■ 渓を下り
森の中で釣りに夢中になり昼食も忘れてしまった。楽しませてくれた渓を一旦下り、夕方を里川で過ごすことにした。
手短に車中で遅い昼食を済ませ、目指すポイントに入っていく。
そこは岩盤を切り裂くように流れている水深の浅いポイント。ストーキングしてポイントに近づく。落ち込みにキャストして流れが落ち着く鏡になった辺りから、パニッシュ55Fを躍らせるように流してバイトを誘う。「キラ」水泡の中から銀色の体側を見せながら魚がルアーにアタックしてきた。いいサイズだ。「喰え!」残念ながらこの魚は喰い損ね、下流に下って行ってしまった。「ああ。終わった。」水深が浅いため隠れる場所が無く、居場所を失った良型は一気に下流の岩陰に隠れてしまった。
結局夕まずめはこのワンチャンスだけだった。その後激しい夕立ちに見舞われ、敢え無く納竿。この雨が明日に繋がれば。そう思わずにはいられなかった。 |