成吉 弘幸

昭和34年生まれ(奈良県在住)。
登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では夏は渓流へ、冬は管理釣り場へとトラウトを追いかけている。

フィールド情報の乏しい関西の渓流で安全な川を選んで入渓ポイントなどもわかりやすくレポート。関西のトラウトルアーマンの一助になれば幸いです。



《 ハミングバード通天湖釣行(3月6日) 》


 近畿3府県に発出されていた緊急事態宣言も解除され、早速京都府南丹市にありますハミングバード通天湖に行ってきました。ここは水害対策のためのダム湖を利用した管理釣り場で、30〜40cmクラスのニジマスが中心ですが、50cmオーバーも放流されています。釣りができるのは、全長80mの浮き桟橋とローボートなのですが、広大なエリアを楽しみたいので、ローボートでの釣りを選択します。

 受付を済ませ、まずは放流ポイントの残りマスを狙って、ダムサイトに向かいます。この日の朝こそ暖かかったものの、まだまだ表層でアタックしてくる季節とは思えません。ルアーに反応してくれる魚は中層より下である事は予想できます。ミノーでの釣果をあげたかった私は、このエリアで実績のあるシンキングミノーを沈めて探ってみます。ところアクションを変えてみても、リトリーブスピードを変えてみてもノーバイト。続いて3.5gや5gスプーンをボトムまで沈めたり、中層付近を引いてみたりしたのですが、こちらもノーバイト。クランクにも全く反応がありません。1時間ほど粘ってみたのですが、周囲のボートの様子を見ていても、全く釣れてる様子がないので、いったんダムサイトはあきらめ、右ワンドを目指します。



 右ワンドに移動すると、ななりの数のボートがひしめき合っています。それでも奥のシャローエリアの手前の、比較的幅の狭まった付近であれば、他の方の邪魔にもならないだろうと、アンカーを降ろします。ここでもミノーでの釣果が欲しかったのですが、色々探ってみてもアタリ一つえることができません。そこでスプーンでの攻略に軌道修正します。その付近はそれほど水深がないので、エッセンシャル1.9gで探っていきます。カラーは若干濁りの入った水質と曇天を考慮してフルピンクを選択します。まずは旧川筋を意識してボトムまで沈め、ロッドを立てて巻上げで様子を見ますが、反応がありません。魚が居るとすればボトム付近ではと予想して、次にボトム付近の攻略に取り掛かります。

 最近はエステルラインを使う事が多いのですが、この釣り場では不意の大物によるラインブレイクに不安があるので、ナイロンラインを準備しました。ところがナイロンラインは比重が軽いため、普通にリールを巻くとスプーンが浮き上がってきます。そのためボトム付近を探るためには、リールを数回転巻いたら止め、再びスプーンをボトムまで沈めます。これを繰り返して、極力ボトム付近をトレースできるようしてみると、数投目でゴツンと鋭いアタリと共に、魚が暴れるのがラインを通して伝わってきます。この日の一匹目のヒットです。特に遠投してのヒットであり、寄せるのも楽しみの一つ。寄せては走られを繰り返した末、ネットインできたのは40cm超のニジマスでした。

 ここからしばらくは同様の方法で探っていきます。ただし一般の管理釣り場のように数釣りというわけにはいきませんが、反応の良さそうなルアーで粘ります。結局エッセンシャル1.9gフルピンクで、40cmクラスのニジマス3本をヒットさせたところでカラーチェンジ。ここからは降り始めた雨も考慮して、ゴールドベースのエッセンシャル1.9gで探ってみます。するとカラーチェンジしてすぐにヒットがあり、少し粘ってまた一匹ヒットするといった感じです。ただそれぞれのニジマスのサイズが40cmクラスとは言え、そのファイトは格別で数以上に楽しませてくれます。


 1時間半ほど経った頃になると、スプーンへの反応が薄くなってきたので、シボクラDR−Fデッドリーピンクを試してみます。シボクラDR−Fは最大潜行深度が2mあり、使ってみると場所によってはボトムノックしています。根掛りは怖いのですがそれでも粘っていると、何とか40cmクラスのニジマスをヒットさせる事ができました。



 この後トイレ休憩や昼食をはさんで、以前の釣行で釣果をあげたポイントを、ボートで移動しながら探ってみたのですが全く反応が得られず、午後2時前になって再び右ワンドに戻ります。観察していると右ワンド奥のシャローエリアは、かなり釣れている様子。ただそこに割り込みのも気が引けたので、午前中と同じ比較的幅の狭まった付近で、終了まで粘ってみます。

 使うのは再びエッセンシャル1.9g。カラーはアピール系を使ってみたのですが、反応がないのでナチュラル形のカーキモカを選択。これを使い午前中と同様に探ってみると、やはり40cmクラスのニジマスがヒット。さらにもう1匹ヒットしたところで、再び反応が薄くなったようなので、カラーをコガシキャラメルにチェンジします。


そしてそれまでと同じように、エッセンシャル1.9gをボトムまで沈め、ロッドを軽く煽ってリールを巻き始めた瞬間、急に重くなり反射的にアワセを入れます。するとそれまでとは明らかに異なる魚信が伝わってきます。最初は一気に走られたのですが、魚が疲れたところで少しづつ寄せてきます。そして近くまで寄せたところで、今度はボートの下に潜られロッドごと引きずり込まれそうです。それもエルファーロッドの力で必死にこらえ、何とかネットインできたのは、しっかりした体高のある50cmオーバーのニジマスでした。



 この一匹でこの日の運は使い果たしたのか、この後釣果をあげることができず、午後3時に終了としました。
 この日は放流直後という事もあり、場所によっての釣果のばらつきが多かったようです。時間が経ち季節が進んだ時期に、再釣行できることを願っています。


● 使用タックル

ロッド FLBC−S58UL(エルファー)
リール S社1000番
ライン ナイロン2.5lb(直結)

ヒットルアー エッセンシャル1.9g  各種カラー
シボクラDR−F デッドリーピンク



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