『3/23 戸面原ダム釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



3月になるとバスアングラーも春気分で活性が上がるのか、一気にフィールドの人出が増える。戸面原ダムも例外なく湖上が多くのアングラーで賑わうようになってきた。
しかし水中の春の訪れは陸上ほどは早くない。昨年の定点観測の結果から言えば3月前半はまだ冬の傾向が色濃く、3月中旬以降になって釣果が上向くようになり、3月末頃から一気に釣れ始めていた。
とはいえ、強烈な濁りに苦しめられた昨シーズンとは異なり、今シーズンは冬場の釣りもまるっきり異なる展開を見せていた。果たしてこの状況からどのように春の釣りへと推移していくのか、私自身も非常に興味がある。


3月2日

3月に入り、戸面原ダムでのボート釣りの時間が変更となり(6:10〜16:30)冬の間よりも1時間ほど長く釣りが出来るようになった。それに比例して釣果も伸ばしたいところだ。
朝の水温は7度台。前回と比較して2度ほど上昇。冬場に絶好調だったオダから釣り始めるもバイトが出ない。魚探でチェックしてみてもオダの上に魚影が確認できなかった。明らかに半月前とは状況が変わっている。

魚は一体どこに移動したのだろう?その周辺を魚探掛けするとディープに落ち込む4mフラットのエッジ付近に複数の魚影を確認。

その周辺をダウンショットで広く探るとヒット。おそらくこの魚1尾だけではなかったはずだが続くバイトは得られず。果たしてこの魚は冬の魚なのか?それとも春の魚なのか?一体何がキーなのか今一つ掴めなかった。


ここから迷走が始まる。あらゆるレンジの可能性があるためシャローカバーから10mディープまで幅広くチェックしていくことになった。
昨年は同時期のメインパターンだったシャローカバーを攻めてみるが完全にノーバイト。朝の1尾をキャッチ出来た水深4〜5mを探ってみても気配を感じない。 さらに深い場所にまで手を出すこととなり、厳寒期に実績のあった水深10mディープにある沈木を攻めるとようやくバイトが出た。

これはミスしてしまったのだが、思った以上にまだ冬寄りの状況なのではないかとおぼろげに感じ、以後は水深7〜10mのレンジを中心にダウンショットで丹念に攻めた。しかしながらバイトが厳寒期以上に遠い。辛うじてノンキーパーを1尾追加するのがやっとだった。

季節の変わり目にやってしまいがちな話ではあるが、狙いを絞り切れず中途半端な釣りに終始してしまった感は否めなかった。


そして3月に入っていよいよ花粉の飛散が本格化した。これに悩まされているアングラーは少なくないだろう。
私自身は今のところ花粉症ではないが、周囲を杉林に囲まれた戸面原ダムでの飛散量は半端ではなく、魚探の画面やバッカンの蓋の上にも砂埃のように降り注ぐ。この日は時間帯によってかなり風も強く、そのタイミングで山の方を見ると花粉で山が霞んで見えるほどだった。 花粉症の人は万全の対策をしていく必要がありそうだ。


3月23日

通勤電車内で汗ばんでしまったほどの暖かさだった前日とはうって変わり、この日は寒の戻りとやらで大幅に気温が下がるという。天候は終日曇天との予報だったが実際にはほぼ雨、しかも時折霰が降ってくるという季節外れの悪天候に見舞われた。


春先は川筋の上流部に複数のバスが射すことがある。戸面原ダムは他の湖と較べてその傾向が薄いように感じるが、それでも可能性を求めて朝イチで上流部を目指すアングラーは多い。私自身はマイペースで釣りがしたい性分なので大勢の人が行きそうな場所に朝から入るようなことはあまりない。
前回の釣行で次に繋がる手応えを得られなかったこともあり特にこの日のプランを立てていたわけではなかったが、少なくとも他のアングラーとのバッティングが懸念されるエリアに行くつもりは全くなかった。

ところが当日の朝の他のアングラーの動向を見ていると桟橋でマッタリと準備をしている人達や川筋とは逆方向に向かう人など、川筋上流方向に向かうボートが皆無のようだ。実はここのところ戸面原ダムでの釣果は川筋が思わしくないようで、皆さんそれを知った上で狙いから外していたのだろう。
それならば今日は自分が行ってみようと、珍しく朝から川筋上流部を目指した。案の定先行者は皆無。

川筋を上流へ向かってもさほど透明度が上がるわけではない。偏光グラス越しに魚を探す限りは見当たらないが、濁っているため断定は出来ない。そこでサーチベイトとしてグリスシャッド5.5インチのパールチャートを投入。この手のルアーは魚を追尾させやすいので魚の有無を確認するのに重宝する。
グリスシャッドをサンドバーと平行に引いてくるとヒット。38cm。これで魚が川筋に入ってきていることはわかったのでボートで遡行できる最上部まで上がってみる。

相変わらず目視では魚の姿は確認できないが、再度グリスシャッドにチェイスがあった。魚は居ると思いミノーやライトリグも試したがヒットは得られず、どうやらまとまった数のバスが遡上しているわけではないようだ。



川筋を下りながらサンドバーをグリスシャッド、ログ、シャッドラップで、岸沿いをモッサで攻めていく。

サンドバーでは追加ならずだったが岸沿いを撃っていったモッサには単発ながらヒットが続き、3尾をキャッチすることが出来た。提灯釣りで1点シェイクをするよりも速目のピッチで動かしてきた方が魚の反応は良かった。


やがて雨が本降りとなり、遂には霰まで降ってくる始末で気温も急降下。おそらくは本降りの雨によってモッサの波紋が相殺されるようになってしまったためと思われるが、バスも水面に出なくなってしまった。

レンジが下がったと感じフィンズシャッドのトゥイッチで攻めていくようにすると3度ほどバスがチェイスしてきたがフッキングには至らず。


雨が弱まったタイミングで再びモッサを投げ始めたが出ない。12度台だった水温も11度台に下がり、気温が大きく下がった事で湖面から靄が上がり始めるような状況だったためバスも状況変化を察知したのだろう。
また本湖ではモッサへのバイトが無く、同じような沢筋で投げても同様だったのでもしかしたら最初に入った川筋のみ条件が良かったという可能性も考えられる。


状況の悪化を感じ、水深3mの沈木へダウンショットリグを入れる。すると実に呆気なく2尾のバスを手に出来た。1日中ライトリグに徹していれば数的にはかなり伸ばすことが出来たのかもしれない。



昨年の3月末はシャローカバーをバンドゥクローで撃ち、かなりいい釣りが出来たが今シーズンはシャローカバー撃ちは不発。全く異なる展開で春パターンに移行しつつある。

何せレンタルボートでのバス釣りが解禁となってまだ2年目の湖なので明確なパターンは確立しきれていない。だからこそ色々と試す必要があり、それがたまらなく面白いと感じている。


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラーV-SPEC
TVS-63L
REVO PRM
2500SH
PE0.8号 モッサ2.2インチ
(オフセットフック#2)
ツアラーV-SPEC
TVS-61UL/ST
REVO PRM
2000SH
FCスナイパー3lb. AR-Wピンテール2.75インチ(ダウンショットリグ)
(タングステンシンカー1.5g,タイニースゴイフック#8)
ツアラーV-SPEC
TVC-65M/HG
REVO
STX
マシンガンキャスト14lb. グリスシャッド5.5インチ
(グリスシャッドチューニングキットS-2)



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