北田原マス釣り場(1月20日)

成吉 弘幸

 奈良県在住。登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では近畿地方の渓流や管理釣り場を中心にトラウトを追いかけている。

 今回は兵庫県猪名川町にあります、北田原マス釣り場へ行ってきました。この釣り場は猪名川を利用した昔ながらの管理釣り場で、ルアーフライ釣り場とエサ釣り場に分かれています。放流魚はニジマス中心ですが、レギュラーサイズが30cm前後と大きく、50cmクラスも入っています。そのため不意の大物にも対応できるように、ナイロン2.5lbラインでタックルを準備しました。また遊漁券については、先に管理事務所で整理券をとり、午前7時に順番に遊漁券を買ってから、釣り場に入場するスタイルです。この日は平日でしたが、私が到着した午前6時過ぎで、10番目での入場でした。

 ルアーフライは上流側に2か所、下流側に1か所と計3つの区画がありますが、私は真ん中の区画に入りました。状況を確認したところ、理由はわかりませんが濁りが入っていて、魚影は全く確認できません。できれば少しでも水深のありそうな場所が良かったのですが、それも濁りのため確認できず。中央付近を釣り座と定めます。


 ここは左岸からのみ釣りが可能で、1.4gスプーンをフルキャストすると、対岸に届く程度の川幅です。そのため最初にチョイスしたのは、アンバー1.1gスプーンのフルピンクカラーです。この日はガイドも凍るほどの寒さであり、魚たちはボトム付近にいることは想像できるのですが、いきなりボトムまでルアーを沈めると、この釣り場は根掛かりが頻発するので、表層からカウントダウンしながら探っていきます。


 アンバー1.1gをカウントダウンしながら探っていくとカウント8沈めた付近で、時々ボトムにスプーンが当たり始めました。これ以上沈めるのは危険と判断し、カウント5~8周辺を探ってみたところ、すぐに一匹目がヒット。ネットイン直前のオートリリースでしたが、魚はボトム付近にいる可能性は高そうです。ただここから大苦戦が始まりました。


 7時30分ごろに、スタッフの方がバケツで放流してくれたのですが、アタリ一つ得ることなく時間だけが過ぎていきます。ここからは各種スプーンを使ってみますが、アタリも何もありません。念のため時々中層より上のレンジもチェックしますが、案の定無反応。各種クランクも試してみますが、やはり反応を得ることはできません。一体魚たちはどこにいるのやら。もしかしたら私の前には魚がいないのではとまで思い出す始末。この日は平日ということもあり、上流側など何か所か移動してみますが、いずこも状況は同じで、結局最初の場所に戻ってきました。この時点で実釣開始から2時間30分以上経過し、一匹もキャッチできていません。アタリさえほとんど得ることができない状況に、「管釣り坊主」が頭をよぎります。


 冷静になって状況を分析してみます。まず視覚で確認できる魚はありませんし、上のレンジではアタリ一つ得ることができていないことから、中層より上のレンジには、この時点で釣れる魚はいないと判断して間違いないでしょう。狙うとすれば中層より下のレンジのはずです。ただ1.6gから0.6gまでの各種スプーンや、ボトム専用プラグを使ってのボトムレンジのサーチは、根掛かりを恐れずやってきたので、これ以上同じことをやる意味がありません。


 この時点で万策尽きたって感じです。あとは根掛かりを気にせずリトリーブでき、集魚力の高いシボクラがありますが、すでに何度か試していました。それでもそれが一番の近道と思い、ここからシボクラDR-Fを信じて引きとおします。普段は一つのカラーを三投して反応がなければカラーをチェンジするのですが、魚のストック量は決して多くはないようなので、最低でも五投は様子をみていきます。そしてやっと粘って、レギュラーサイズのニジマスのキャッチに成功しました。

 ここで早めの昼食を済ませ、後半もシボクラDR-Fでの攻略に取り掛かります。とは言えそれが答えという訳でもなく、釣れない時間が続きます。そんな時にピックアップしようとするシボクラDR-Fを追ってくる、二匹のニジマスの魚影を発見。それまでに気づかなかったのですが、岸際の駆け上がりに、魚たちがついている可能性が推測されます。さすがのシボクラも手前に来ると浮いてくるので、岸際の駆け上がりは攻め切れていなかった可能性があります。そこでそれからはシボクラDR-Fをキャストし、リールを早巻きして潜らせたら、ロッドの半分まで水中に突っ込んで、岸際の駆け上がりまできっちりトレースさせるようにしたところ、見事にレギュラーサイズのニジマスがヒット。ここからはこの方法でコンスタンスに釣れ始めました。ただロッドを水中に突っ込んでいるので、タックルを通してのアタリは感じにくいのが難点です。そのため水中のロッドティップの動きに注意し、変化があったら巻き合わせでアワセをいれるやり方です。

 この方法がこの日のヒットパターンで、シボクラDR-Fのカラーローテーションで、この後はコンスタンスに釣果を上げることに成功。キャッチできたニジマスは30cmクラス中心に、50cmクラスも加わり、何とか胸を撫でおろすことができました。

 その後は魚が少し浮いたと感じたところで、シボクラMR-Fを投入。こちらでも釣果を上げることができ、この日は終了としました。

とにかく最初はどうなるかと思いましたが、シボクラの集魚力のおかげで、後半はコンスタンスな釣果を上げることができ、天国と地獄(大げさ?)を見た一日となりました。


尚、管理事務所の横に、ミノー・プラグのフックは、テールフックかベリーフックのどちらか一つにするとの掲示がありますが、ホームページ上のルールにその事はなく、確認したところ、バーブレスのシングルフックであれば、一つにする必要はないとのことです。

RodFLNE-60GTS
ReelリールS社1000番
Lineナイロン2.5lb(直結)
Lure シボクラDR-F 各種カラー
シボクラMR-F 各種カラー