村中 義明
(W.B.S.プロメンバー スミスサポートプロ)



『2012 WBS第二戦 北浦』


 今シーズンの年間成績の行方を担う大事な2dayトーナメント。プリプラを数回こなした結果、釣れるエリアとそうでないエリアがはっきりしているものの、ポロポロと釣れる様になり、じっくりと時間を掛けて狙えば一日4キロ弱を見込める魚のポジションを把握する事が出来ました。

 この時点では北浦の状況はアフターとプリが混成する微妙な状況であり、試合2日目からの大潮に向けてウェイトが見込めるレイトスポーンのバスがどう動くか?アジャストする事がキーになると考えていました。

プラで釣れていたアフター


 前日のオフィシャルプラクティスではレイトスポーンバスを追いかけてスポーニングフラット上に乗った徘徊系バスの存在をチェックして行きましたが、大きな魚の動きは無く、むしろ減水の影響もあってシャロー側は魚が薄い印象でした。スポーンの魚は増減水などの環境変化に敏感で、ネストを守っているバスでさえ減水するとネストを放棄してしまう個体もいるほどなので、フラット上への新たなバスの供給は期待薄と考えました。

 そこで石積みなどの大規模ストラクチャーのアウトサイドや、ミドルレンジのオダやブレイクの釣りにシフトすると600〜800gのアフターの存在を確認する事が出来ました。



プラに付き合ってくれた田島君が釣ったプリのキロフィッシュ

プラでは絶好調でした

 今回のトーナメントも前回に引き続きボーター同士の抽選結果になり、パートナーは盛選手でした。通常パートナーが決まると同船してプラクティスを実施するプロセスを踏む様に心がけているのですが、今回は運悪く互いのスケジュールが合わず、同船プラクティスが出来ませんでした。

 また、お互いボーターエントリーしている事から、試合当日はどちらのボートを使うか選手間で決定しなければならないのですが、これが試合直近まで決まらず、最終的に初日は私のボート、二日目は盛さんのボートを使う事で合意となりました。この様なケースは初めての経験だったのですが、ゲームがブレないかとても心配でした。

 しかし、WBSはペアトーナメンントであり、互いが協力し合って魚を釣ってくるといった理念があります。ボーター同士の組み合わせは時として相乗効果を生み、爆発的なウェイトを叩き出すこともあります。何はともあれ、やって見なければ判らず、結果論でしか優劣が付けられません。一先ず、決めた事をしっかり貫き、試合に集中する事を念頭に試合当日を迎えました。



初日スタート
写真協力:W.B.S
 初日の朝一はオダに付くアフター狙いからスタートしました。前日にバイトだけ取って温存していたスポットだったのですが、1時間ほど使って丁寧に釣るもギルバイトしかなく、無風であった事から風が吹いたタイミングで入り直そうという事で、盛さんの北浦上流エリアに移動しました。

 今回私のエリアは北浦中流域がメインだった為、上流は軽くチェックしたのみだったのですが、数ヵ所回った後に辿り着いたエリアはドックのミオ筋に絡んだスポットで、ブレイクのショルダー上に杭が立ち並ぶ見るからに一級といった素晴らしいスポットでした。

 そこでは、流し始めるとすぐに私にバイトがあり約700gをライブウェルに収める事が出来ました。比較的大規模なカバーであったので、時間を掛けて何往復かしてジックリ釣り込みましたが、ショートバイトに苦しめられプレッシャーによりバイトが遠のいたところで私の中流域エリアへ移動。石積みのアウトサイドで私が700gくらいのサイズを1本追加して約1300gとしましたが、その後は非常に辛い展開でした。

 お互いの上流と中流のエリアを右往左往するもノーバイト…風が吹き始めたタイミングで朝一のオダに向うも先行者がいてアウト。

 数ヵ所のエリアを入り直して釣り込む過程で、上流のエリアで私が約900gを1本追加出来ましたが、結局初日は3本しかウェイインする事が出来ませんでした。


 初日の結果は2280g。周りの選手のウェイトを見ると予想外に釣れており、4キロオーバーのチーム続出でハイウェイト合戦の様相・・・完全に出遅れてしまいました。

 更に良くない事は重なるもので、絶対に犯してはならないミスが発覚…
 朝のミーティング後、盛さんと帰着時間カード見て読み合わせしていたのですが、何故かお互い15分帰着のところ20分帰着と勘違いしており、3分間帰着遅れのペナルティーとなってしまいました。1分につき500gマイナスなので、1500gマイナス…単日のウェイトを780gに落としてしまいました。

初日ウェイイン。この後ペナルティーが発覚
写真協力:W.B.S.

 いつもの自分であれば、帰着時間はマジックで手に記すのですが、今回はボーター同士の組み合わせという事もあり、お互い信用しきって、そういった配慮が欠如していました。しかし、これには相当参りました…



二日目も残念ながらリミットメイクならずでした
 初日の失敗をリカバリーすべく、外した状況の中でも1匹でも多くかき集めてウェイインしよう!と臨んだ二日目。私は初日のリリースフィッシュ狙いでマリーナ周辺の桟橋と大規模な石積みを時間を掛けて釣って心中する覚悟でしたが、お互いのプランが噛み合わず、二人で再考した結果、二日目は盛さんのボートである事と、前日に魚を確認していた北浦上流エリアを中心にプランを組むのも可能性としては悪くないと考え、最終的に盛さんのプランに合意しました。

 朝一に上流エリアで盛さんが1本釣った後はノーバイトの時間が続き、数ヵ所を短時間で見切りながら移動して釣る中で、盛さんの閃きで入ったワンド内の縦ストでお互い1本づつ追加出来ましたが、その後はバイトは無く無念のタイムアップ。盛さんと力を合わせて精一杯頑張りましたが、力およびませんでした。


 最終成績は2980gで26位と自分的には全く良い所無しで悔いの残る試合になってしまいました。WBSはウェイト制で年間を競うので、この二日間のウェイトは後のトレイルに大きな影響を及ぼします。上位陣とは大きく差が開いてしまいましたが、せめてクラシック権は死守すべく頑張って行きたいと思います。

 次戦は過去WBS Openで二勝している相性の良い桧原湖戦なので、しっかり練習をしてアジャストしたいと思います。


● メインタックル

ロッド STRATEGY TOURLER STC60TXL
ライン FCスナイパー10lb
ルアー 1/16ozネイルワッキーリグ スパイニークロウラー

ロッド STRATEGY TOURLER STC68TX
ライン FCスナイパー10lb
ルアー 1/8oz テキサスリグ テナガホッグ

ロッド STRATEGY TOURLER STC68TX
ライン FCスナイパー12lb
ルアー 3/16oz テキサスリグ テナガホッグ


『写真提供:W.B.S.



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