村中 義明
(W.B.S.プロメンバー スミスサポートプロ)



『荒川初チャレンジ!』


 来春発売予定のSTRATEGY TOURLER V-Spec TVS-67MLのテストを兼ねて荒川に浮いてきました。

 本題に入る前にこのロッドの宣伝を少々させて下さい!

 このロッドは“Rocket Taper Transfer”のサイドネームを持つスピニングモデルで、軽〜中量級ルアーを目的のスポットに送り込み、繊細に扱える事を目指したEx.ファーストテーパー/ハードバットのロングスピンです。パワー表記はMLですが、ティップ部は限りなくライトアクションに近い仕様で、ティップに軽く負荷を掛けた際の初期ベンドは3:7の比率で一時的にカチっと止まります。ですが、更に負荷を掛けるとミドルセクションが二次的にジワっと曲がってバラシやラインブレイクを防いでくれる。そんなEx.ファーストテーパーからの2段アクションを持つロッドです。

 ミドルセクションの微妙な曲がりはティップセクションの数十センチの曲がりに匹敵します。近年の高性能ドラグをもつスピニングリールを駆使すれば3lbクラスのフロロラインでも十分にやりとり可能なテーパーとパワーに調整しています。

 具体的な用途としては、1/8〜3/8ozのライトキャロライナリグにベストマッチ。(ワームのみならずミノーキャロにも。)ソフトティップはボトムの感触やバイトを明確に伝え、ハードバットはロングキャスト時やディープウォーターであってもラインの伸びを感じさせないしっかりとしたフックセットやウィード抜きが可能です。
 繊細なティップとハードバットの組み合わせは6〜13cmクラスのジャークベイトにも最適で、ソフトティップがジャークベイトの初動アクションをフォローしつつ、ジャーク中の不意なバイトにも追従してくれます。張りの強いミドル〜バットセクションはメリハリの利いたトゥイッチやジャークを可能とし、キャスティングスタイルのみならず山上湖で定番のドラッギングジャークまでも完璧にこなします。

 また、このロッドの応用範囲は広く、スモラバやノーシンカー、ネイルワッキーでカバーを撃つパワーフィネススタイルでも抜群の操作性です。非常に軽量に仕上がっているのでカバー周りでの取り回しもしやすく、繊細なティップを使って小技を効かせた操作も自在です。フックアップから魚をカバーから引き剥がす能力もハードバットのパワーが効いて余裕のやり取りです。ベイトではちょっと扱い難いが柔いスピニングでは物足りない...そんなシチュエーションにもバッチリ対応します。6feet7inchレングスのストロークを活かしたルアー操作とロングキャスト性能で、ラインナップに1本加えると釣りの幅にグッと厚みが出ること間違い無しです!


 さて本題の荒川釣行ですが、実は私は地元でありながら今回が初めてのフィールドでした。未知の釣り場はイイです!ワクワクドキドキMAXです!

 ボートを降ろした場所は前日まで降っていた雨のせいか、かなり濁りが厳かったので一先ずは上流を目指しました。ですが、上流は濁りはそれほどではないものの流れが思ったより強くエレキを全開にしてもボートが流されてしまうほどでした...そこで上流部は諦め、遡る過程で発見した中流域の消波ブロック帯を攻める事にしました。

 スクエアビルのシャロークランクをブロックに絡めながら引くとすぐにバスの反応がありましたが、不意をつかれたバイトで上手くフックアップさせる事が出来ませんでした。しかし、バスからの反応があると俄然やる気と集中力が増します。


 しばらく流すと消波ブロックとブッシュが絡んだカバーを発見!通常であればテキサスリグやカバージグを投入したいところですが、今回はプロトスピニングのテストがしたくてあえてパワーフィネススタイルで撃ってみました!使ったリグは1/32ozネイルシンカーを入れたスパイニークロウラーのワッキーリグです。

 ブッシュの枝にラインを掛けてシェイクするとラインに生命感が走りました!フックアップするとズシッと重く直ぐにデカイと分かりました。ですが慌てること無くロッドのバットパワーに任せて耐えているとこちらに顔を向けてくれてカバー際から引き出す事ができました。無事にランディングに成功すると、50cm近いBigフィッシュでプロトロッドテストにはこの上ない魚体でした!


スパイニークロウラーのワッキーリグ。カバー撃ち
では細身のワームをカットしてガードにしたオフ
セットフックを使っています。これイイですよ!

 その後は消波ブロックやブッシュをクランクとネイルワッキーのローテションで撃って行き、小さいながらアクティブなバスを数本キャッチする事が出来ました。


 日が傾き始めて、そろそろ上ろうかと思った頃あいで、偏光レンズ越しにブッシュの手前に薄っすらと岩が沈んでいるのを発見しました。クランクで釣っている最中に水面ギリギリでバイトしてくる個体も多かった事から、ここは一発勝負に出よう!ということで久々にBudに結び替えてみました。

 ブッシュ際にやや距離を取ったピッチングでBudを送り込み、岩の上を通すと思い描いた様にゴボッとBudが吸い込まれました!掛けてすぐ1発水面を割った時は1本針しか掛かっていなかったので肝を冷やしましたが、ファイト中に2フックになり無事にランディングする事が出来ました!サイズは43cmでしたが、上がり際のドラマ魚にふさわしい体型のバスで大満足でした!


1本掛かりしたフックを後日確認すると
見事に伸ばされていました。


 荒川!実に素晴らしいフィールドです。他にもボートを出しているアングラーがたくさんいましたが、岸釣り、ボートアングラーに関わらず、釣りをしている方の横を通り過ぎるボートは皆さん必ずプレーニングを解いてアイドリングで通過していました。こうしたローカルルール的なマナーはとても気持ち良く感じましたし、今後も継続されて欲しいと切に願います。


● メインタックル

ロッド STRATEGY TOURLER V-Spec TVS-67ML Proto “Rocket Taper Transfer”
ライン FCスナイパー5lb
ルアー スパイニークロウラー 1/32ozネイルワッキーリグ

ロッド STRATEGY TOURLER STC-65FM/HYBG
ライン マシンガンキャスト14lb
ルアー Bud、スクエアビルクランク、フラットサイドクランク

偏光グラス α-Sight シャンパンイエロー



[ 戻る ]