伊勢志摩地方のチヌにフリーリグ/ コーヴァイチューを使ってみた

辻 晴仁

三重県在住 某水族館魚類飼育員。アジング、メバリングからオフショアまでソルトルアーゲームを展開しています。 釣果報告や魚類生態解説→https://www.fishing-aquarium.com

今や文化と成りつつある大阪湾や東京湾のチニングゲーム。私自身ももちろんチニングをやってきた背景はあるのですが、伊勢志摩地方がホームとなるとチニングの機会が激減してしまいました。贅沢な話ですが、理由は美味しくてエキサイティングな魚種が他にたくさん居るからです。ただ、Smithさんよりフリーリグ専用ワームのコーヴァイチューが出たこともあり、こちらのチヌに試してみようと再開拓をすることにしました。


ところでこちらのチヌ事情なのですが、生息数はとても多く、昔から筏のダンゴ釣りが盛んです。


チニングとなると河口域が基本となる為、まずはメジャーな河川に日中に入ってみました。するとシャレにならないほどのフグの猛攻に会います。他の河川もどうかと色々と回ってみましたがどこもクサフグが大量に生息しています。これは釣りにならないということで日没後のゲームに切り替えました。


今回ポイント選択の目安にしていったのが捕食ポイントです。汽水域で狙う場合、特に満潮時は面積が増えるのでポイントが絞りにくいです。そこで流芯からのかけ上がり先に広がるシャロー域を選びました。チヌが捕食に上がって餌を探すポイントです。


というわけで日没後、満潮から下げのタイミングでエントリーします。まずはズル引きで広範囲に探ります。しかし牡蠣殻が多数点在しているみたいでスタッグすることが多いです。そこでリフトアンドフォールで探っていきます。


リグを縦に上げるイメージでロッドを煽りながら細かく底を叩いていきます。コリっとシンカーが牡蠣や障害物に触った瞬間にロッドを跳ね上げるとスタッグが軽減できました。


なかなか当たりが得られませんが新規ポイントなのでもう少し粘ってみると、やはり回遊してくるタイミングがあったようです。フォール中にガツっとバイトしてフッキング成功。左右に走りながら上がってきたのは本チヌ(クロダイ)でした。

潮回りが変わって次は干潮時での新規ポイントの開拓に挑みました。足場が出てくるタイミングでエントリーします。流芯以外は浅過ぎて狙えない感じです。そこで水深が残っている筋をテンポ良く打っていくことにします。下げの流れが案外強くボトムパンプというよりはドリフト気味に探っていくと、いきなりロッドがひっ叩かれてファイト開始です。魚が跳ねるし、シーバス?ボラのスレ?などと疑いましたが寄せてくるとこちらも本チヌでした。

また別日、前回の潮位が下がったタイミングの釣り方でバイトが多く得られたので、ポイントを変えて同じような釣り方をしてみました。この日は小潮で下げの流れはさほど出ていませんが、ちゃんと効いていることが確認できます。エントリーして探ってみますが牡蠣殻が多いようでズル引きするとすぐにスタッグしてしまいます。やはりアクションはリフトアンドフォールが基本となりそうです。


リフトしたリグを下げの流れに乗せながら少しずつドリフトさせていくと着底と同時にカツカツっと啄むようなバイトが得られます。小型のハゼかな?と思いましたが、そのままシェイクで誘うとまたしてもバイト。もう一度リフトアンドフォールを繰り返すとボトムノック時にまたまたバイト。そのままロッドで聞くとコンコンっとティップが絞り込まれたのでフッキング!下げの流れに逆らうように走りながら寄ってきたのは綺麗な魚体の本チヌ、クロダイでした。本アタリまで5m以上は追いかけてきた個体でした。

まだ魚が居そうだったのでさらに探っていくと、フォール中に派手に引ったくっられます。これはもらったとフッキングに行きますが、私の気合いとは裏腹に軽い!?上がってきたのはセイゴでした。


確かに底を意識しているシーバスも釣れるよなと思いながら、同じコースを探っていくと今度はゴン!ゴン!という強いアタリ!これは食ったやろ!とフッキングへ行くとずっしりとした重量感。ドラグを若干緩めて咄嗟のランに気をつけながら寄せてくると体高のある太い個体でした。

さてコーヴァイチューを使った感想ですが、食い気ある個体を寄せる力は強いワームだと感じました。リブが深く多数ある為、存在感はワームサイズ以上のものを感じます。また潮を受ける能力が高いので、ステイで長く置いておけることも可能だと実感しました。


こちらのフリーリグチニングももっと探っていきたいと思います。

RodSmith:BL-C812ML/AKBM
ReelDaiwaジリオンhdtw 1000xg
Lineduel アーマードf pro ロックフィッシュ#1.0
WormSmith:コーヴァイチュー
HookSmith:コーヴァイフック