『11月 利根川釣行』


  池島 竜一(SMITH STAFF)



 11月に入るとトーナメントシーズンもほぼ終了し、霞ヶ浦水系や利根川に繰り出すボートの数もグッと減る。中にはもうシーズンオフという人もいることだろう。水温の低下に伴い、釣り方や場所が限られてくるのも事実だ。

 その反面、ハイシーズン中には他のアングラーとのバッティングが激しいようなA級場所を思う存分に周る事が出来たりするのもこの時期ならでは。そうした点も加味した上でプラスマイナスを考えると、必ずしもマイナスになるとは限らないというのが自分の考え。何より人の少ないフィールドで思う存分自分の釣りが楽しめるというのは最高に気分がいい。


11月5日 利根川

 晴天で風も弱いという予報が出ており、快適に過ごせそうな1日を期待して現地に向かうが天候は曇天で薄暗い。ボートで利根川に繰り出すと予想だにしていなかった雨にまで降られる始末。

 ローライトコンディションということもあって朝のうちだけスピナーベイトを引いてみたがシャローに魚の気配は感じられず早々に消波ブロック撃ちにシフト。

 当日の水温は15度台。時期的に見ても水温的に見ても消波ブロックを攻めるのが間違いのないところ。自分は利根川ではもう20年近くバス釣りをしているのでその経験論による。

 消波ブロックの密度の薄い場所ではレティクルシャッド、密度の濃い場所ではテナガホッグのダウンショットという二刀流で攻めていく。イメージ的には、消波ブロックの濃い場所はその隙間に魚が入り込んでおり、点々と消波ブロックが点在するような場所では動き回っている魚が主体になると考えている。そして隙間に入り込んでいる魚に関してはルアーを追って外に出てくるというイメージは持っていないのでダウンショットでの直撃一択と考えている。ダウンショットは取り回しを考慮しリーダー長を10cm程度と短くしている。好みによってリーダーレスダウンショットでも良いと思う。


 自信のある消波ブロック帯を数箇所周ってみたもののバイトはなく、とうとう昼を過ぎてしまった。下手をすると貧果に終わりかねない展開である。支流に入って手堅くまとめるというのも1つの策であるのには違いないのだが、この日は本流での消波ブロック撃ちを続行。

 どうして釣り方を変えないのか?とも思えるが、利根川の場合は少しエリアを変えただけで結果がガラリと変わるケースが多々ある。釣り方を変えるべきというのも真っ当な判断なのだが、利根川の場合はエリアによる違いが大きいという点も頭に入れておく必要がある。

 案の定、昼過ぎに入った消波ブロック帯でいきなりバイトが連発。他魚も混ざったが、本命のバスを4本キャッチ出来た。ヒットルアーは全てテナガホッグのダウンショットリグ。



 この消波ブロック帯に入っている消波ブロックの種類は防災工業製のアクモン。魚が比較的多く着く消波ブロックだが、目に見える浅い消波ブロックではなく偏光グラス越しにうっすらと見える沖目のブロックに狙いを絞って釣った。

 この消波ブロック帯は水の透明度が高く、浅場の消波ブロックは底まで丸見え。しかしそのアウトサイド側を境に沖側はうっすらと濁りが入っていた。透明度の高い水を嫌ったバスが一段深い消波ブロックに移動していたようにも感じられた。


11月12日 利根川

 前週の結果からまだまだいけると判断して釣行予定を組んだのだが、前日にはまとまった雨が降った。結果、水位の上昇、水温の低下、流れ、濁りという状況変化に見舞われる釣行となった。悪条件であるには違いないが、それらもまた川の釣りならではとも言える。

 水温は11〜13度台とやはり前週よりも落ちている。多少シャッドプラグも投げたが、この日もテナガホッグのダウンショットリグを主力とした。経験上、寒い時期の利根川ではこれが一番釣れる気がするからだ。

 この日も数箇所の消波ブロックを攻めてみたが他魚しか釣れない。早々に、前回良かった本命場所に行くが流れがモロに当たっており、濁りも入ってしまっていた。辛うじて1尾キャッチするのがやっとだった。

 その後も数箇所の消波ブロック帯を周ってみる。場所によって強い濁りが入っている場所と、この時期特有の透明度の高い水の場所とがあったのだが、濁りの入り方に法則性が見出せないために場所ごとの濁り具合を予想できず、実際にその場所まで行ってみるしかなく能率が良いとは言い難かった。

 自分があまり得意でない水郷大橋上流の中空三角ブロック帯で1本キャッチ出来たが、この場所ではブレイクを境とした岸側の浅いエリアの水は透明度が高く、ブレイクよりも沖側は白っぽい濁りが入っていた。自分が狙ったのは濁りの中、水深2m程度の沈みブロック。

 その後は水の良さそうな消波ブロック帯も周ってみるが、他魚ばかりが釣れてしまい本命のバイトが遠かった。


 これからさらに水温が低下すると利根川本流での釣りは厳しさを増す。手堅い釣果を求めるのならば支流域、さらには閉鎖水域に目を向けるのが望ましい。
 それでも利根川のバスが気になるのには理由があって、利根川のバスはルアーへの反応が比較的素直なのだ。小さすぎるルアーよりはある程度のサイズのルアーの方に反応がいいし、細かく誘って喰わせるというより、いいスポットに撃てば普通に喰う。そんなところがたまらない。

 次の休みも利根川で勝負するか、或いは手堅く支流に入るか?これからの季節は岸釣りも面白いのでなおさら悩むところだ。


 なお、11/15〜2/15までは千葉県と茨城県の狩猟が解禁となり、特に解禁直後の利根川は鴨撃ちが盛んになります。鴨撃ち小屋やデコイの近くには近付かないよう気を付けて下さい。


【使用タックル】

 ROD  REEL  LINE  LURE
ツアラーV-SPEC
TVC-68M
REVO
MGX-SHS-L
FCスナイパーBMS 12lb. テナガホッグ(ダウンショットリグ)
(ナスオモリ1.5号、GYオフセットフック#1)



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