■ 「53 Pick Up!」と「防塵挺身隊」

 

●NPO水辺基盤協会とは?

NPO水辺基盤協会では、全国の水辺で開催されている

「53 Pick Up!」と「霞ヶ浦防塵挺身隊」と言う二つの水辺の清掃活動を行っています。

「53 Pick Up!」が始まったのが1995年で、「防塵挺身隊」が2003年です。

その後、2005年に茨城県からNPOの認証を受け、

現在も水辺の活動を続けています。

 

 

釣り人による釣り場の環境保全、水辺の清掃が始まったのは、

1995年2月25日のことでした。

霞ヶ浦で釣りをしていると、多くの浮遊ゴミに遭遇しました。

瓶や缶、古タイヤ、レジ袋、テレビ、冷蔵庫など、

水辺には釣り人によるゴミではなく、

人間の社会生活で不要となったものが無闇矢鱈に捨てられていたのです。

 

 

そんな状況にもかかわらず、釣り人が来るとゴミが増える・・・。

と言われ続けました。

釣り人は釣りに来るとき、わざわざゴミを持っては来ない!

と言う事実を多くの住民に知って欲しかったし、

声を大にして言いたかったのです。

社会からの招かざる誤解を解きたかったことが原因でした。

 

しかし、今思い返すと・・・、

最初にゴミを拾おうと思った切っ掛けは、

単純にゴミの中で釣りがしたくなかったからです。

また、ゴミ拾いをしたことで精神的満足感が得られ、

その後楽しく釣りが出来たことによりました。

加えて、釣友が釣りの前にゴミ拾いをしている姿を見て、

刺激されたことも影響していました。

 

 

釣り場の清掃活動って、一時の熱気だけで初めても続かないし、

環境ボランティアとか、自然への奉仕なんてぇ甘言をぶら下げても、

企業や行政との協力体制を構築するには厳しい現実があります。

そこで、私たちが始めたように参加者から会費を徴収し、

その資金で運営して行く自助自立のスタイルが継続するためのコツなんです。

 

500円でも1000円でも、参加者から参加費を集め、

参加者の保険料やゴミの処理費用に充てないと、

最終的に自腹を切る羽目になってしまい、継続力を失うことになります。

最初の数回なら自腹でも何とかなるでしょうが、

何年も続けようと思うと莫大な負担を強いられることになります。

 

 

参考までに、我が阿見町は自家ゴミをクリーンセンターに持ち込むと

50kgまでが無料で、それを越えると10kg毎に150円が掛かります。

で、100kgのゴミを町の処理場に持ち込むと750円の支払いです。

 

ちなみに100kgのゴミを事業ゴミとしてクリーンセンターに持ち込むと

2300円と言う金額になります。もちろん、分別が必要です。

さらに分別の手間を省くために産廃業者にゴミを委託すると、

9000円も掛かる勘定になります。ゴミの処理費用って結構高額なのですよ。

 

そこで、これらの処理を企業や行政が肩代わりしてくれたら、

参加費のゴミ処理代が余剰金として残ります。

この余剰金をゴミ袋や軍手など消耗品の購入や活動後の反省会、

スタッフのガソリン代などに充当するのです。

 

もちろん、万が一のために留保しておくことも大切です。

こう考えて行くと、水辺の清掃活動で「拾う〜処理する」までを

完璧にこなすと、相当な資金と労力が必要になります。

だから、自腹を切って・・・じゃ続かないのですね。

 

継続は力です・・・でも、継続するだけの資金がないと、

力をつけるのは困難です。

その力をつけるためにもゴミ拾いと言うボランティア活動では、

参加費を参加者の皆様からいただいて、次に繋げることが大事なのです。

 

 

「53 Pick Up!」の参加費が1000円、「防塵挺身隊」の参加費が500円、

この金額で清掃活動のすべてを賄うのは困難です。

でも、参加費をいただいているので負担は最小限に抑えられています。

また、スミス様のように開催当初から

私たちの清掃ボランティアにご理解をいただき、

ご協力くださる企業様もおります。

 

 

そう、ですからあと数年間は続けられるでしょうね。

水辺のゴミのすべてが無くなる迄はちょっと無理でも、

大幅に減少するその日まで、頑張り続けます。

バスフィッシングの未来を見つめ、魚釣りの楽しみを伝えるために。

 

 

昨年は霞ヶ浦河川事務所様より感謝状を拝受いたしました。

長年に渡っての活動に感謝を込めて・・・と言うことでした。

また、久光製薬株式会社ほっとハート倶楽部様からは、

長年の環境活動に対しての褒賞金をいただきました。

どちらも嬉しかったですねぇ。

釣り人による清掃活動、長年の努力が報われた瞬間でした。