ハトリーズの名作ルアーの中でも最高傑作との呼び名の高い「インナーハンドW.B.」(手の中のみずすまし=Water Beatle)。
その形状から別名「ひょうたん」と呼んでいたこのペンシルの、水絡みとスライディング能力は秀逸の一言です。
インナーハンド・ヒストリー |
羽鳥静夫さんの手から生まれた「ハトリーズ」。数多くの名作ルアーの中で、釣り仲間が最高傑作と認めるのが「インナーハンドW.B.」(手の中のみずすまし=Water Beatle)。その形状から別名「ひょうたん」と呼んでいたこのペンシルの、その水絡みとスライディング能力は当時の私たちに衝撃を与えました。
当時は、自分で使う分だけを作っては釣行に使用していましたが、なぜかバスを何本か釣ってボディーに歯型がつくと「気持ちが良くない!」と言っては、同船した親しい仲間にあげる事が多かったので、多くの仲間があの手この手でその恩恵にあずろうと必死になっていたものです。
ハトリーズスペシャルとして、1987年、1988年、1998年と過去3回スミスが販売しましたが、ハンドメイドで1つずつ調整を施すために生産数も限られ、多くを手にする事ができず、ここ一番というときに使うプラグというルアーに変わりはありませんでした。
「もっと気軽に使えたら。」 インナーハンドをプラスチックで量産できたら、という構想は当時からあったのですが、その形状とウェイトバランスが微妙であり、キッチリとできないと機能が半減してしまう繊細なプラグなために、当時の成形技術では難しいという理由で羽鳥さんの許可がおりず、見送りされていました。その後、多くのプラグを手がけた事でようやく了承が得られ、開発が始まりました。
インナーハンドの性能をABS量産モデルへ |
羽鳥さんはプラスチック化するにあたり、出すからにはウッドと変わらぬ納得のいくアクションを実現させ、形状的にも完璧な物にしたいと思いから、最も安定したアクションを出し易い形のインナーハンドを選択しました。その上で、金型の製作工程において綿密な形状のチェックを数回、アクションのチェック段階ではウェイトのサイズ違いだけでも7〜8種類、さらにウェイト位置を前後にズラした物等、多くのプロトタイプを作成したのちフィールドテストを行い絞り込んだうえに、塗装のわずかな厚みによるアクションの微妙な変化についても、完成品と変わらぬ状態に塗装してテストを行いました。
発売モデルを決定するこのアクションチェックだけでも半年もの時間をかけ、企画から約2年を費やして完成に至ったこのルアーは、ウッドとプラスチックという質感の違いを除けば自信を持ってウッドモデルと同じ感覚でトップウォーターゲームを楽しんでいただけるものになったと確信しています。
特徴 |