ネットで復活?!こちらスミス開発室


ルナ(その1)  ルナ(その2)



お待たせしました!開発室よりNEWトラウトミノー「ルナ」のカラーリング秘話が到着しました。
カラーひとつとってみても、その裏には開発担当の思い入れというものがあるものなんです。



< ルナ開発こぼれ話その2: カラーリング編 >


 さて、そろそろトラウト用トゥイッチングミノー「ルナ」が店頭を賑やかす頃となりましたので、前回の予告通りルアーのカラーについて未公開のお話をしましょう。


● 定番&冒険色
 通常、トラウトルアーのカラーバリエーションは定番と呼ばれるナチュラルカラーが中心で、例えばワカサギ、アユ、オイカワ、ヤマメ、ニジマス等の実在する魚をイミテートした色がこの定番カラーに相当し、他にスミスでは冒険色と呼ばれるちょっと毛色の変わったカラーで全体が構成されています。
 冒険色とは言うものの、それぞれのカラーにはそれぞれの薀蓄(うんちく)があって、この薀蓄が世間一般に浸透し、実績が伴うと見事に定番カラーの仲間入りをする訳で、古くはレッドヘッドや金クロがそれにあたります。


ワープロなんて、人差し指だけで充分だな!(by 小笠原)

● コイツが人気No.1!
 ここ数年でスミスの定番に落ち着き、今でも人気・実績ともにナンバーワン、首位の座をがっちりキープしているのが「アカキン」です。
 このアカキン、これといった薀蓄はなく、強いて言えば金魚、平たく言えば金クロのバリエーションカラーとして誕生しました。パニッシュのフィールドテストでは、断トツの釣果をあげ、いやはやイイ思いをさせていただきました。

人気No.1、アカキン

● スミス流キンクロ、SGカラー
 ちなみに金クロカラーは芦ノ湖で不動の地位を占めていますが、数年前とある漁協関係者殿から貴重なお話を聞いたのでご披露しましょう。
 「オレは何十年もここでルアーをやっているけど、金クロにかなう色は無いな。特に朝夕は無敵だな。理由をあれこれ考えたけど一つだけ思い当たる節がある。芦ノ湖は水がクリアーだろう。朝夕はおてんとうさまの光を受けて水面が黄金色に輝くんだな。そもそも小魚というやつは他の魚に食われないように水に溶け込む色をしているだろ。でも、見つかれば問答無用で食われちまう。ハデッチイ色は魚に良く見えたとしてもよっぽど動くルアーでじゃなければ食わないね。魚も馬鹿じゃないから警戒するんだよな。
 お世辞じゃなくておたくのパニッシュは良く釣れるけどゥ…。で、金クロをグリグリやトゥイッチで動かしてマスを誘うだろう、見つければ躊躇なく食うよ。なにせ保護色だから、あいつら何も考えずに本物だと思い込むんだろうな。背中の色はそんなに関係ないね。でも人が一番見やすい。小型船舶の免許持ってる?じゃあ黒球って知ってるだろう、黒って色はけっこう目立つんだよな。どう、こんな貴重な話なかなか聞けないよ、もっと釣れる色作ってよ。」

SGとは、サンセットゴールドの意
サンセットゴールド(SGカラー)はこんな経緯があって作られました。

● ヤマメキラー、誕生!
 さて、ルナカラーにはもちろんこのSGカラーもアカキンもあるけど、それに勝るとも劣らないカラーが存在します。
 この色について、実はスミスの社内でも知る者はごく一部で、これを公表すると内部からいろいろと反発をくらうのは必至ですが、ここはHPを御覧いただいた方のため一肌脱ぐことにします。
 この色、たまたま遊び心で塗り、たまたま遊泳テストで使用したカラーで、当初は発売する予定さえ無かったのですが、あまりにも釣果が際立っていたので急遽カラーバリエーションに組み込みました。
 テストは鹿留の管理釣り場。真昼間、ここでニジマス以上にヤマメを釣った経験のある方はほとんどいないと思います。淵の白泡にはブラウン、他はニジマスが占拠していて、ヤマメは深みで小さくなっていてなかなか釣れない。狙いすまして目の前を通してもニジにルアーをさらわれて肩身の狭い思いをしている訳で、女王の名がくすんでしまう。
 ところが所要1時間足らず、9匹中7匹がヤマメという驚くべきカラーに出会ってしまったのです。もちろん他のカラーでも試したのですが、圧倒的にニジが強い。
 「ん〜ん…、虫に見えるのかな?」
 理由はどうでもいいか、とにかくヤマメが良く釣れるんだから。
 小刻みのミディアムトゥイッチがよろしいようです。
 ルナ、カラーNo.7・オリーブアユでイイ思いをした方、御一報あれ。

一体このカラー、何に見えるのか

これにて、ルナ開発こぼれ話はとりあえずおしまい!
あとはみなさんに使っていただいて、その威力を実感していただきたい。それでは、GOOD FISHING !!



by T.Ogasawara



[ 開発室トップへ ] [ トップページへ ]


(C) Copyright, 2000 SMITH LTD. All rights reserved.