチェックしているが、曇天予報であれば釣行は即決となる。

この日は朝から曇天で風もあり暑さを感じることはなかったのだが、想像以上に風が強過ぎた。エレキでステイすることすらままならず、少しでも気を抜くとアッという間にボートが流されてしまうほど。
加えて空模様がどうにも怪しい。雨こそ降っていないものの、モクモクとした厚い雲が物凄いスピードで次から次へと流れていく。とりあえず出船はしてみたものの、ボート店からほど近いエリアで様子見しておくことにした。

案の定しばらくすると遠方でゴロゴロと籠ったような雷鳴が響き始め、急いでボート店に避難。ロッドは車の中に仕舞い、バッテリーの配線も全て外しておいた。 てっきり他のお客さんも戻ってくるだろうと思ったが、避難してきたのは私ともう1人だけなのは意外だった。
ボート店内で待機していると、雷が近くなってポツポツ雨が降ってきたかと思いきやアッという間に滝のような土砂降りとなった。この雨が降り続くようであれば今回はこのまま撤収することも致し方ない。

雷雨はしばらく降り続き1時間以上の待機を余儀なくされたが、雷鳴が聞こえなくなり雨も小降りになってきた。空も明るくなってきたのを見計らい釣りを再開することにした。何より嬉しかったのは朝方の強風が止んでくれていたことだった。

桟橋に戻るとボート内にかなり水が溜まっていた。ビルジポンプで水を排水してから湖上に出た。
小型ボートの中に水が溜まっていると、少し重心が傾いただけでも溜まった水が追従して大きくバランスを崩す恐れがある。特に戸面原ダムの貸しボートは軽量な船体なので注意したい。
ビルジポンプは専用品でなくともホームセンター等で売っているお風呂ポンプをバッテリー接続できるような配線に変えることで安価に自作できる。是非とも常備しておきたい。


再度天候が荒れ始める可能性も0ではなかったため、まずはボート店近くのエリアから再開した。

戸面原ダムは他の房総レイクと異なり岸沿いの見えバスがあまりいない。シンクスパイダー(プロト)をノーシンカーで用いブラインドで投げていくと1尾釣れたが、この日はあまりにもバイトが遠く効率が悪い印象がした。 バンク沿いを攻めるのを止め、沖合の地形変化を攻めてみる。


水通しの良い岬状の地形の延長線上、魚探には水深2m前後のレンジにベイトフィッシュの群れが確認できる。 AR-Wピンテールのダウンショットで攻めてみるが不思議とバイトが出ない。
他の場所を攻めたりしつつも、どうしてもその場所が気になり何度か入り直してみる。 すると3度目に入り直した際にスクールに当たったようでラッシュとなり一時入れ掛かりとなった。



当日の戸面原ダムは2.5mほどの減水。オーバーハングは皆無でカバーも少なかった。
数少ない浮草系カバーにBFシュリンプ3.4インチのテキサスリグを撃ち込んで2尾をキャッチ。この釣りは面白いが、この時点の戸面原ダムでは撃てるカバーが限られておりメインパターンとするには厳しかった。



またシンクスパイダーをあらゆるバンク沿いに投じてみたことでこちらも1つの答えが見えてきた。傾斜の緩いバンク沿いでは全くバイトがないが、垂直岩盤にシンクスパイダーをフォールさせるとかなりの頻度でバイトが出ることが分かった。
ヒットレンジはほぼ全て2m以浅で、それより深く沈める必要性を感じなかった。
ノーシンカーの釣りは手返しが悪いが、釣れる場所とヒットレンジを絞り込むことである程度の効率化は図れる。




夕方近くになるに従いバスのレンジが上ずってきた気配を感じモッサを投じてみる。すると、岸沿いに倒木が絡むエリアで好反応が出ることがわかった。 フローティングヘッドポッパーとの組み合わせで軽くポッピングさせながら引いてくるとバシュッ!!と出る。これはかなり活性が高い時の魚の出方だ。
虫系ワームでなくてもいいのではないかと思いポッパーも投げてみたがさすがにそこまでは甘くなかった。とはいえ夕方にかけてモッサへの反応はますます強くなり連発モード。


しかし17:00までには桟橋へ戻らなければならない。後ろ髪を引かれる思いで帰着時間を迎えることとなった。

モッサはオフセットフックで使用されるケースも多いが、確実に浮かせられる点、飛ばしやすさ(スキッピングさせた際に気持ち良く弾道が伸びていく)の点からフローティングヘッドとの組み合わせを強く推奨したい。 減水している際にはフローティングヘッドポッパーを、水位が高くオーバーハング下を狙うケースが多い際にはフローティングヘッドアーキーを選ぶといいだろう。
フローティングヘッドを用いる際にはPEライン直結だと糸絡みが多くなるので、PE+フロロリーダーの組み合わせか、ナイロンもしくはフロロ直結が望ましい。


この日、大型は出なかったものの20尾超の釣果を得られた。この日は50尾以上釣っている人もいた。 決して数釣りを推奨するというわけではないが、バイトが多く得られるフィールドだからこそ積める経験値というものは間違いなくあると考えている。


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラー63改 REVO PRM
2000SH
PE0.4号+リーダーフロロ4lb. シンクスパイダー・プロト(ノーシンカー)(ハヤブサWRM951#4)
ツアラーV-SPEC
TVS-63L
REVO PRM
2500SH
PE0.8号+リーダーフロロ5lb. モッサ2.2インチ+フローティングヘッド・ポッパー
ツアラーV-SPEC
TVS-61UL/ST
REVO PRM
2000SH
FCスナイパー3lb. AR-Wピンテール2.75インチ(ダウンショットリグ)
(タングステンシンカー1.5g、タイニースゴイフック#8)
ツアラーV-SPEC
TVC-70H
REVO MGX
SHS-L
FCスナイパーBMS 12lb. BFシュリンプ3.4インチ(テキサスリグ)
(TGバレットシンカー1/4oz、ストレートフック#1、シンカーロックS)



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