産卵に向けての「のっこみチヌ」始動!

古谷 英一

鹿児島県在住。錦江湾を中心とした鹿児島県内のフィールドでショアからのソルトウォーターゲームを追求している

全国的に、チヌ(クロダイ)の産卵は春。私が住む鹿児島も、それに差はさほどありません。
ただ、関西や関東など他の地域に比べると、若干はスポーニング突入は早いと言っても過言ではありません。
という事で、プリスポーン前ののっこみ(荒食い)チヌを狙う釣りが開幕です!


基本的には、釣った魚を食べる事は少ない私ですが、この寒チヌとも呼ばれる極寒期から春に掛けてのチヌは美味しいらしい。食べ比べる事がないので、本当なのか?は不明です。
しかし、一年の中でも最もプロポーションが素晴らしく、パワフルな個体が多い事は確かです!ここが、極寒期のチニングの楽しい所。
産卵に向けて体力増強、エサをとにかく食べまくるメスが増え、素晴らしいの一言。アベレージサイズは、本当にいい季節です。


ただ、チヌは性転換をする種族です。生後数年はオスとして生き、その後は8~9割りはメスに性転換する魚です。そのため、大きいチヌほど多くの卵を産むとされています。
これを考えれば、この季節の釣りでは、基本的にはリリース前提の釣りを心掛ける事が、将来のチニングを支える事になるのがわかります。
およそ3~5年で30cm満たない成長速度のチヌですが、メスに性転換していくのはそこから生きいく個体です。大きくなるにも時間が掛かる魚でもありますので、出来る限りリリースを前提としたゲームをお願いしたいとも思います。


そんなチヌですが、鹿児島は既にのっこみシーズンに突入です。数がまとまって釣れる事も多々あります。
しかし、ポイント選びは重要ですね。この極寒期、多くのチヌは海草を多く食べます。栄養価も高く、楽に食べられる、そして大量に摂取可能といい事だらけ。そのため、この海草が多く繁っているポイントを攻める事が一つのカギになったりします。
あくまでも目安ですが、チヌの好む海草が点々とあるフィールドは、低水温期でもチヌが沢山集まってきます。

そんな海草食いのチヌを狙うとなると・・・動かし続けるルアーでは不向きでは?そんな疑問が沸いてきますが、それはあくまでも主食が海草というだけで、隙あらば何でも口にする荒食いシーズンです。ここが大切です。
海草を食べに集まってきたチヌを、それ以外に興味を示させる事で、釣っていくのです。
ボトムを中心とした攻めにはなりますが、好奇心旺盛な性格を利用し、興味をひいてあげます。
基本的には、普段のボトムチニングでOKです。コーヴァイチューのフリーリグ、私はこれ一択です!
ただし、低水温で低活性のチヌも多いし、夏場の様にしつこく連続バイトを繰り返す事も少ないです。
そのため、ワンバイトを正確にフッキングできる様に、釣り方やフックを工夫します。


まず、タダ巻きよりもリアクションで食わせる工夫です。興味を示させ、追わせて食わせる釣りは、この季節はミスバイトが増加する傾向が強くなります。あま噛みが増えるのと、長距離追う前に諦めてしまうチヌが多いです。
それを解消するのが、ボトムバンプです。ただし、夏場の様なテンポの早い連続したアクションではなく、スローテンポかつショートバンプでポーズの間をしっかりと。これが一つのパターンと言えます。
ボトムズル引きだと海草がとにかく引っ掛かってくるポイントでも、少しでも海草掛かりが減るのもメリットがあります。


次に基本的なタックルは一緒ですが、シンカーを普段よりも一つ重めのセッティングにする事と、ストレートフックを使用する事です。
シンカーは、ボトムバンプさせた時にボトムからワームが離れすぎない様にする為と、アップダウンのメリハリを短い距離の中でもきっちりと付けたい為です。瞬時に短距離移動する、逃げるエビを想像した動きに近くします。
これが低水温期のコツとも言えます。
そしてフックは、その瞬時の動きに対して反応したチヌが『ゴッ!』と一発で咥えた際に、確実にフッキングできる様にフックポイント剥き出しのストレートフックを使用します。
根掛かりのリスクは格段に増えますが、フッキング率は驚異的に上がります。
普段、使用しているオフセットフックでも悪くはないのですが、バイト数に対してフッキング率は極端に悪くなります。ワームボディに沿う様にフックポイントがある分、ワームを押し潰した状態にならなければフックポイントが魚へ降れにくいので、あま噛みや軽く咥える事の多いこの季節は特に大きな差が出ると思います。

そんな工夫をしつつ、あとはタイミングですね。水温が低い季節のため、少しでも水温が高いタイミングの方が、チヌも活性が高いと言えます。
よって、下げ潮でも釣れますが、より活性が上がるのは水温の高い水が入ってくる上げ潮のタイミングです。
暖かい海水と一緒に河川内へ入ってきて、エサを食って帰るチヌが増えます。となると、干潮前後の時間帯よりも、満潮前後の時間帯の方が、より釣りやすいとも考えられますね。
ただし、そのタイミングの水位で、何処にチヌが集まりやすいのか?はしっかりと考えてポイントセレクトして下さい!

チヌののっこみ前線、これから北上していきます。最高のプロポーションをした、最高のファイトをしてくれるチヌと、最高の時間を楽しんで下さい!
ただし、あくまでも産卵を目前にしているメスが狙いになってきます。少しでも多くの子孫を残してもらうためにも、そして少しでも長生きして大きくなってくれる事を願って、優しくリリースを心掛けて頂ければと思います。

RodベイライナーAKBM BL-C812ML
Lureコーヴァイチュー
Hookストレートフック
Landing
Item
イージーフィッシュグリップ18