各地から大雪のニュースが聞かれるようになり、いよいよ寒さも本格化してきた。
初冬まではディープフラットのエッジ周辺をうろついているフィーディング状態のバスがいる。比較的釣りやすい魚という事もあって特に朝マヅメではメインに狙う事が多い。そして小規模なオダは魚が足を止めやすく、これもまた初冬の釣りでは確率を上げていくのに欠かせない要素だ。
但しこれらはあくまで初冬までのパターンであって厳寒期になってくるとほぼ通用しなくなる。バスはより深いレンジに移動し、大規模な倒木や立ち木帯の中に潜むようになる。それをダイレクトに直撃し、しつこいくらいに誘って喰わせるというのが厳寒期における自分の釣り方の主軸となっている。
1月12日
この日は曇天予報が出ており、かなり気温が低くなるとの予報が出ていた。さらに当日は予報が悪い方向に外れ、午前中は雨が本降りだった。修行要素が満載の中での釣りとなった。水温は7度台。天候の割に気温はさほど寒いと感じなかった(自分が感じなかっただけという気もする)。
まだ初冬パターンが残っている可能性も踏まえ、念の為にとディープフラットやオダもチェックしたがノーバイト。魚探の映像からもディープフラットからは生命感が消えており、厳寒期の釣りで間違いないだろうと考えた。
水深6~7mに沈んでいる巨大な倒木。ここでは過去に何度もバスをキャッチしているが、釣れる時には複数のバイトが得られる事が多く、魚のストック量自体が多いと考えている。
この日も早々にイモ30改のショートダウンショットで35cmクラスをキャッチ出来た。ノーフィッシュのプレッシャーと背中合わせになりがちな厳寒期の釣りにおいて早々にバスを手にできたというのは気持ち的にかなりラクになれる。
呆気なく1尾目を手にしてしまうと迷いも生じる。思ったよりもイージーなのではないか?まだ厳寒期の釣りに完全シフトするのには早いのではないか?という疑問だ。そこで再度ディープフラットや小規模オダも数箇所狙ってみたが結果はノーバイトだった。これで完全に厳寒期の釣り方に振り切る決心がついた。
朝の1尾目をヒントに水深6~7mに沈んでいる倒木や立ち木帯を周っていく。どう見ても良さそうなのに過去に全く釣れたことがない場所もある。その一方で何故か魚のストックが多いスポットもある。倒木の中に入り込んでいる魚までは魚探でも見付けられない。実際に釣ってみて実績を重ねることでしかスポットのポテンシャルを見出すことは出来ない。
しかし現実は厳しくバイトは遠かった。昼過ぎ、朝にバスをキャッチした倒木を再チェック。すると今度は37cmをキャッチすることが出来た。その後は終了時刻の16時ギリギリまで粘るも、以降のバイトを得ることは出来なかった。
一箇所のスポットから絞り出した2バイト2フィッシュ。ただこの日、明らかに自分が狙っている倒木を同じように執拗に狙っている人も複数いた。もはや湖岸から離れたディープのピンスポットでさえも自分だけで専有することが難しい時代になった。タイミング次第では先に魚を抜かれていた可能性もある。今回はたまたまタイミングに恵まれたのかもしれない。
2月10日
釣り業界で働く人間にとって1~2月はフィッシングショーの時期となるため多忙な時期となる。おのずと釣行回数も減ってしまうがこればかりは致し方ない。戸面原ダムへの釣行もだいぶ間が空いてしまった。
そしてこの日は日本列島各地で大雪をもたらした今季最強寒波とやらが抜けたタイミングでの釣行となった。雪こそ降らなかったものの関東にも厳しい寒さをもたらした状況下での釣行、俄然やる気が出たのは言うまでもない。厳寒期の修行釣りは悪条件下で結果を出してこそ意義があると考えているためだ。
当日朝、現地の気温は-3度。桟橋やボートは霜で真っ白になっていた。これだけ冷え込んでいるのに湖面からは湯気が上がっていない。水温も5度台にまで下がっていた。
まずは前回の釣行で結果を得ていた水深6~7mの倒木を狙う。この日も早々に魚を手にしておきたかったが反応を得られず。あいにく留守だったのか、タフコンディション過ぎて口を使わないのか。
自分自身は寒さに強いので平気なのだが、この日の朝はガイドリングやラインローラーに付着する水滴がすぐに凍り付いてしまうのには閉口した。ラインがPEということもありスムーズにフォールさせることが出来ない。朝の9時頃まではもどかしさを感じながらの釣りが続いた。
この日は平日であるため湖面もかなり空いていた。普段はヘラ釣りの人が並んでいて入れない場所も空いていた。何故この場所はヘラ釣りの人に人気があるのだろうと疑問に思っていたため魚探でチェックしてみることにした。地形的にも条件の良い場所に位置していることに加え、底一面に小さな沈木が溜まっていることがわかった。なるほどと思いつつ、ダウンショットを沈めてみると微かに抑え込むようなバイト。30cmクラスを手にした。
その後はひたすらディープの倒木や立ち木群を周っていく。なかなかバイトが出ず、もっと深いのか?逆に浅いのか?という迷いも生まれ、6~8mのみならず10mにまで手を出したが結果には繋がらなかった。
午後、晴天という事もあり暖かさを感じるほどになった。水温も7度台にまで上昇。
水深6~10mにまで広がる規模の大きな立ち木帯。水中の枝にラインを掛けた状態で1点シェイクしていると微かなバイトが出た。喰わせの時間を置かずアワセを入れて一気に立ち木の中から引き出したのは38cm。
その魚をリリース直後、同じ立ち木で再びバイト。今度は少し巻かれ気味になってしまったが何とか30cmクラスを追加することが出来た。
いずれもバイトの出た水深は7mほど。それより深い水深にまで立ち木が沈んでいるのだがそちらではノーバイトだった。
結果は3バイト3フィッシュ。バイト数は少ないものの何とかノーミスで魚を手に出来ていることが結果に繋がっている。最強寒波直後の悪コンディションを打破できたことにも満足できる結果となった。
この時期、ノーフィッシュで釣行を終えるアングラーも少なくないと思うが、よくよく話をしてみると「一度だけ怪しい感触はあったのですが」というケースも耳にする。折角バイトまでは持ち込んでいるのに実に勿体ないことだと思う。単純にルアーのサイズを下げればいいというものではないが、ショートバイトを仕方のないものと諦めるのではなく、フッキングにまで繋げるにはどうしたら良いかを考えて実践し、それを結果に繋げることが出来るようになれば0は1になり、さらには2にも3にも増やしていける。
シビアな時期だからこそタックルセッティングや釣り方を見直すことでてきめんに結果は変わる。厳寒期の釣りを克服することで得られるものは大きい。
Rod | ツアラーV-SPEC TVS-63L |
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Reel | REVO MGXシータ 2500SH |
Line | PE0.6号+フロロリーダー4lb. |
Lure | イモグラブ30改(ダウンショット)インチフックラージ、TGフリードロップショットスリム3.5g |