ハミングバード通天湖釣行(4月29日)

成吉 弘幸

 奈良県在住。登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では近畿地方の渓流や管理釣り場を中心にトラウトを追いかけている。

 今回は京都府南丹市にあります、ハミングバード通天湖へ行ってきました。ここはダム湖を利用し、ニジマスを中心に放流された管理釣り場で、ローボートと桟橋からの釣りが楽しめます。ただ自然湖に近い感覚を十分に味わえる、ローボートでの釣りが気に入っています。


釣行前日にニジマスの放流が行われるとの情報があり、早速ローボートの予約を入れました。前回も放流直後の12月に釣行を行い、40cmクラスのニジマスの数釣りと、50cmオーバーのロックトラウトという釣果をあげ、今回も同様に楽しめることに期待しての釣行です。

 当日は早めに到着して、準備を済ませて営業開始を待ちますが、前回に比べて待っているアングラーが妙に少ない。ゴールデンウィークの初日ですが、午後から雨の予報があったせいかもしれません。2番目に受付を済ませ、ローボートで向かったのは、右ワンド奥のシャローエリアです。ここは過去にも実績のある場所ですが、すでに先行者がベストのポジションを確保されています。そのため少し手前側で実釣を開始しました。


 最初は魚の状況を確認するため、3gスプーンで表層、中層、ボトムと探っていきますが、反応が全くありません。ライズリングもなく、過去の釣行の時とは何かが違っている印象です。ただこれまでは実績の高い場所であり、しばらく粘ることにします。タイプや重さの違うスプーンで、カラーチェンジしながら探っていきますが、アタリ一つ得られないまま1時間以上が経過したため、スプーンでの釣果は諦め、クランクベイトのシボクラDR-Fにルアーチェンジします。


 周囲のローボートは先行者と私の二艘だけのため、広範囲に放射線状にキャストして探っていきます。願わくは元の川筋のカーブ部分で実績のある場所を狙いたのですが、そこは先行者の邪魔になります。それでも先行者が別の方向にキャストした際に、シボクラDR-Fチッコウブラウンをキャストしたところ、やっとこの日の一匹目がヒット。ネットインしたのは、この釣り場のレギュラーサイズである40cmクラスのニジマスでした。

 なんとかヒットはあったものの、その後が続きません。最初のヒットポイントは先行者とバッティングするため、それ以上は広大なエリアの狭い場所に割り込むのがはばかられます。そのためトイレ休憩を挟んで右ワンドエリアを移動しながら探っていきますが、まったくアタリもなく、再び時間だけが経過していきます。


 右ワンドは自分的に実績のあった場所のため、様々なルアーを試しましたが、釣行開始から3時近くが経過して、レギュラーサーズのニジマス一匹の釣果に、さすがに気持ちが折れそうです。そこで新たなポイント探しに、その後は左ワンド奥を目指して移動します。途中に放流場所のダムサイトも探ってみましたが、魚信を得ることはできませんでした。


 左ワンド奥の手前にローボートが一艘みえます。その場所のさらに手前に差し掛かった付近で、それまでほとんど見られなかったライズリングが、散発ではあるものの確認できます。すぐにアンカーを打って探ってみます。最初はトップでの釣りに期待して、トップウォータープラグを試したのですが、これには全く反応がありません。


 もっと広範囲に探る必要があると感じたので、次に選んだのはシボクラDR-Fデッドリーピンクです。これであれば飛距離が出るため広めに探れるのと、表層直下は難しくとも、リトリーブスピードを調整することで、表層から2m範囲ならば探ることができます。ただこの日は表層では反応が悪いため、着水後にリールの早巻きで一気に潜らせたら、それからはスローリトリーブしてみたところ、やっと2匹目のニジマスがヒット。

 そして続けてシボクラDR-Fデッドリーピンで連続ヒット。なんとなく魚のいる場所を探り当てた印象で、そこからはシボクラDR-Fのカラーローテーションで、レギュラーサイズのニジマスのヒットが続きます。爆釣とはいかないまでも、シボクラDR-Fのカラーローテーションで、それまでの苦戦がウソのようです。

 休憩後も、同じ場所でシボクラDR-Fのヒットが続きましたが、さすがに2時間もすると反応が悪くなってきました。そこで次のヒットパターンを探すため、まだ使っていなかったボトム用ルアーやスピナー、スプーンなどを使ってみますが、なかなかパターンが見つかりません。場所を旧川筋の反対側に移動してみても、結果は変わりませんでした。


 しばらくノーヒットが続いた後、再度シボクラDR-Fに戻し、やはり潜らせて探ってみたところ、リールを巻く手が止まります。次の瞬間ドラグがなり始めました。この日はスムーズな取り込みを意識して、ラインはナイロン3lbを利用。ドラグもややきつめにセッチングしていたのですが、それでもドラグ音が鳴りやみません。明らかにそれまでとは違うサイズの魚です。暴れる時は無理をせず、おとなしくなった時に一気にリールを巻きます。寄せては走られることを繰り返し、ネットインできたのは50cmを超えるロックトラウトでした。なんとかキャッチできた良型に、途中の苦戦も報われた思いです。

 その後もシボクラDR-Fで2匹のレギュラーサイズのニジマスがヒットしたのですが、午後3時前になって昼過ぎから降り始めた雨脚の勢いも増してきたため、予定よりも早めに終了としました。

この日はシボクラDR-Fに助けられました。苦しい時こそ、集魚力に優れたシボクラシリーズは、頼りになるクランクベイトです。

RodFLD‐68
ReelS社1000番
Lineナイロン3lb(直結)
Lure シボクラDR-F 各種カラー