■龍の新色

今年の秋のバスフィッシングはどうでしたかな?
思い通りのクランクベイト使い(Cranker)になれた?
大切なのはルアーの特性をしっかりと理解することだよ。
この太さのラインなら何メートル潜るとか、
このリールを使えばどれくらい飛ぶとか、
この軟らかさのロッドならルアーのアクションを損なわないとか、
ルアーについてのあれこれをしっかりと把握することだ。
で、もし、秋にマスターできなかったのなら、
やがて来る春にしっかりと覚えようね。

最近、
「青龍(チンロン)と紅龍(ホンロン)の新色が気になっちゃって・・・」
なんてメールが僕の元に届く。
テスト中だったので、なかなか紹介できなかったのだけれど、
いよいよサンプルが出来上がってきたので本邦初公開するよ。
この写真の二色が噂の新色である。
紅龍は文字通りRed Dragon(レッドドラゴン)をイメージし、
青龍はBlue Dragon(ブルードラゴン)をイメージした。
とは言っても、この二色は何れの龍にも施されるのだがね。
つまり、紅龍にもBlue Dragonカラーがあり、
青龍にもRed Dragonカラーがあるってことだね。

 

青龍のBlue Dragonに限って言えば、現在まで100%の確率だ。
ここ最近、釣りに行ってあぶれたことがない。
必ず一匹を引きずり出してくれるGJ(グッドジョブ)野郎だ。
但し、岸辺から水深のあるところに限定されるため、
土浦港の岸釣りとボートでの釣りに於いての結果であるんだがね。
しかし、先日、遂にあぶれた。
その日、バスをキャッチすることは出来たのだが、
唯一の一匹は他のルアーだった。
つまり、100%の確率が崩れたのである。

だがね、ラスト・フォールターンなどと言われている
水況変化の激しい晩秋から初冬に掛けての時期に、
100%の確率で釣れるルアーの存在自体が信じられなかったので、
これで一安心である。けれども、かなりの高確率である、
もしグッドシーズンに使ったら・・・・・・恐ろしい!

いやいや、努々そんなことはお考え下さるな。
バスの行動が鈍り、低活性化になるこのシーズンに
その威力を遺憾なく発揮すると言うことは、
活性の高い時期には他に有効なルアーがあると言うことでもある。
逆も真なり。

青龍に限って言えば、
10月から3月までが有効な最も得意とするシーズンで、
この時期だけはフル出動となる。
ボートデッキの上で常に光り輝く存在になる。
それ以外の季節では釣り場の構造や構成によって使用される程度だ。
例えば、深場を備えたような浚渫エリアとか、
澪筋とかが代表的な使用エリアである。

よっしゃ、実戦の実践だ。
てなことで、青龍を持って桜川に行って来た。
勤労感謝の日が明けた11月24日だ。
午前11時頃からボートを出して桜川を探ったが、
バスからの反応は一向に届かない。
まぁ、最初のスポットから釣れるほど甘かぁーないよな。
でも、次は釣れる。間違いなく釣れる!

そう勝手に確信して二番目のスポットで青龍をキャストした。
フォローだったこともあって、予想以上に飛んだ。
キャスティングが上手く行くと気分もいいね。
で、捲き始めたら突然、ガクッと来てルアーが止まった。
底の岩に刺さったなッ・・・・・・と思った瞬間、ラインが動き始めた。
それも、ギュギュギュギュー、と言う感じの強烈な引きだ。
「ちぃーッ、レンギョか! ルアーを持っていかれるのだけは勘弁だ」
そう呟きながらリールのドラッグを緩めた。
この時から30分間の死闘が始まった。

 

引き上げた獲物は、メーターを超えるようなソウギョだった。
引くわけである、青龍のフックはソウギョの尾鰭に食い込んでいた。
団扇ほどもあろうかという尾鰭で数度水を浴びせられたが、
ルアーを無事に回収することが出来た。
ソウギョはヘロヘロ状態で水底に戻っていった。
ヘロヘロ状態はオレも同様で、リリース後デッキにへたり込んだ。
メーター級のファイトは強烈で、両腕のオイルが切れて軋む気がした。

 

暫し呆然とは、この様なときの形容だな。
巨大魚とのやり取りで身も心も疲れきってしまった。
しかし、頭の片隅には「バス釣りたい願望」が、
しっかりと渦巻いている。
オレはボートの舳先を上流へと向けた。
その瞬間、心は桜川上流へと飛んだ。

が、この日はもう一匹60cmほどのコイを釣っただけで、
バスは見事に空振り三振した。
コイ科の魚であればホームラン二本で、
一本は特大の場外ホームランと言うところだが、バスはゼロ!
ノーフィッシュで終わった。
100%だった確率は崩れ、どんどん下がっていく。
まったく、Like a rolling stoneだな。
この転げ落ちる確率を止められるのは・・・・・・
天気の良い日を選んで再び桜川に挑戦した。

 

桜川での釣戦は叶わなかったが、韓国では釣ったよ。
気温氷点下12℃、周囲の山々は雪に埋もれ、
表水温5℃と言う条件の中で、青龍(チンロン)にヒットした。
が、嬉しさの余り遊びすぎてバラした。
でもね、嬉しかったのは、どうしようもないほどの悪条件の下でも、
クランクベイトに反応するバスがいたことだ。
この嬉しさを心に秘めて、来年も霞ヶ浦で投げて捲いてを繰り返すよ。

 バス釣りは己の生きる道しるべ

では、良いお年をお迎え下さいね。


霞ヶ浦住人:吉田幸二