ハトリーズ製造中止モデルの中でも、その復刻要望の多かったハッピーモール・コッキービートル。
発売当時からかなりの歳月が経過しておりますが、現在でも塗装や素材を当時と同じ仕様にすることは不可能ではありません。しかしながら、木工マシンの能力の向上や、バラツキの少ない素材の選択、ノウハウの蓄積などにより可能となるセッティング。
それらは求めた動きのイメージを、より理想に近づけたといえるのではないでしょうか。
<30周年記念モデル:ハトリーズウッドシリーズ ハッピーモール・コッキービートル>
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 ハッピーモール
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 コッキービートル
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ファーストモデルのハッピーモール・コッキービートルを製作するに当たってのプロジェクトチームは、トライアンドエラーを繰り返し、積み上げてきた結果が今回のモデルにも大きく貢献しています。
例えば…。ウエイトルームに使用する接着剤の種類の選択や処理方法、塗装工程による変化(塗装回数による自重の変化や、浮き姿勢の変化など)、木工マシンから削りあがったウッドブランクの計測(形状のバラツキ具合など)、塗装工程に入るまでのウッドブランクの乾燥時間、…など項目を挙げるときりがありません。
それにもかかわらず、こつこつと地道な作業を繰り返しフィールドテストにてプラグのフィーリングを確かめつつデーターを蓄積してきたのです。
さらには、これまでの経過を十分に把握している羽鳥氏だからこそ、今回のモデルの製作に関しても的確な指示と対策がなされ、スミス30周年記念モデルとして復活を遂げました。
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形としてのイメージが先行する。動きのイメージが先行する。プラグのアイデアの発想には、大別するとこの2つのタイプがありますが、羽鳥さんの場合は明らかに後者。まず作りたい生き物をイメージして、その生き物の置かれた状況と心理を想像して、動きをイメージする。当然、それぞれのプラグは、形同様、動きもはっきりとした個性を持つのです。
せわしく震える奴。ゆっくりからだを振る奴。のんびり泳ぐ奴。すばやく泳ぐ奴。左右に曲がる奴。鋭くすべる奴。なめらかにすべる奴。重い音を立てる奴。軽い音を立てる奴。細かい泡を出す奴。大きい泡を出す奴。ぎくしゃく動く奴。しなやかにもだえる奴。その2つ3つを備えている器用な奴もいます。
イメージした生き物の、イメージした状況からすれば、当然のことなわけで、だから、ご自身で動かしてあなた流の使い場所をイメージしてください。
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 ハッピーモール
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 コッキービートル
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今回ネット上で初公開。これが羽鳥氏手作りのマスターボディーです。
1984年より発売されたモデルと比較しても、当時使用していたウッドの素材とも異なるために形状もそれに合わせて微妙に変えてあり、当然の事ながら使用ウエイトの重さや位置までも変更してあります。
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ご存知だろうと思いますが以前のモデルに採用されたのは「穴アリ」モデルですが、今回のモデルには「穴ナシ」モデルが採用されました。
実は、この穴ナシプロペラこそが当時、羽鳥氏から頂いたプロトタイプに装着されていた物であり、今回はそれを忠実に再現させたものです。
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マスターボディー(ウッドブランク)からも判断できると思いますが、各モデル共に意外な位置からウエイトホールが空けられていることに気づかれる人もいるはず。
特にコッキービートルに関しては、何と背中の部分からウエイトホールが空けられ、ベリーにあるキール部分のギリギリのラインに専用ウエイトを仕込むという方法を選択。
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ボディー形状の変更がなされたため、ウエイトの位置も変更となったわけですが、それに伴いアッセンブリーパーツの取付け位置も変更になりました。
コッキービートルに関して述べますと、パーツの取付け位置の変更です。
フックハンガーはキールのエンド部分の形状に合わせて曲げ加工が施され取り付けられております。
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もしかしたら、当時の製品と違う!とおっしゃる方がいるかもしれません。
ただ、明らかに当時よりも製造技術は向上しており、そうした中で意図した泳ぎを追及した結果ということがおわかりいただけたでしょうか。
21世紀に復活した2つのハトリーズ。羽鳥氏のイメージどおりのプラグがここに再現されています。
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