『6/27 水郷各所釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



6月27日 水郷各所

正直に言うと、現在の霞ヶ浦水系・北浦水系というのはバスがあまり釣れない。 流入河川においても昨年秋の台風後に魚が大量死してしまってからは芳しくないという話を聞く。
バスボートは維持費や燃料代などもかなり掛かる。それでいてバスが満足には釣れない事が多いのだから、傍から見るとかなり酔狂な遊びなのに違いない。 バス1尾あたりに費やす投資額が数万円を超えている人も珍しくないだろう。

それでもバスボートならではの楽しさというのはある。 好きなだけタックルを積み込めるし、広大な水域を駆け巡るのも楽しい。 自分の場合は「空いている場所で釣りができる」という点が最も大きい。 複数の先行者が見えたら別の場所を目指せば良い。広い水域を自在に移動できるバスボートであればそれが出来る。
あとは釣果に恵まれれば言うことなしだが、それが一番難しかったりする。尾数だけでいえば岸釣りの方が釣れる。


常陸利根川下流にある潮止水門の開閉予定時間については事前にネットで調べることが出来る。 この日は10:30〜17:30と記載されていた。
水門が開いてしまうと常陸利根川内は流れが発生してバイトが遠のく。そこで朝のうちに常陸利根川での有望エリアを周り、流れが出てから北浦へ移動するプランを立てた。


朝のうちはローライトだったということもありクランキングからスタート。 ほどなくヒットしたのは40cmほど。 片目が白濁していたので視力のない魚だったかもしれない。

テールフック1本のみが掛かっており、跳ねさせぬよう慎重にネットインまで持ち込んだ。 グラスコンポジットロッドの追従性にも助けられたのかもしれない。

ヒットルアーはボーマーのディープフラットA。 今回はノーマルのままで使用したが、化研トレブルフック#6に交換して使うのが私の好みだ。フックのサイズを落とすことで若干だがスナッグレス性が上がり、ローリングが出るようになる。
向かい風には弱いルアーだがリールの進化によりあまり気にならなくなった。何よりアクションレスポンスが秀逸。 引き心地はこのサイズの割にしっかりと感じられる。ルアーの位置が把握しやすいのでリトリーブ中のコントロールが効かせやすい。 昔から存在するルアーではあるが、シャローランナーのフラットAも併せて今でも変わらず良く釣れるルアーだと思う。


この日はフィルターユニット周りでのライトリグにシンクスパイダーのノーシンカーリグを持ち込んでみた。その理由はエビらしさを演出できるのではないかとの目論見によるもの。 すぐに1バイトあったがスッポ抜けてしまう。続くバイトはキャットフィッシュにブルーギルと外道が続いた。



フィルターユニットを数ヶ所攻めたのち、常陸利根川内のアシや水門等をあちこち周る。 ポッパー、フロッグ、ファットイカ、シャロークランク、チャターベイトとあれこれ試すがいずれも結果が伴わない。 それどころか9:00を過ぎると予定よりも早く流れが出始めた。

すぐに常陸利根川を後にし鰐川へ移動する。鰐川にもフィルターユニットが入っている区間があり本命場所の1つだったのだが、ここも既に流れが発生してしまっておりタイミングとしては終わっていた。 止む無くそのまま北浦まで走る事となった。


この日も粗朶消波工を延々とスパイニークローラーで探っていく釣りにシフト。 水の色はだいぶ緑色でアオコが出る寸前といった印象だ。但しハク(ボラの幼魚)らしきベイトフィッシュが大量に居着いており、魚っ気はあると感じられた。

この時点では晴れ間も出ており気温も一気に上昇。暑さで少し頭がボーッとしながらの釣りだったが、ふとラインが手前に走ってきていた。 慌ててアワセを入れるが無事にフッキング成功。45cmをキャッチし一息ついたのだが、時計を見てビックリ。11:51。先週も粗朶消波工でバスを釣ったが全く同じ時間だった。



粗朶消波工ではライトリグのみならずスピナーベイトやクランクベイトも際を平行トレースするように引いている。

但し、粗朶消波工からは大きな鉄製のボルトが無数に出ており、ボートを不用意に近付け過ぎると船体を傷付けてしまう。 風向きを考慮しながらの慎重な操船が求められる。

そしてスピナーベイトに激しくヒットしてきたのはキャットフィッシュだった。 キャットフィッシュはスピナーベイトにも良くヒットしてくるのだが、強くくねるようなファイトをするためスピナーベイトのワイヤーを捻じ曲げられてしまうことも少なくない。 私自身、本当はファインワイヤーのスピナーベイトが好みなのだがキャットフィッシュに破壊されてしまうため最近はあまり使わなくなった。

この日に使用していたのは往年のスミスのスピナーベイト「ハートブレイカー」の3/8ozダブルウィロー。元々の完成度が高い製品ゆえ今の時代でも全く遜色なく使用が出来る。 スカートに関してはシリコンラバーからフラットラバーに変更をしている。シリコンラバーでは出せない波打つような動きが出るので愛用している。



その後は北浦本湖の3〜5mラインでフットボールジグを引くもノーヒット。 25年以上前、自分は北浦で沖目のブレイクでの釣りばかりしていたのでその当時の釣りを今でもたまに試してはいるのだが・・・。

北利根川に移動しテナガホッグのヘビーダウンショットを用いるとヒットしてきたのはまたもやキャットフィッシュ。クランキングも試すがノーヒット。 ラストは常陸利根川に戻り数ヶ所のフィルターユニットを丁寧に探るがノーバイトで終わった。

この日は2尾で終了。貧果だと思うが、現在の霞ヶ浦・北浦水系ではこれでもあながち貧果とも言い切れないのが現実である。


7月の水郷エリアはこれまで順延を余儀なくされていた各団体のトーナメントがタイトなスケジュールで詰め込まれているようでプレッシャーも一段と高くなりそうだ。 バッティングを避けたエリアセレクトで楽しめればと思っている。


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラーV-SPEC
TVC-65M/HG
ABU
REVO4 SX
マシンガンキャスト12lb. ディープフラットA
ツアラーV-SPEC
TVS-63L
ABU
PRIMIER706
FCスナイパー
BMS5lb.
スパイニークローラー5インチ(ワッキーリグ)
(タングステンネイルシンカー1/64oz、ガード付マスバリ#3)



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