1/2 戸面原ダム釣行

池島 竜一

SMITH STAFF

新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。


自分の大好きなウインターシーズンに突入した。しかしながら12月初旬に向かった戸面原ダムは数日前に降った豪雨により強烈な濁りが入ってしまっていた。案の定この日は貧果に終わる。

房総のダム湖は距離的には近くともそれぞれに特色がある。戸面原ダムは最も濁りやすく、しかもなかなか濁りが取れない。
一方、三島湖は大雨の後でもさほど濁りが入らないことが多い。しかしながら今冬の三島湖はダムサイトの補修工事のために8mも水位を落としており湖面が非常に狭くなっている。 秋には開発中のルアーのテストのために足を運んだが狭い湖面に多数のボートがひしめき合う状況になっており、少なくとも減水中のプライベート釣行はあまり気が進まないというのが正直なところだった。
このウインターシーズンのプランをあれこれ検討したが、ポイントを熟知しているという面もあり、濁りがある程度収まるのを待って戸面原ダムに行くのが最善と判断。結果的に年末年始を跨いでしまい、2022年の初釣りとなった。


1月2日


験担ぎというわけではないのだが、自分は三賀日中にその年の初バスを釣るようにしている。 ここ数年は戸面原ダムで初釣りをしているが、2020年は9尾、2021年は7尾のバスを手にしていた。 濁りさえなければ1月初旬であろうと大きくハズしてしまうことはまず無い。むしろ良く釣れる。


そして1月2日。朝の気温は-3度と冷たい空気が心地良い。桟橋とボートは真っ白に凍っていた。 但し水温は7度台だったので冷え切っているという感じはしない。本当に冷え切っている日だと湖面のシャロー側が凍っていたりする。この日はまだそうではなかった。
肝心の濁りに関しては、やはりまだかなり白濁している印象。ただ「何とかなる」レベルにまでは収まってきているようにも思えた。

近場の5mラインにあるオダから探っていく。冬場には最も高い実績があるオダだがバイトがない。まだ濁りが強くて駄目なのかと一抹の不安がよぎる。


続いて50mほど離れた別のオダに入る。条件的には水深4m台のフラットに位置しているもの。2gシンカーのダウンショットでオダへの触感を確認しながらスローに探っていくと微かなバイト。 軽くテンションを掛けると生命感は感じるがその場から動こうとしない居喰いバイト。喰いが浅い時のバイトの出方ゆえ、少し喰わせの間をおいてアワセを入れる。まずは35cmほどのバスを手にした。ひとまず今年の初バスは手にできた。

まだ居ると踏んで30分少々を掛けてこのオダを攻め2尾のバスを追加した。いずれも超が付くほどのショートバイトで、喰いが浅い事、しかし釣り方は合っていることを確信できた。

この日も戸面原ダムは満水状態をキープしていた。この水位で水深5mのオダが有効という事であれば、ということで西側のワンドに大きく移動。このワンド内は多くの沈木や枝などが沖合まで点在をしている場所。 水位が低いと水深が足りずに魚が出ていってしまうが、満水であれば冬季にも多くのバスをストックしている。


読みが当たり、40分弱で4尾のバスを追加できた。まだ9:30前だが計7尾とここまで悪くないペースで展開出来ている。

これならば二桁釣るのは楽勝、と自分の悪い癖が出た。 朝のうちは曇天だったが陽が射してくると同時にバイトが途絶えたのだ。 同じエリア内を叩き過ぎたせいかと思ったのだが、エリアを変えてもワームを換えても、フォーミュラを塗布して丹念に探ってもバイトが出ない。 期待が大きかった中島ワンド内のオダでもバイトが出せなかった時点でゲームの流れが一転したことを理解した。
その後、3時間もの間ノーバイトが続く。打破する策が見当たらない。やれることはただ1つ、可能性があるピンスポットに自信のあるリグをひたすら撃ち込んでいくこと。冬の釣りは迷ったら負け。


何とか二桁釣果に乗せたいところだが、残り3尾が果てしなく遠い。この気持ち、何だか毎年の初釣りで味わっているような・・・。


メインレイクにある、とある湖岸の崩落跡。急深な地形が続く中で部分的に傾斜が緩くなっており、多数の木々が沈んでいる。経験上さほど魚のストック量は多くないが、ここで辛うじて1尾を手にした。
この時点で12:40。16時までには桟橋に戻らなくてはならないので何とか残り3時間で釣果を伸ばしたいところ。

ただ、この期に及んでもなお「あと2尾くらいなら」と心のどこかで楽観視していたのも事実。 メインレイクの馬の背(と呼ばれる水中の台地)を半周してじっくりと攻めたにもかかわらずノーバイトだったことでようやく焦りを感じ始める。
午後に入ると風まで吹き出し、ボートをステイさせたまま1.5g~2gシンカーのダウンショットをディープのピンスポットに高い精度で撃ち込むという、その釣り方自体の難易度も一気に上がってしまった。 シンカーウェイトを3g以上に上げれば出来なくもないが、シンカーを重くするとオダへの当たりが強くなり、魚が口を使わなくなる(と自分は感じている)というジレンマを負う。


有望スポットを効率よく周ることで少ないチャンスを逃さなければ望みはある。しかし悪いままの流れが続いているようで自分の入りたいスポットに先行者が浮いており断念せざるを得ないという事が2度続いた。
最後の一手に悩んだ挙句、午前中に最も魚を手にしたワンドに残りの1時間を賭けることにした。午前中に自分自身でとことん叩いてしまったのは間違いないが、時間を置いたことで状況が回復している事に期待をし、一抹の望みを託す。


ワンド内ということで風も遮られ、2gシンカーで5mボトムを丹念に探れたことも功を奏した。辛うじて2尾のバスを追加し、トータルを10尾まで上げることが出来た。 勿論、ただ数を釣ればいいというものではないことは承知しているが、初釣りで二桁のバスを手にできたというのは素直に嬉しい。

自分が伝えたいのは、しっかり狙えば冬でもバスは釣れるということ。そのためには、マグレでは出せない釣果を出し示すことしかないと思っている。

RodツアラーV-SPEC TVS-60XUL/FS
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LineFCスナイパー3lb.
Lureレッグワーム2.5インチ、AR-Wカーリー改(ダウンショットリグ)
タングステンシンカー1.5~2g、スーペリオLOフック#6