2022年 3月上旬 北海道然別湖 ミヤベイワナ氷上穴釣り

奥代 直行

北海道 道東在住。子供の頃、開高健の小説を読み、ルアーフィッシングを始める。北海道のトラウト、サーモンがメインターゲット、自然と釣りをこよなく愛す、彫金師。モットーは『自然と魚に遊んでもらう』。

3月、北海道も少しずつ暖かくなり、長いオフシーズンもいよいよ開幕へ向けてカウントダウンに入る。
いつまでも終わりが見えないコロナ禍にはうんざりだが、マスクや手指消毒が習慣化し、おかげさまでここ2年ほどは風邪もインフルエンザにかかった記憶が無い。怪我の巧妙か。


3月1日、感染症対策をしっかりし、去年に引き続き、然別湖のミヤベイワナ氷上穴釣りに行ってきた。
メンバーは去年と同じ、鹿追町の釣りマスター正保さん、スミス坂本さん、私の3人。
今年は解禁日に予約が出来たので、全くスレていないミヤベイワナ達がたくさん遊んでくれるだろうと期待に胸が高鳴る。


去年はレポート用の写真を雪の上で撮っていた為、せっかくの美しい魚体が雪まみれだった、その反省と今年の期待値の高さから、魚の撮影用の水槽を作る事にした。


材料はアクリル板、寸法は400×150×200。
職業柄、工作は得意だがアクリル板の価格が予想以上に高く、ホームセンターで一瞬躊躇する。
「解禁日なら間違いなく爆釣」と自分に言い聞かせ、水槽を作成した。


去年の経験から有効なルアー、誘い方などのメソッドはある程度把握していたので、そこに不安はなかった。去年と大きく違うのはスピニングからベイトタックルに変更した事だ。
バーチカルな釣り方においてクラッチのON/OFFが素早く出来るのがメリットになると思ったからだ。


タックルは完璧。
自作した撮影用のアクリル水槽もある。
これで怖いものは無い。


「早く来い来い解禁日」


2月末、いよいよ明日が解禁日。天気予報をチェックして閉口する。
まさかの雪マーク、風速を見ると5m以上。
湖の上の為、風を遮るものも無い。
『吹雪だべや…』
ただ実行委員会から中止の連絡はない。
開催するならそんなにひどい天気ではないはず


翌日、坂本さんと合流し、標高800mの然別湖に向かう。


現場に着き、受付を済ませ、タックルの準備をする。
気温はマイナス5℃、風速は体感で4m
これくらいなら何とかなるねと坂本さんや正保さんと談笑。


スタッフからレギュレーションの説明を受け、スノーモービルの先導に続いて徒歩でポイントに向かう。約20分、なるべく荷物は少なくザックにまとめると楽だ。

ポイントに着き、スタッフにお願いして任意のポイントに電動ドリルで穴を開けてもらう。

最初の穴は他の参加者から少し離れた場所に開けてもらうが、魚信がない。
他の参加者がポツポツと魚をキャッチしていく。
早々に最初のポイントに見切りをつけて、釣れているポイントの近くに穴を開けてもらう。


去年、好反応だったメタルミノーEXでボトムをとり、ゆっくりとしたワンピッチジャークで誘うと、のそっとしたアタリ。
上がってきたのはアベレージサイズのミヤべイワナ。
モノクロームの世界に極彩色の魚体。
夏に釣れる水彩画のような色合いとはまた違う魅力があるので、是非、実際に釣ってみてほしい。


メタルミノー以外にも、ボトムノックスイマーやサージャー6cmも反応が良くポツポツと釣れてくれた。が期待していたほどの反応は無く、解禁日なのになぜ、と思案を巡らせてみた。

思い当たる去年との違いは、天気。
去年は太陽が出ていて日差しが眩しかった。
冬の間、湖面は厚い氷と雪に閉ざされ、水中に光が入らない状態、そこに穴が開き陽光が差し込めば、プランクトンが集まり、自ずと魚たちも集まるという寸法だ。
しかし今年は残念ながら厚い雪雲に空が覆われ、太陽はもちろん青空も見えない。
なかなかタフなコンディションだとは思ったが全く反応が無いわけでは無いので、穴を変えたりアクションを変え試行錯誤を繰り返す。


なんとなくパターンを掴みかけてきた頃に風が強くなりはじめる。
容赦無く顔を叩く雪、ガイドに雪が詰まり、ラインは凍る。
釣りやすい状況とはお世辞にも言えないがそこは道産子の意地で釣り続ける。

着氷しバキバキになったタックルを駆使しなんとかヒットに持ち込み、ランディングも成功。自慢の力作アクリル水槽に魚を移し、美しい魚体の撮影に取り掛かろうとするが、当然、水槽自体も吹雪の餌食になりカッチコチのバッキバキだった。

吹雪のせいで周りとの会話も極端に少なくなり、フードを目深に被り、釣りに集中した。
私の頭の中では松任谷由実さんの名曲「ブリザード」が延々とリピートしていた。


然別湖のアイスフィッシングに今後挑戦してみたい方は天気の良い日に行く事オススメします!
予約制なので運次第ですが笑。


力作アクリル水槽の活躍は、春の然別湖解禁までお預けです、既に解禁日の予約は済ませていますので、今後のレポートお楽しみに!

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