チニングにおけるトップからボトムへの
シフトタイミングで伸びる釣果

古谷 英一

鹿児島県在住。錦江湾を中心とした鹿児島県内のフィールドでショアからのソルトウォーターゲームを追求している

台風通過後、河川の濁りや流下物が落ち着くタイミングでの釣行ですが、河川は少し増水傾向。流れのしっかりと効いたポイントが形成されていました。
本来チニングで、流れがきつめに効いた流芯を狙う事は少ないのですが、増水の影響で太い流芯が出来上がっており、本来のチヌの溜まり場が流芯のど真ん中になっている状況です。
そんな中でも、夏なのでトップから!チヌペンをまず投入します。チヌの活性を調べるにも便利ですし、手早く広くサーチできるので、どんな状況でもシャローエリアであれば、まずはチヌペンというのが私のスタイルです。


流芯に対してクロスでキャストし、流れに乗せつつダウンで誘っていきます。意識しなくても一気に下流へと流れていくチヌペンに、ごく軽く細かくトゥイッチ。ドリフトさせつつ、ドッグウォークさせる感じです。
本来、この様な強い流れの中ではトップゲームは不向きだったりするのですがお構いなしです。普段は流れの緩やかなシャローエリアなので、そのチヌの着き場が変わっていない事を信じて、まずはチヌペンです。
そしてチヌの群れは、完全にシャローエリアにできた流芯の中に。強い流れを利用したトップゲーム開始です。


ダウンクロスのドリフトトップゲーム。時に、流れに乗せてスプールフリーで、ラインを出しつつチヌペンを操作。探る範囲は流れが強い分、下流へは無限に広がる感じです。
そして、その流芯で水面炸裂!ただし、強い流れの影響で、ミスバイトとフックアウトが続発。
微調整しつつストライクを増やしていきます。流れにラインを取られ過ぎない様にラインメンディングしたり、アクション後の食わせの間をテンション無しで作ってあげたり。細かな事に気を付けながらフッキング率を上げていきます。

ツ抜けを達成後、水面への反応は減少。おまけに、トップだと流れが邪魔をして今一つ効率が悪いので、ボトムチニングへ切り替えます。流れが強すぎる流芯にチヌが溜まっているので、そこをダイレクトに探っていきます。
トップは難しくも面白いのですが、同じ場所をしつこく探り続けると、水面へ対しての好奇心はどんどん薄れていきます。さらには、流れが強い状況では、水面を早いスピードで動くルアーに対しての反応も鈍くなります。
そうなってくると効率はさらに悪くなります。その前にボトムチニングへ切り替え、チヌの目を上へ向けさせる努力をするより、自然にエサを食う状況へ近付けて更に数を伸ばしていきます。


ボトムチニングとなれば、今シーズン発売された「コーヴァイチュー」のフリーリグ!ただし、流れが流れだけに、シンカーは10~14gを使います。
しっかりとボトムを感知しつつ、コースをしっかりと決めてトレースするなら14gを。逆に流れを利用してボトムドリフトをさせるには10gといった使い分けです。巻きの釣りか?流す釣りか?パターンを探します。
一通りチヌペンで高活性の魚を抜いているので、丁寧に、でも見切られない様に探っていきます。


とりあえずはタダ巻きで直線的な探りを14gで行います。アップからアップクロス、クロスと立ち位置より潮上を探っていきます。
しっかりとボトムを感じながら、ストレートに探りますが、食わせの間をしっかりと作る事も心掛けます。ハンドル数回転おきにポーズ。この流れの中での動きの変化が、確実な食わせの間になりました。
ポーズを入れた次の瞬間に「ガガガッ!」。リトリーブ中にもアタリはあるのですが、「グッ・・・・」と食い込みが浅くフッキングが難しい状況ですが、ポーズを入れる事でより激しいアタリを引き出す事が出来ました。
これで連続してチヌをキャッチ!ただし、果敢にチェイスをしてくれる少し小振りのチヌがメインとなりました。

そこでサイズを狙って、シンカーを軽くしてダウンクロスでのボトムドリフトへと切り替えます。ダウンクロスにキャストし、一旦ボトムをとったら流れに乗せつつドリフト。この時、ボトムを感知しつつ流してあげるのがコツです。
流れに同調しつつ比較的スローに誘えるので、活性の低い状況でも口を使わせる事が可能です。そして、流しきる前に「グッッッ!!」と押さえ込む様なアタリ。ボトムドリフトでは、チヌが動かずにルアーを食う事が多々あり、独特のバイトが出ます。
これを逃さずフッキング!ボトムドリフトに変えるとサイズアップ。ナチュラルに流す事で、流下してくるエサに見えるのか口を使うチヌが増えます。

結局、同じポイントでチニングのスタイルを変えて攻めていく事で、短時間で30枚越え。十分に満足の結果になりました。

夏だからとトップに拘るのもいいですが、釣果を伸ばす為には、フィールドの環境に合わせつつ、ルアーローテーション、メソッドローテーションが大きなカギを握っています。チヌペンからコーヴァイチューへのローテーションは、水面への興味が薄れてきたらすぐに替える事で、余計なプレッシャーを軽減すると共に、ボトムへの目線変更で活性を再び高める役割もしてくれます。
まだまだチニングシーズンは続きます。暑さ対策と共に、チニングスタイルの変更準備も行って、シーズン後半戦を楽しんで下さい。

RodベイライナーAKBM BL-C812ML
LureチヌペンFWチヌペンTラバコーヴァイチュー
Hookコーヴァイフックなど