ハミングバード通天湖釣行
(12月4日)

成吉 弘幸

奈良県在住。登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では近畿地方の渓流や管理釣り場を中心にトラウトを追いかけている。

 今回は京都府南丹市にあります、ハミングバード通天湖に行ってきました。この管理釣り場は、名勝「るり渓谷」にある二つの谷の合流地点作られた砂防ダムを利用した管理釣り場で、全長80mからの桟橋とローボートでのトラウトフィッシングが楽しめます。ただ、奈良在住の私とすれば、高速を利用して2時間弱かかるため、広大なエリアを楽しむために、毎回ローボートで楽しんでいます。そして釣り場のホームページで、10月3日に大放流があるとの情報発信があったため、その翌日に急遽ボートの予約を入れた訳です。特に今回は大型のロックトラウトやブラウントラウトが放流されるとのこと。この2種は魚食性が高いため、ミノーイングに期待しての釣行でした。数年前の同時期には大放流の直後に、40cm~50cmクラスのトラウトが入れ食い状態になったこともあり、それを期待した釣行でもあります。


 さて当日は営業開始前に現地に到着。タックルの準備をして、ローボートを漕いで向かったのは、右ワンド奥のシャローエリアです。ところが到着して気づいたのですが、何かが変です。いつもなら他のボートもその付近に固まるのですが、この日はどなたもいません。おまけに魚の気配が全く感じられないのです。観察していると小さなライズリングこそ散見されるので、最初はこの付近を探ってみることにします。とにかくミノーでの釣果が欲しかったので、フローティングからデープダイバー、そしてシンキングミノーといろいろ試してみますが、案の定というかアタリ一つ得られません。実は砂防ダムの工事の関係で、水位が70cm程減水していて、それが悪影響を及ぼしているようです。


その後もミノーやクランクも試して見たのですが、状況に変化が見られないので、同じ右ワンドでも水深があるミドルエリアに移動します。

やはりここでもミノーイングでの攻略を試みたのですが、反応が得られないので、スプーンにチェンジします。選んだのはエッセンシャル1.9gスプーンです。カラーは放流魚対応ながら居つきの魚も意識してメイメツイエローをチョイス。これをフルキャストして、最初は表層付近から探ってみますが反応がないので、魚は中層からボトムレンジにいるのではと仮定し、いったんボトムまで落として巻き始めますが、比重の軽いナイロンラインを使っているため、リールを6~7回巻いたらいったん止めてスプーンを再び沈めます。そしてまたリールを巻くことを繰り返しながら、スプーンが中層より上に浮き上がらないように探っていると、やっとこの日最初のアタリとともに一匹目がヒット。ただ寄せる途中でオートリリースしましたが、やっと得られた魚からの反応に一安心いったところです。そして再度オートリリースがあった後に再びヒットしたのですが、ランディングできたのは、この釣り場のレギュラーサイズにしては小型の30cmクラスのニジマスでした。

 この後エッセンシャル1.9gスプーンをカラーチェンジして、やはり中層より下のレンジを探っていると、着底後の巻き始めたところで、ひったくるようなアタリとともに激しく首を振るのが、タックルを通して伝わってきます。明らかにそれまでの魚とはファイトが違います。寄せては走られ、ジャンプされたり潜られたりを繰り返しながらキャッチできたのは、50cmクラスのニジマスでした。やはりネイティブに近い広大なエリアでの良型とのファイトは格別です。

 これでヒットパターンを見つけたと思ったのですが、またここからしばらくは沈黙が続きます。時よりミノーを交えながら、各種スプーン、クランクと試してみたのですが、なかなかヒットに持ち込むことができません。ただ時よりアタリはあるので、その付近に魚がいるのには間違いなさそうです。こうなったら、一番反応ある中層より下を探り続けるしかありません。ルアーローテーションしながら探っていたところで、やっとエッセンシャル1.9gスプーンのダズルチャートに良型がヒット。やり取りを楽しんでランディングできたのは、やはり50cmクラスのニジマスでした。この後もエッセンシャル1.9gスプーンに、さらなる良型がヒットしたのですが、残念ながらローボートのアンカーロープに巻かれて、あえなくラインブレイクでした。

 それをきっかけに集中力も切れてきたのでトイレ休憩を取り、その後しばらくは過去の釣行で好反応だったポイントを回って、ミノーイング中心で探ってみたのですが、放流魚はどこへ行ってしまったのか、アタリ一つ得ることができませんでした。


 早めの昼食をとった後は、午前中好反応だった右ワンドのミドルエリアに戻りますが、ここからの釣りも辛抱の釣りが続きます。午後最初にシボクラDR-Fのデッドリーピンクに、レギュラーサイズの40cmクラスのニジマスがヒットしてからは、しばらくはアタリこそあるものの、なかなかヒットさせることができません。

居つきのニジマス狙いで使ったZIL1.4gブラウンチャートブラックカラーに、レギュラーサイズのニジマスがヒットしただけで、釣行終了予定の午後3時を回ってしまいました。

とにかくもう1本欲しいと粘っていたところで、若干ライズリングが増えて来ました。もしかしたら放流魚が動き出したのかもと考え、ルアーをエッセンシャル1.6gタフコンブルーにチェンジ。ただ表層では反応なく中層付近で、レギュラーサイズがヒット。その直後も同サイズをヒットさせたのですが、その後が続かず、午後は大苦戦のままで終了としました。

 スタッフの方の話では、今回の放流魚は釣り場の水温になじむのに、時間がかかっている模様とのこと。今シーズン中に再度釣行してみるつもりです。

RodFLBC-S58UL
ReelS社1000番
Lineナイロン3lb(直結)
Lureエッセンシャル1.9g 各種カラー
エッセンシャル1.6g タフコンブルー
ZIL1.4g ブラウンチャートブラック
シボクラDR-F デッドリーピンク