伊勢志摩地方のデイクロダイチニング事情

辻 晴仁

三重県在住 某水族館魚類飼育員。アジング、メバリングからオフショアまでソルトルアーゲームを展開しています。 釣果報告や魚類生態解説→https://www.fishing-aquarium.com

伊勢志摩の河川はとある地方を除くと圧倒的にクロダイ率が高く、同時に日中に釣ることが難しくなります。ご存知の方も多いと思いますが、キビレとクロダイでは日中の反応は明らかに前者が良くて、混泳する地域ではキビレの活性が上がると、それにつられてクロダイも高活性になると言った状況があるように、やはりキビレはチニングのキーポイントとなります。ただこの伊勢志摩はクロダイの生息数は非常に多く、昔から筏での団子チヌが盛んな海域でもあります。今回はそんなクロダイをなんとか日中に釣れないか?をテーマにいつも通り調査したレポートとなります。


まずはナイトチニングで今シーズンも夜は反応することを確認します。エントリーしたポイントは川幅の割に流真は狭く、潮位が下がるとポイントが絞りやすい場所です。タイミングを見計らってエントリーすると20分で3バラシの1 キャッチという結果でした。カラーはグリパンレッチリーです。やはり釣れますね。

というわけで、デイチニングに移行します。デイのクロダイチニングを成立させる為にまず考えたことは条件を絞ることです。河川を色々と変えて回ろうかとも思いましたが、ホームとしている河川に絞ることにしました。その方が釣れる条件がわかるようになると考えたからです。まずは時間帯を絞ります。釣行時間に制限を設けて様々な時間帯で探ります。まずはあえて真昼間にエントリーしてみましたが、これが全くダメ。ノーバイトに終わる日がほとんどでした。逆にフグが多くてワームのロストになってしまうのでこの時間帯は避けることにしました。そこでマズメの時間帯を調査してみることにします。するとわかってきたことが、どうやらマズメ+3時間。つまり、日の出後3時間、日の入前3時間はバイトが得られることがわかってきました。


この日は上げの潮でポイントにエントリーしました。潮位がまだ低い為、流真が近いところから探っていきます。根掛かりが少なく幅広いポイントなのでロングキャストを繰り返しているとコンコン!と弾くバイトが得られます。乗せ切れませんが、その近辺でバイトが多いので魚が溜まっているようです。重点的に探っていくとズル引きに鋭いバイトが得られます。優しくフッキングするとジワっと乗ってファイト開始です。流れに乗ってよく引く魚でした。

満ち込みの潮がさしてきたのでポイントを移動します。これが正解でした。このポイントは川端が少し狭くなり、水深も全体的に浅くなるところです。フルキャストで探っていくとバイトが多発します。これは魚も多く、かつやる気のある魚のようです。数キャスト目、コン!と当たってから何度も何度もバイトを繰り返しながら足元でやっと食わせることが出来ました。横へ走る魚で苦労しましたが、無事キャッチできました。お腹がパンパンです。リリースしましたので胃の内容まではわかりませんでしたが明らかに捕食している個体でした。

このポイントは確実にボトムチニングに合っているので更に探っていきます。すると今度はいきなりドン!とあたり、そのままフッキングが決まる深いバイトが得られました。そのままファイトに持ち込んで無事ネットインできました。縦縞のある個体でした。

この日を境になんとなく日中のクロダイの狙い方がわかってきました。簡単に言うとフィーディングポイント、フィーディングタイムを探せば良いということです。ただこういったポイントはクロダイのみならずやはり他の魚種も釣れてきます。


この日は足元に少々窪みがあるような地形変化のポイントを探っていると、思惑通りにガツっと当たります。追いバイトが無いな?と思いますが違和感が残るのでフッキングすると上がってきたのはヒラメでした。汽水のポイントですがこちらでは初めてヒラメに会うことが出来ました。

ヒラメを釣った後にまだ雰囲気があるので探ってみると、ガツッとしたバイトの後に動かないパターン。合わせてみるとドンと乗ってやってきたのはマゴチです。マゴチが吐き出したのは小型のおそらくメイタガレイです。この河川の上流にはアシハラがあるのでそういったところで生息している稚魚だと思いました。

またまた別日。この日はマズメ前からエントリーするとズル引きアクションにバイトが多発します。しかし全てショートバイトで頭を悩ませます。ズル引きのスピードをゆっくりにしたりストップを入れたりと色々と試しますが鋭いアタリがあるもののなかなか乗ってくれません。やっと乗った!と思ったら小型のしかもキビレです。このエリアでは珍しいです。

続けてキャストをしていると、そろそろ回収しようかと言うタイミングでリーリングとバッティングするような形でバイト!カウンターぎみにフッキングです。よく引く個体は狙い通りの本チヌでした。

この日はひとまず釣れましたが、日没が近づいて光量が落ちたことで騙せたというような釣れ方でした。


伊勢志摩地方の日中クロダイチニングはどうやら時間帯とポイントでバイトまでは持っていけることがわかってきました。ただ多発するあのショートバイトをいかに掛けるかが今後の課題となっていきそうです。

RodSmith:プロトロッド
ReelDaiwaジリオンsvtw xg
Lineygk アップグレード×4 #0.8
LureSmith:コーヴァイチュー
HookSmith:コーヴァイフック