4/2 霞ヶ浦水系某川釣行

池島 竜一

SMITH STAFF

居住地域にまん延防止重点処置が発令されていたために越県移動を伴う釣行を自粛していた。厳寒期のリザーバー修行を楽しみにしていたのだがこればかりは致し方ない。
3月22日にようやくまん延防止重点措置が解除となったので釣行を再開することにした。


4月2日


今回はかつての自分のホームフィールドだった霞ヶ浦水系某川に釣行。岸釣りでは何度か足を運んでいたのだが、ボート釣りは10年以上振りとなる場所。
この川は東日本大震災の際にかなり大きな被害があり、土手や側道、橋などが見るも無残な姿になってしまった。その光景を見て気持ちが落ちてしまい、この川で釣りをする気が失せてしまっていた。 その後、復旧工事により危険箇所はほぼなくなったものの、大掛かりな土手の改修や護岸工事などによりその様相は大きく変化した。工事の影響のみならず土砂の堆積によって水深もかなり浅くなった場所が多い。


かつて自分が通っていた頃は岸沿いの矢板周りをライトリグで、ところどころにあるミズヒマワリのベジテーションマットをテナガホッグのテキサスリグで攻める手法が抜群に効いた。 果たして現在でもその手法は通用するのか?という点をまずは確認したいと思った。


朝イチ、まずは当時の一番実績だった矢板エリアに向かう。早速スパイニークローラーのワッキーリグを落としていくが、フォール時のBMSの色変化から見ても相当に浅くなったことが伺えた。 ボートを寄せてみると場所によっては底が見える程度の水深しかなく、いくら何でも浅過ぎる。ハイシーズンであればともかく、水温11~12度という状況下では厳しいだろう。


続いて、過去にもう1つの主軸であったテナガホッグのベジテーションマット撃ちを試す。撃ち始めてほどなく明確なバイトがあった。 フッキングを決めるとマットの中で暴れている魚が想像以上に大きく驚いた。この川のマット撃ちで大型のヒット経験はほとんどなかったからだ。手にした魚はプリスポーンの49cm。

特に大型を狙ってマット撃ちをしていたわけではないのでサイズ的にはたまたまのラッキーフィッシュだが、ベジテーションマット撃ちが今でも通用することを証明する1尾であって欲しいと願った。


しかしその後、マット撃ちを続行するもバイトはない。やはりそう甘くはなかった。


水の色を見てもまだ透明度が若干感じられ、冬を引きずっている気がしないでもない。水深の浅い岸際よりは少し水深のある場所を攻めたいところだが、この川には明確なハードボトムやオダといった狙いどころがほとんどなく平坦な泥や砂地の場所ばかりなので打つ手がない。 過去の実績に基づいて選んだ緩やかなブレイク状の場所をサスペンドログやXCS1で攻めてもみたがヒットは得られなかった。


しかし、航行中の魚探映像でとあるものを発見した。何の変哲もないコンクリート護岸の沖(といっても岸から5m程度離れた場所)に、一列にフィルターユニットが並んで沈んでいるではないか。しかも、そんな場所が何箇所もあるということに気が付いた。

霞ヶ浦水系や利根川など、震災後の復旧でフィルターユニットを投入された場所というのは多い。けれどもそのほとんどは岸沿いに入れられている。中には岸沿いだけでなく少し沖にまで入れられた場所もあるが、いずれにせよ岸沿いに入っているのが通例。 それに対してこの川では岸には何もないのに沖にだけ投じられていた。よって、パッと見だけではその存在はわからない。魚探がなければ簡単には見付けられないだろう。その多くは水深1.2~2mほどの位置に沈んでいた。もちろん、過去に私が通っていた頃には存在しなかったものだ。


直感的に閃くものがあり、スパイニークローラーのワッキーリグで隠れフィルターユニットの上をスイミングさせるとひったくるように喰ってきた。たまたまの単発ヒットなのか、それともある程度の魚をストックしているのか、じっくりと釣り込んでみる必要性を感じた。

途中、ベジテーションマットがあればテナガホッグで攻めてみる。結果は2バイト1フィッシュ。バイトが極めて単発で能率の悪い釣りだと思ったがおそらくは季節的な要因によるものだろう。この時期に3バイトを得られたというのは可能性としては「有り」と判断できる。 今後は水温の上昇と共にこの釣りも主軸の1つになっていくものと思われる。

再度、沈みフィルターユニットの攻略に戻る。この日は東風が強めに吹き抜けておりライトリグの操作もままならない状況ではあったのだが、フィルターユニットはシンカー類のあるリグではことごとくスタックしてしまう。 ノーシンカーで攻めるのが最善なのではあるが使えそうなものが手持ちにない。そこでスパイニークローラーの中央部に1/32ozのネイルシンカーを刺し込んだワッキーリグで代用することにする。 頭部から沈下するワッキーリグではフィルターユニットの網の中に入り込んでしまうが、ゆっくりと水平フォールする5インチのストレートワームであれば上手く網の上に乗ってくれるためにスタックは軽減できる。


この読みが当たり4バイト2フィッシュを絞り出すことが出来た。やはりこの場所に複数の魚がストックされていたようだ。
岸沿いの矢板撃ちは朝夕のマヅメ時にバイトが集中するのだが、この沈みフィルターユニット周りなら日中でもバイトが得られるだろう。これは久し振りにお宝を見付けてしまったかも!と気持ちが高揚してしまった。

久々に訪れたかつてのホームリバーだったが、新しい発見もあり非常に楽しかった。加えて、近年バスの個体数が激減した霞ヶ浦水系でこれだけの魚の反応が得られたことが何よりも嬉しかった。

RodツアラーV-SPEC TVC-68M
ReelREVO LTX-L
LineFCスナイパーBMS 12lb.
Lureテナガホッグ(テキサスリグ)
TGバレットシンカー3/16oz、ストレートフック#1
RodツアラーV-SPEC TVS-63L
ReelPREMIER706
LineFCスナイパーBMS 5lb.
Lureスパイニークローラー(ワッキーリグ)
タングステンネイルシンカー1/32~1/16oz、ガード付マスバリ#3