天空の野反湖で釣る

池谷 成就

群馬県在住。トラウトルアーゲーム全般のエキスパートだが、近年は群馬県や長野県を中心とした渓流、湖での釣りに傾倒している。かわせみ倶楽部 所属。

 湖の表面標高が1,513m。2,000m級の山々に囲まれる”野反湖”(のぞりこ)は群馬県の北西部に位置する周囲12kmほどの人造湖だが、その雄大でゆるやかなすり鉢状の形状から自然湖とも思える景色はとても美しく清々しい。私はこの地が大好きで10代の頃から登山やキャンプ、そしてフライフィッシング、ルアーフィッシング、そして冬と春のスキーと四季を問わず、時には歩いて、時にはスノーモービルで通ってきた。危険なことも知らず真冬の湖上をクロスカントリースキーでツアーをしたことも今は昔のこととなった。

真冬、電信柱の先端しか出ていない積雪量もこの湖を支えている一因だ。


 野反湖の事になるとついつい熱い文章となってしまうが、ニシブタ沢のインレット周辺を保護水面設定にあたっては群馬県水産試験場のK氏と、湖のポイント図を作成する際も山守で自然保護委員のN氏、旧六合村役場のY氏とともにポイントの命名、またひと口メモを書かせて頂いた。この湖とはとても深く関わらせて頂いる。この時のポイント図と釣りの写真がいまだに載っているのは恥ずかしいような嬉しいような感じだが。

 さて、中之条町六合(なかのじょうまちくに)地区の峠道をひたすら上る。峠の頂上に”野反湖休憩舎”があり釣り券の自動券売機があるがこの日は下界の暑さから逃れた観光客で駐車場満車のため、ダムサイトを超えたキャンプ場方面の”野反湖ロッジ”の券売機から日釣り券を購入する。

 いまやウグイが産卵するカメヤマ沢とニシブタ沢の合わさるあたりの湖岸に入った。ひたすらルアーをキャストするが何もない時間が1時間ほど。遠くで雷がゴロゴロしだした。ここの雷はとても怖い。ドッカン、ピッシャン。そしてドドドドドーと雹まじりの時は竿を放り出し、ちょっとした崖の窪地に身を隠さないと生きた心地がしない。幸いにも今回の雷雲はかすっただけだった。

そんな遠い雷鳴の中、いきなりルアーをひったくったのは良型だが成魚放流されただろう55cmほどのどっぷりと太ったニジマス。写真撮影だけですぐにリリース。ルアーを変えてキャストするとすぐにヒット。今度はやや小ぶりだが50cmをちょっと超えるニジマスだった。さらに同じようなサイズがもう一尾続いた。

そして最後は60cmを優に超えるであろうギンピカな魚体がすぐ足元の駆け上がりでゴワンゴワンギュイーンとやけにスピードがありしばらく暴れていたが、残念ルアーが外れて飛んできた。野反湖名物ブルーバックギンピカピンシャンレインボーの大型だった。シングルフックが完全に伸びきってしまっていた。年に数度通っている程度だが年に一度はかかる大物だ。一昨年はスイミングフックのリリアンが切れた。昨年はPEで巻いたフックがリングを抜けてしまった。そして今年はフックが伸びた。次回はシングルフックのシャンクの番手を上げる(太く)しかない。ハンドメイドミノーがバックリと壊されたこともある。


 第二キャンプ場前の”テン場”、”ツツジ見晴”、”ニシブタワンド”と戻るがノーヒットだった。ラッシュはたった30分ほどと大忙しだったが、起点は遥か遠い雷からだった。やはり僅かな気圧の変化が幸運を呼ぶこともあるのだと同行者も関心しきりだった。
天空のキャンプ場、野反湖キャンプ場の利用も面白い。午後3時まで利用できるデイキャンプもある。今はニッコウキスゲの群落も見逃せない。

野反湖遊漁券1日¥1,000
https://nozorikocamp.com/fishng/fishing_point/

Rodトラウティンスピン ベイトクラシックTBC-74MとTBCー83LH
ReelアンバサダーモラムZX1601C MAG(AVAIL改)とAVAILベイトリール
Lineフロロドレイク5lbと6LB
Lureバック&フォース7g・5gバック&フォースリッパ13gヘブン7gシボクラDR-F
NetチェリーネットM