成吉 弘幸

昭和34年生まれ(奈良県在住)。
登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では夏は渓流へ、冬は管理釣り場へとトラウトを追いかけている。

フィールド情報の乏しい関西の渓流で安全な川を選んで入渓ポイントなどもわかりやすくレポート。関西のトラウトルアーマンの一助になれば幸いです。



《 醒井養鱒場ルアー釣り場釣行(1月4日) 》


 令和2年となり、初釣行は楽に数釣りがしたいと思い、ちょっとした遠征気分で滋賀県米原市にある滋賀県醒井養鱒場ルアー釣り場へ行ってきました。醒井養鱒場は明治11年に設立された日本最古の養鱒場で、霊仙山のふもとから湧き出す清流をたたえた大小の池でニジマス、アマゴ、イワナ、ビワマスなどが養殖されています。さらにマス類の生産以外にも、養殖業の活性化を目指して調査研究を行ないつつ、養殖技術や放流技術等の普及指導も行なっており、自然とふれあう情操教育の場として活用されています。
 さて片道2時間30分もかかる醒井養鱒場にある管理釣り場を、新年最初の釣行に選んだのには、私なりの読みがありました。実はこちらの管理釣り場は年末24日より1月3日までは年末年始休業で、魚たちもゆっくり休養が取れていると予想されたこと。そして1月4日・5日の両日は、新春爆釣放流があるとの新着情報があり、普段以上に釣れると期待したからでした。


 初めての訪れる釣り場ということもあり、期待に胸を膨らませ現地に到着したのは、営業開始の1時間前です。さすがに早めに着き過ぎたと思っていたら、何か様子がおかしい。受付らしき小屋の前には、順番待ちと思われるおびただしい数のランディングネットがおいてあります。さらに駐車場はほぼ満杯状態で、皆さんタックルの準備も済み、受付に移動を開始しています。誰もが私と同じ考えで、混雑するのを見越して早めに集合された模様です。慌てて準備を済ませ受付の順番待ちの列に並んだところ、ギリギリセーフで入場できて一安心です。スタッフの方からは「定員50名のところ60名以上入場しているので、譲り合ってた楽しんでくださいね」との一言。多少不安を感じながら釣り場へ移動すると、期待の桟橋はすし詰め状態で、対岸側しか場所がありません。事前情報では桟橋での釣りがメインとのことだったので、ますます不安になりながら、何とか釣り座を確保しポンドの状況を観察してみると、20〜30cmと思しきニジマスの魚影が確認できます。



 そこで最初はミノーで様子を見て見ることにします。フローティングミノーからスタートして、ディープダイバー、それ以外のミノーも総動員したのですが、全く反応がありません。リトリーブスピードやアクションを変化させながら探ってみますが、追尾してくる魚影もなく、どちらかと言うとミノーを避ける魚影ばかり。周囲のアングラーを観察してみたところ、ほとんどがスプーンからスタートされているようですが、こちらも反応はいまひとつのようです。30分ほどミノーにこだわってみたのですが、あまりの反応の悪さに、周囲の方と同様にスプーンにチェンジしてみます。最初は1.6gスプーンで表層から中層を中心に探ってみますが全く反応なく、続いて1.9gスプーンを使って中層からボトムを探ってみたところ、ポツポツとアタリがあります。そこでズル引きやデジ巻きを試してみたのですが、残念ながら魚がヒットすることはありません。時よりボトム以外の表層から低層までも探ってみますが、釣果を得られることもなく、時間だけが経過していきます。

 焦る気持ちの中で、これまでの反応を冷静に判断してみると、ヒットはないものアタリがあったのはボトム近くだけ。といってスプーンでのボトム攻略もうまくいきません。いずれにしてもやる気のある魚は低層近くにいる可能性が高そうなので、ルアーをクランクベイトのシボクラDR−Fにチェンジしてみました。

キャスト後、リールを数回転一気に巻いて、最大深度までシボクラDR−Fを潜らせたら、あとはリトリーブスピードをファストからスローに変化させながら探ってみます。するとスローリトリーブで待望のヒット。ただし途中でバラしてしまいましたが、何とか答えが見えたようなので、シボクラDR−Fで同様に粘ってみたところ、すぐにレギュラーサイズのニジマスがヒットし、無事にネットインできた頃にはスタートから1時間が経過していました。


 そのままDR−Fのカラーローテーションで釣果を伸ばそうとしていたところに、放流の準備が開始されたため、すぐに放流魚対応にタックルにチェンジし、ルアーもZIL1.8gスプーンの赤金にチェンジします。後は中層より上の層をファストリトリーブすることで、何とかニジマスをヒットに持ち込めます。ただしこの日は人的プレッシャーの影響か、放流効果が長続きしません。ZIL1.8gの赤金と蛍光ピンクで5匹はヒットできたものの、その後が続きません。さらに軽いスプーンを試したり、ナチュラル系のカラーも試したのですが全く反応がなく、再びシボクラDR−Fに戻します。



するとシボクラにだけはニジマスも反応がよく、バラシも多いもののヒットに持ち込むことができます。ただカラーローテーションにも限界があるので、シボクラMR−Fにチェンジします。少しでも下の層をリトリーブしたいので、ロッドを水中に突っ込みニーリングスタイルで探ってみると、シボクラDR−Fと同様に、何とかヒットに持ち込むことができました。




 昼食後は、手持ちのルアーを総動員して色々と試してみたのですが、ヒットパターンが見つかリません。なぜか目の前の魚影もなぜか少なくなっています。但し時よりシボクラDR−Fに戻すとヒットすると言う状況が最後まで続き、予定より早めの2時30分に終了としました。



 常連さんの話によると、この日は人的プレッシャーのためか、かなり反応が悪いとの事。私も大苦戦でしたが、シボクラのDR−FとMR−Fのおかげで、何とか釣果をあげることができました。改めてそのアクションとボディ表面のシボ(皺)加工の効果を確認することができたのは、今後の釣行の自信となりました。


● 使用タックル

ボトム・タフコン用

ロッド FLNE−60GTS
リール S社2000番
ライン エステル0.3号(直結)

放流直後・その他用

ロッド FLDB−56L
リール S社2000番
ライン ナイロン2lb

ヒットルアー ZIL1.8g 赤金、蛍光ピンク
シボクラ DR−F 各種カラー
シボクラ MR−F 各種カラー



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