■ NPO水辺基盤協会からの提案

 

アッと言う間に秋が過ぎて、冬になってしまいましたね。

と言うよりも今年は秋がなかったような・・・。

秋の真っ只中でも夏日があったり、12月末の気温になったことも・・・。

でも、まぁ、10月末まで寒さを感じずに過ごせましたね。

 

そんな不安定な天候を余所に、

霞ヶ浦では相変わらずビッグバスのファイトが続いていました。

しかし、11月の風が吹き始め、立冬を越えたあたりから、

霞ヶ浦は沈黙し出したのです。

長雨による日照時間の減少や、

濁り水の流入がその原因ではないでしょうか?

さて、来春はどうなるのでしょうね???

 

 

ちょっとだけですが、来春の不安材料があります。

近年の霞ヶ浦本湖では、10cm程度の一年魚バスをとんと見ません。

生息はしていると思われますが、以前のように釣りをしていて、

ルアーにスッと群がってくるような光景を殆んど見ないのです。

 

その一方で50pクラスのバスがよく釣れています。

40cm級ではなく、50p級です。

48とか49とか、或いは51とか52とかのサイズです。

これはどうしてなのでしょう?

 

もしかしたらバスの末期的症状・・・?

次代を担うバスがいないのではないでしょうか?

その原因の一つして考えられることが、

トーナメントなどによる産卵期のバスの移動ですね。

 

産卵床を守っているバスを産卵床から移動してしまうと、

バスの卵が他の生物に食べられて卵は壊滅的打撃を受けます。

卵の絶滅が何を意味するかはご存じでしょう。

バスの稚魚が増えないのです。

稚魚の減少は成魚の減少へと繋がり、その状況は如実に現れます。

バスフィッシングが成立しなくなるのですね。

 

 

そこで、5月1日から31日までの一ヶ月間、

生体を移動するバストーナメントやボート店へ持ち込んでの記念撮影などを

バスアングラーの皆さんに自粛して欲しいのです。

もちろん、生体移動をしない方法でトーナメントをするなら、

それは問題ありません。

フォトトーナメントやジャッジ同伴トーナメントなどですね。

もちろん、他によい方法があったら教えて下さい。

 

バスアングラーが産卵期のバスを保護するだけで、

霞ヶ浦の状況は大きく変わってくると思います。

それは、バスの稚魚が増えると言うだけではなく、

バスアングラーの一人ひとりに、

バスを守ろうと言う意識を植え付けることができるからです。

 

未来永劫に渡ってバスフィッシングが楽しめる・・・。

そんな状況が続く筈はありません。

野生の生き物たちは人間が保護や保全など、

共生を目的に共存することによって、自然界に存続できるのです。

と言うよりも、人間の身勝手には成り得ないのですね。

 

来年も、再来年も、その次の年も、その次も、

バスフィッシングが楽しみたかったら、

僕たちと一緒に5月の生体移動を自粛してください。

もちろん、この自粛は長ければ長い程、効果的でありますが、

先ずは5月の一ヶ月間を実施してみましょうよ。

と、言うのがNPO水辺基盤協会の提案です。

 

 

尚、この提案は霞ヶ浦周辺の貸しボート店、マリーナ、

釣り具店、さらには他団体の皆さんにもご了解を戴き、

2017年より実施されます。

強制ではありませんが、未来へバスフィッシングを繋げるために、

何卒皆さんのご協力をお願い申し上げます。

 

そして、もう一つのバスを守り、バスフィッシングを守る方法として、

釣り人による水辺の清掃活動があります。

日頃、魚釣りを楽しませてくれる水辺に、

感謝の気持ちを込めて行う清掃活動、ゴミ拾いですね。

 

 

霞ヶ浦では去る11月6日に「53 Pick Up!・秋の陣」が開催されました。

今回で21年41回目を数える「53 Pick Up!」には、

249名の勇気ある皆さんが参加してくれました。

 

国、県、市の行政関係の皆さんから一般企業の皆さん、

そして中心となっているバスアングラーや小物釣り師の皆さん、

様々な人たちが集まって秋晴れの霞ヶ浦で清掃活動を行い、

回収されたゴミの量は1730kgにも及んだのです。

 

 

「霞ヶ浦をゴミから守る」。

「霞ヶ浦のゴミを退治する」。

「霞ヶ浦の水をきれいに」。

「霞ヶ浦の自然と共に・・・」。

参加された皆さんはそれぞれの思いでゴミを拾ってくれました。

 

拾うことよりも捨てさせない努力を・・・と仰る人が必ずおりますが、

僕たち釣り人は、目の前にあるゴミを何とかしたい!

という思いの方が強いのです。

そう能動的なのですね。

 

 

釣り場に立って足元を見ると、ゴミだらけ・・・という状況では、

魚釣りの楽しみは半減です。

子どもたちや若い人たちに釣りを教え、育てるなんてぇことは出来ません。

そこで、年に二回のことですが霞ヶ浦のゴミ拾いを

20年以上に渡って続けているのです。

 

 

ゴミのない水辺でいつまでも釣りを楽しむために。

そして、霞ヶ浦のバスフィッシングを守るために。