成吉 弘幸

昭和34年生まれ(奈良県在住)。
登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では夏は渓流へ、冬は管理釣り場へとトラウトを追いかけている。

フィールド情報の乏しい関西の渓流で安全な川を選んで入渓ポイントなどもわかりやすくレポート。関西のトラウトルアーマンの一助になれば幸いです。



《 リバーランズ角川釣行(9月26日) 》


 今回は滋賀県高島市のキャンプ場であるバーランズ角川に併設された、フライ・ルアー釣り場に行ってきました。この管理釣り場はポンドタイプの釣り場で、広さは2100u、最深部は2.5m、営業開始は午前9時から、というのはホームページで分かりました。ところがネットで情報収集してみても、放流されているのが25〜30cmのニジマスというぐらいしか情報がありません。初めてお邪魔するのに心配です。
 さて近畿地方の管理釣り場は、一部を除き高水温のため夏季休業を余儀なくされていました。それが9月下旬から10月に掛けて、徐々に営業を再開します。ところがオープン直後は涼しくなったとは言えトラウトの適水温にはほど遠く、その上に待ちに待っていた人が一気に押しかけるので、あまり気持ちよく釣りを楽しめない事もしばしばです。そこで近畿北部に位置し、真冬は降雪で閉鎖するリバーランズ角川であれば、楽しい釣りができるのではと考え、奈良の我が家からのアクセスは悪さにめげずお邪魔することにしました。


 さて営業開始の午前9時前にキャンプ場のゲートが開き、一番に受付を済ませた私は、ポンド全体を見渡します。なんといってもそのロケーションの良さには感動です。そして最初は岬状に突き出た部分に向かいます。実はいつもであれば、タックルボックスに複数のタックルを準備して楽しんでいるのですが、今回はお気に入りのロッド「エルファー」のタックルワンセットと、ショルダーバッグにスプーンとプラグのルアーケースを詰め、身軽な形で準備しました。これは始めての釣り場で勝手が分からない事。さらに営業再開したばかりの管理釣り場では、放流魚が比較的水温が低い深場に溜まることがあるため、その場所を探すために身軽に移動するためです。


 さてその岬状の場所からはいくつかの小さな島が見えます。水は前日の降雨のせいもありややマッディ。ライズする魚もなく、視覚だけでは魚がどこにいるのか分かりません。とりあえず島をストラクチャーとみなし、その周囲から探ってみる事にします。選んだルアーはスプーンのエッセンシャル1.6g、カラーはマッディな水質でもアピールできるミナギリゴールド。まずはボトムまで沈め、軽くロッドを煽ってエッセンシャル1.6gを少し浮かせてリトリーブしてみると、すぐにアタリがあります。そこで同様にリトリーブしてみると、3投目にファーストヒット。ランディングできたのは、30cm弱のニジマスでした。これがこの釣り場のレギュラーサイズなのですが、サイズ以上にコンディションが良いのには驚きです。

その後も島周りを中心に探ってみたところ、中層より上では反応なく、中層よりボトムでヒットが続きます。カラーもアピールカラーを中心に探っていきます。すると10分ほどで3匹のニジマスがヒット。どうもこの付近に放流魚たちは溜まっているようです。この後も、いくつかある島の周辺のボトムを探ることで、釣果を伸ばす事ができました。ルアーはエッセンシャル1.6gのカラーローテーションです。



 そうやって釣果を伸ばしていると、実釣開始から1時間も立たないうちに放流タイムです。速めの動きで放流魚にアピールしようと、スプーンをエッセンシャル1.9gにチェンジします。さてここからお祭りタイムが始まると思ったのですが、そうは簡単にはいきません。放流魚の動きは、ライズなどを見ていると分かるのですが、意外と早く移動していきます。ところがエッセンシャル1.9gのカラーローテーションで数匹はキャッチできたものの、30分程で元の静かなポンドに戻ってしまいました。
終了後にこの釣り場(キャンプ場)の代表に伺ったところでは、放流魚のストックされていた池と釣り場では、水温に2℃程度の差があるとのこと。そのため放流されてもすぐには口を使ってくれなかった事が想像できます。


 しばらくは他のスプーンも試したのですが反応が得られないので、ルアーをタフコン専用クランクベイトであるカルモMR−Fにチェンジします。カラーは視認性を考慮しハイビスカスを選択します。狙うのは最初と同じ島周りです。カルモMR−Fを着水後リールを早巻きして一気に潜らせたら、後はスローリトリーブで探ってみると、一投目からレギュラーサイズのニジマスがヒット。この頃になって放流魚が口を使い始めたのかもしれません。2〜3匹ヒットさせて、反応が薄くなったらカラーローテーション、というやり方で順調に釣果を伸ばしていきます。まさにこの日のヒットルアーは、カルモMR−Fでした。




 昼前までカルモMR−Fで十分楽しんでいたのですが、ネットイン直前のバラシが2回続いたところで、こちらの集中力も途切れてきたので、少しは早めの昼食休憩としました。
 休憩した後は、元の場所に他の方が入られた事もあり、ポンドの周りを移動しながら探ってみたのですが、他の場所ではなかなか魚の反応がありません。シボクラMR−Fで一匹はキャッチできたものの、その後はノーフィッシュ。午後2時半に終了としました。


 結局ある意味予想通りで、まだ水温が高いこの時期のポンドでは、比較的水温の低い深場に魚は溜まっていて、午前中はその場所を探り当てる事で、釣果を上げることができたわけです。
 この釣り場では、今後週一ペースで放流を続けるそうで、トラウトの適水温となる10月中旬以降はポンド全体に魚が散らばり、様々な釣り方で楽しめそうです。


● 使用タックル

ロッド FLBC−S58UL(エルファー)
リール S社1000番
ライン エステル0.3号(直結)

ヒットルアー エッセンシャル1.6g 各種カラー
エッセンシャル1.9g 各種カラー
カルモMR−F 各種カラー
シボクラMR−F オリーブオイル



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