■ 朝露の中を歩く。

暑い日が続く。夏の太陽はスキだけれど、夏の暑さは苦手だ。
日中のむせ返るような暑さに、心臓の鼓動は激しさを増し、
ストップしそうなくらいの貧血を招く。
が、朝夕にはひんやりとした空気が身体全体を包んでくれる。
この気持ちよさ、都会では味わえんだろうなぁ。
これも田舎暮らしの魅力である。
だから、ここ数週間は朝だけの釣り。

もちろん、この楽しみを初めて味わったのは、
十数年前の未だ東京で暮らしているときだった。
夜の明けぬ早朝未明に、数人の仲間と東京を発つ。
少し静けさの戻った都会の町並みを抜け、
一路常磐自動車道路をひた走る。
我が家から、1時間少々のドライブで霞ヶ浦に着く。
で、空が白み始める4時頃から、その日の釣りが始まる。

今から十数年前の土浦新港は、
人もまばらで早朝のバスフィッシングでは貸し切り状態だった。
その頃、得意だったドゥードルビーバーのテキサスリグを、
新港のコンクリート岸壁に沿ってスルスルスルーッと落とし込む・・・すぐに、
バスからの反応が届いた。ほんとうだよ。

コツコツだったり、コーンだったり、
ガッガッガッと言う激しいものだったり、
カッコーンと言う甲高いものだったり、
クックックーッと言う静かだが重々しいものだったり、
ズズズズッと言う小刻みなものだったり、
コツッと言う小さなものだったり、
バスからのちょっかいは様々で、経験を積むたびに、
いろんな性格のバスがいることを学んだ。

あれから十数年、オレは再び夏の早朝の釣りを楽しんでいる。
当時と同じように、早朝の4時から7時くらいまでの3時間、
霞ヶ浦の湖岸に立ってルアーを投げ続けている。

夏の暑さは嫌いだけれど、夏の太陽はスキ。
夏の日中は辛いけれど、夏の早朝は楽しい釣り時間が溢れている。
当時と違っていることは、オレが霞ヶ浦の畔に住んでいることと、
投げるルアーがディプシードゥーになったこと。ほんのこれだけ!

どうだろう、夜明けの早い夏時間、
自宅近くの釣り場で早朝バスフィッシングを楽しんでは?
毎日とは言わないさっ。精々、週に2日か3日だよ。
ほんの2〜3時間のバスフィッシング、これが練習になるんだなっ。
バスフィッシングを上達させる近道なんだ。

明日もオレは、霞ヶ浦に立っているだろう。
関東最大の湖に立ち、バスに向かってルアーを投げ続けているだろう。
朝露の中を歩いた数だけ、バスが釣れるからさっ!