成吉 弘幸

昭和34年生まれ(奈良県在住)。
登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では夏は渓流へ、冬は管理釣り場へとトラウトを追いかけている。

フィールド情報の乏しい関西の渓流で安全な川を選んで入渓ポイントなどもわかりやすくレポート。関西のトラウトルアーマンの一助になれば幸いです。



《 アクアヘブン釣行(2月1日) 》


 今回初めて釣行した管理釣り場は、滋賀県大津市真野ICすぐのところにあるアクヘブンです。ここの売りは、年間通して毎分700Lの新鮮で豊富な地下水により、鮮度の良い魚が放流されていることです。池は比較的大物が泳ぐ「ビッグトラウトゾーン」と、レギュラーサイズのニジマス中心に放流された「バラエティーゾーン」の二つに分かれていますが、どちらも自由に移動が可能です。


 1日券を購入し、最初に向かったのはビッグトラウトゾーンです。こちらは別名で長池と呼ばれるとおりの池で、クラブハウス側からのみキャストできます。管理人さんのお話では良型のイワナも放流されているとのことなので、早速ミノーで狙ってみます。ポンドタイプの管理釣り場でイワナを狙うとすれば、岸際の駆け上がりか水の動きのあるところです。他のアングラーがいないのをいいことに、岸際や水車周り探っていきます。


 フローティングミノーからスタートし、ディープダイバーミノーとチェンジしながら、リトリーブスピードやアクションを変えながら探ってみるのですが、反応が得られません。マッディな水質のため魚影が確認できず、次第に疑心悪鬼になっていきいます。時間が経つにつれ、他のアングラーも増え始めたので、岸際の攻略はあきらめ、少し場所を移動してもミノーでイワナを狙い続けます。シンキングミノーをボトムまで沈めてリフト・アンド・フォールも試したのですが、状況に変化はなく、時間だけが過ぎていきます。さすがにイワナを狙い続けるのにも限界を感じて、ターゲットをニジマスにチェンジします。ところがスプーンやクランクを試すのですが、なかなか反応が得られず、釣行開始から3時間近く経つ間に、スプーンに一回アタリがあったのみです。周囲の人も朝マズメにポツポツとニジマスがヒットしていたようですが、その頃には釣れているようすがありません。


 折れそうになる気持ちを自ら励ましながら色々試していると、他のアングラーは移動したのか人が少なくなってきて午前10時を過ぎました。すると私のいる正面でポリ容器からニジマスらしき放流が行なわれたではありませんか。

 この千載一遇のチャンスに、選んだルアーはエッセンシャル1.9gスプーンです。カラーはマッディーな水質も考慮して、ゴールドベースの色にします。これを放流地点から魚の移動も予測しながらキャストし、ロッドを立ててファストリトリーブで探っていくとすぐに、二投目にこの日最初の一匹がヒット。ロッドを通して伝わってくる感触は、それほど大型ではなさそうですがよく走ります。ランディングしてみると、40cmほどのヒレピンのニジマスでした。

この後もエッセンシャル1.9gスプーンのゴールドベースをローテーションしながらこの日最大の50cm弱の体高があるニジマスを含めて良型のニジマスを5本ヒットさせることができました。



 さすがに30分も経つとエッセンシャル1.9gのカラーローテーションにも反応がなくなりました。時間の経過とともに放流魚は沈んだと予測し、ルアーをシボクラMR−Fにチェンジ。これも狙い通りで、40cmクラスのニジマス3本をヒットに持ち込むことができ、早朝からの苦戦の溜飲を下げることができました。



 この後早めの昼食休憩をとり、後半戦はレギュラーサイズのニジマスが放流されたバラエティーゾーンで実釣を開始します。こちらは通称丸池と呼ばれており、ほぼ円形に近いポンドで、その全周で釣りが可能です。私も空いている所に入り、まずはボトムから探っていくことに。エッセンシャル1.6gをテンションフォールでボトムまで沈め、デジ巻きを試してみると、一投目から25cmクラスのレギュラーサイズのニジマスがヒット。残念ながらネットイン直前にオートリリースとなってしまいましたが、やる気のある魚はボトム近くにいることは間違いなさそうです。

 そこでしばらくはエッセンシャル1.6gでボトム攻略に励んだのですが、ここで問題が発生。なぜか根掛りが頻発するのです。後で聞いた話では、防水シートの継ぎ目に引っかかることが多いらしい。これではロストが怖くて続けられません。


 色々と試していると、たまに表層30cmぐらいをフラフラと泳いでいる魚影が見られます。続いてこれらを攻略してみることに。選んだのはZIL0,6gスプーンで、色はライムチャートブラックです。これをカウント2沈めてデッドスローでリトリーブという方法で、2匹のニジマスのヒットがあったのですが、カラーローテーションしても後が続きません。


 すこしZIL0,6gスプーンで粘った後は、新しいクランクベイトであるカルモMR−Fにチェンジ。カルモMR−Fはタフコン専用というだけあって、この状況にはピッタリのようで、アタリもありヒットもするのですが、ネットイン直前にオートリリースしてしまいます。最近は伸びの少ないエステルラインを使うようになったのですが、この時はこれが災いしたのかもしれません。もしナイロンラインを試していたら結果は変わっていたかもなどと、後から考えてしまいました。それでもカルモMR−Fでレギュラーサイズのニジマス数匹をキャッチできました。


 その後、まだ使っていなかったルアーを試していると、日照の関係か活性の高い魚が沈みがちになってきたように感じたので、シボクラMR−Fにチェンジし、数匹のニジマスがキャッチ。さらに終了予定まで1時間切ったところからは、シボクラDR−Fを投入。これも爆釣とは言えないまでも、飽きない程度に釣れ続け、午後3時過ぎに終了としました。




 今回は初めての釣り場で勝手が分からず、マッディな水で魚の反応を視覚で確認することができなかったため、苦戦する時間帯もありましたが、新しいルアーであるエッセンシャルやシボクラに助けられ、終わってみたら満足いく釣行となりました。この釣り場も季節をかえてまた遊びにきたいものです。


● 使用タックル

ロッド FLNE−60GTS
リール S社1000番
ライン ビッグトラウトゾーン:エステル0.4号(直結)
バラエティーゾーン:エステル0.3号(直結)
ヒットルアー エッセンシャル1.9g 各種カラー
ZIL0.6g ライムチャートブラック
カルモ MR−F イルペレRP2
シボクラ DR−F 各種カラー
シボクラ MR−F 各種カラー



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