一般的なトップウォータープラグは、広範囲の魚をしっかり誘い出すためにアピール力を強く持たせている場合が多いです。パペットシリーズもその一つ。
しかし、魚との距離が既に近い時や、魚のテンションによって「誘いの質をもっと繊細にしたい」「小技を更に活かしていきたい」「ロングポーズでも見切られづらい誘いを表現したい」などと感じる事も多く有り
ました。
そこで“喰わせるためのきっかけ作り”を追求し開発したのが「カディス」です。
小粒ボディならではの着水アピールや繊細な波紋。それらに明確な差が現れることは多々あります。また、ペレットや小さな虫を意識している時にもこのサイズ感が活きてきます。
逆に言うと、このルアーは小粒だからと如何なる状況でもバイトへと導きやすい、という事ではありません。離れた魚には気付かれづらくなるので、既存のトップウォータープラグとのアピールローテーションが大事
となってきます。
魚を誘い出すために必要な力を考えながらローテーションする為に、このカディスがどうしても必要だったのです。
カディスに対しては、誘いの性質上じっくりと見て追いかけてくる魚も多くいます。そのため状況に応じて3秒〜10秒程度と長めの水面でのポーズ時間も設けてあげるのも効果的です。
様々なパターンが有りますので、魚の反応を目で見ながらお試しください。
8種類の音質違いの最終プロトから決定したのは「2mmサイズのガラス×2個」でした。短い移動距離でより魚を寄せてくる強すぎない音質。それは、浮力設定のバランス取りにも貢献してくれています。アクション
の程度によってラトル音を強く表現したり、逆に弱く表現したりと工夫しやすいボディ形状です。
小粒ボディならではの“フッキングの難しさ”への挑戦
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小粒なトップウォータープラグならではの課題点。
それは「再現性の高いフッキング力」が作り出しづらい傾向にあること。
過去にスミスで発売していたICミノーというルアーも、フッキングにかなり苦労するものでした。
そのままルアーボリュームを大きくすればオートマチックにフッキングしやすい傾向となるのも試作時点で確認済ですが、小粒且つ弱アピール設定だからこそバイトへと導ける環境があるのも事実。
そこで、パペットと使い分けが効く「アピールローテーションとして必要な小粒さ」を求め、その小粒さでも自信を持って魚へプレゼンテーションできるよう、次のような拘りを詰め込みました。
@水面で踏ん張りやすい扁平寄り&肉薄ボディ
ルアーのボディに浮力や水抵抗を持たせておく事で、バイトゾーンから不用意にルアーが流されない“水面での踏ん張り力”が生まれます。するとトラウトの口に触れた針先も口腔内で残り、オートマチック
に近いフッキングへと繋がりやすくなります。そのためカディスは、薄めの肉厚で仕上げた扁平ボディを採用しています。
Aフッキングと浮力を最大限に「横アイ2フック仕様」
小粒ボディの中で、フロント・リアそれぞれの横アイを凝縮。横アイにする事でボディ内の空気質を最大限に確保し、フック絡みも最小限に抑えます。また、フロントフックとリアフックを後方寄りに近付け、
浮力が集中している箇所にフックを配置する事で“水面での踏ん張り力”を損なわず、フッキング率向上へと繋げます。
B誘いの質でフッキングを改善
狙う魚自体が同じであっても、こちらからの誘い方によりバイトの質を改善させる事もできるものです。
パペット譲りのタイトなキビキビトリッキーアクションにラトル音、そしてウォブリング主体に調整していったアクション設定。これらも多少ですが、フッキングに連動していきます。
アクションの種類やそれらの強弱・リズムを使い分ける事で、トラウトの様々な活性状況へとアジャストさせやすくなります。また、一投の中でそれらの誘いを織り交ぜる事も効果的。
着水→ポーズ
着水してからの数秒間が最初のバイトチャンスです。着水直後のバイトにもすぐ対応できるよう、キャスト時に出た糸ふけをキャスト中または着水直後に「張りすぎずふわっと」回収します。
ティップアクション→ポーズ
短い移動距離でネチネチとアピールさせたい時には、ショートピッチのロッドアクション(=ティップアクション)が効果的。
魚も狙いを定めてバイトしやすくなり、ロッドへのアタリも伝わりやすくなるので、サイトが難しい状況下でも効果的です。
ストロークアクション→ポーズ
広範囲のトラウトを効率的に誘っていきたい場合は、ロッドを下げ込むストロークアクションでルアーの移動距離をやや長めにすると効果的です。遠くから追いかけてくるトラウトも多いので、状況により長めに待ってあげるのも大切です。
シェイク→ポーズ
ロッドティップを叩いたり揺らすようなシェイキングにより、水面と水面直下を行き来するような3Dテーブルターンアクションを発生。より短い移動距離で誘う事が可能です。他の誘いでスイッチの入り切らない魚や、ここぞという場所で積極的にバイトへと持ち込みたい時に。
真っ直ぐに泳ぎづらい場合にはトゥルーチューン(アイチューン)を推奨いたします。
事前に専用器具やペンチを使い、速く巻いた時に左右に逃げないよう調整をお願いします。