■ 新たなる事業

 

いやぁ〜、すっかりご無沙汰でした。

今年からW.B.S.の仕事が始まって、大忙しな一年でした。

このページへの投稿もかれこれ一年振りになりますね。

本当にごめんなさい!

 

と言うこともあって、ご無沙汰のお詫びのしるしに、

霞ヶ浦情報をちょいとお知らせします・・・と思ったのですが、

10月22日に開催されたグリーンフェスティバルの準備中に、

雨で足を滑らせ転びましてね、右肩が捻挫しちゃたんですよ。

で、先月の22日から殆んど釣りに行っていない状態なので、

おいしい情報てぇのがないんです。

すいませ〜ん!

 

 

この右肩の捻挫が思った以上に酷い怪我で、全治三ヶ月ですって!

「吉田さん、骨を折った方が完治は早かったね」。

なんてぇことを言われて、ガッカリしましたよ。

さすがに怪我をしてから四週間ほどが経ったので、

だいぶ腕が上がるようになりましたが、

まだ肩の高さより上にはあがりません。

そう、バンザイが出来ないのですよ。

 

と言うことで、今回は今期からNPO水辺基盤協会が、

霞ヶ浦の湖畔で占有できる場所が出来たことを報告しますね。

このサイトを運営している株式会社スミスさんは、

NPO水辺基盤協会の法人会員であります。

 

美浦村の清明川の河口にある植生浄化施設がありましたが、

ここ数年間は使われていなかったので、

この施設を何とか復活させて水を流し、霞ヶ浦の再生になればと考え、

国土交通省霞ヶ浦河川事務所に数年前から要望しておりました。

それが今年、念願が叶って水路に水が入ったのです。

加えて、霞ヶ浦河川事務所からは占有許可も戴きました。

 

 

この水路に水が流れることによって、何がどう変わるのか?

そんなことは誰にも判りません。

が、予測はつきます。

 

  1. 水が動き植生帯を通過することによって、
    植生帯を通過する水は微生物によって浄化されます。
  2. 水が動くことで二枚貝の幼生のグロキディウムが放出され、
    二枚貝の増加によってこれまた水が浄化されます。
  3. 流れる水が大量の酸素や植物の種、殖芽を運び込み、
    緩急のついた流れが多様な動植物を育みます。

他にもいろいろ考えられますが、これらはあくまでも予測です。

動く水が生み出すダイナミズムに期待してのことです。

 

動く水の重要性を理解したのは、小池栄湖と言う池を作ってからでした。

最初の頃は水を動かすポンプが動いていたので、

水が滞留することはありませんでした。

が、数年後の2012年にポンプが壊れて水の動きが止まりました。

その後、そのままにしておいたら、池はアオコまみれになったのです。

アオコが通り過ぎると赤潮が発生しました。

池の水面がレンガ色に覆われたのです。

 

 

この状態から脱出するために、いろいろな方法を試しました。

が、効果があったのは水中ポンプを使って、

水を動かすようにした時からでした。

さらに、エアレーターを設置して酸素を送り込むようにしました。

バクテリアなどの微生物を死なせないためです。

現在の小池栄湖は底が見えるほどクリアーな池になりました。

アオコの発生から3年ほど掛かりましたがね。

 

 

そんな経験があったので、清明川河口の水路で水が動けば、

きっと何かが始まると思っていたのです。

その願いが今年叶って、霞ヶ浦河川事務所さんと一緒に

新たな事業が始まりました。

これから一年間は、どうぞ見守って下さいね。

動植物たちがこの水路を利活用してどうなって行くのか?

そっと見守って下さい。

 

 

で、この水路を見守るための基金を作りました。

水生植物基金です。

これは霞ヶ浦に水草を増やすための基金ですが、

それを何故水路に? 疑問に思われる人もいるでしょうね。

 

実は自然の生物の相関関係って言うのは単なる縦横ではなく、

蜘蛛の巣のように縦横無尽に張り巡らされているのです。

で、この水路からエビモやクロモ、ササバモなどの沈水植物の種が、

霞ヶ浦本湖に流れ出る可能性があると言うことなのです。

僕はその流出作戦に賭けているのです。

 

 

もちろん、水路を棲み家に種種雑多な生物たちが棲息するでしょう。

これこそが生物多様性・・・僕はそう考えるのです。

そして、在来も外来もないグローバルな世界が、

動く水によって構築されると信じています。

新たなる事業は新たなる生物相を創り出すのです。