ハミングバード通天湖釣行(12月3日)

成吉 弘幸

 奈良県在住。登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では近畿地方の渓流や管理釣り場を中心にトラウトを追いかけている。

 今回は京都府南丹市の名勝るり渓谷にあります、ハミングバード通天湖へ行ってきました。この管理釣り場は二つの谷の合流点にあるダム湖に、トラウトを放流して管理釣り場として営業されています。桟橋とボートの2種類の釣りを選べるのですが、広大なエリアを楽しむために、いつもボートでの釣りを選択しています。この釣り場から、12月2日にニジマスや大型のロックトラウトの大放流を行うとのメールが届き、早速お邪魔した次第です。


 さて営業開始の午前7時前に現地に到着、遊漁券を購入し、ボートで最初に向かったのは右ワンドです。過去の経験から放流翌日には右ワンド奥のシャローエリアがグッドポジションなのですが、ダム工事により水位が50cm程度減水しており、シャローエリアよりもその手前のミドルエリアが良いのではと考えました。

 ポイントに到着後、最初に選んだルアーは3.5gスプーンでした。これを広範囲にキャストして、魚のいるレンジを探ってみます。濁りで魚影は確認できないため、魚信が頼りなのですが、まったく反応がありません。今シーズン最大の寒波到来で、魚は沈んでいると仮定して、スプーンを沈めてボトム付近をトレースしてみたところ、沈殿物に根掛かりしてしまいます。いったんスプーンを諦め、ミノーも試してみます。今回放流されたロックトラウト(イワナとニジマスのハイブリッド)は魚食性が高いため、ミノーが効果的と考えたのですが、こちらでも魚信を得ることができません。


 30分以上経過しても反応なく、ルアーをエッセンシャル1.9gスプーンにチェンジします。カラーはナチュラル系です。ボトムべったりでは根掛かりが頻発するのは明白です。そこでエッセンシャル1.9gをキャストしたらボトムまで沈め、ワンフリップ入れたら、若干ロッドを立て気味にしてリトリーブしてみます。イメージはボトム付近の沈殿物スレスレを引いてくる感じです。これで旧川筋をクロスするように探っていて、この日最初のニジマスがヒット。ポンピングで慎重に寄せてネットインしたのは、40cmクラスのニジマスでした。この釣り場のレギュラーサイズは30~40cmですので、まずまずのサイズと言えます。

 やっと最初の一匹目がヒットして、なんとか一安心。続いてミノーでの釣果を上げたくて、シンキングやディープダイバーを使って探ってみたのですが、結局ミノーでの釣果を得ることはできませんでした。そしてエッセンシャル1.9gスプーンに戻して、ナチュラルカラー中心のカラーローテーションしながら、一匹目をヒットした時と同様に探ってみると、ポツポツながらもレギュラーサイズのニジマスがヒットしてくれます。中層より上のレンジも探りは入れてみるのですが、そこでは反応が得られないことから、この時間帯に魚たちは中層より下のレンジにいることは間違いなさそうです。そのまま10時過ぎまでエッセンシャル1.9gスプーンで、釣果を伸ばすことができました。

 その後、トイレ休憩に桟橋に戻った後は、ダムサイトや左ワンドなど他のポイントを探ってみようと考えていたのですが、他の方から聞いた情報によると、右ワンド以外のポイントはどこも釣果が芳しくないようです。そこで再び右ワンドのミドルエリアに戻ります。


 休憩前と同様にエッセンシャル1.9gのナチュラルカラーで探ってみたのですが、なぜか反応がなくなってしまいました。そこでエッセンシャル1.9gとは泳ぎの違うスプーンをと考え、ZIL1.8gのナチュラルカラーにチェンジします。これでカウントダウンしながら探ってみると、カウントダウン7沈めたレンジを探っていて、レギュラーサイズのニジマスがヒット。若干魚は浮いてきたようです。同様にZIL1.8gで3匹ほどヒットさせた後の事です。

 コツとしたアタリに合わせを入れると、レギュラーサイズと思われる魚信が伝わってきました。そのまま寄せようとした時です。ヒットした魚がものすごいトルクで走り出します。そして止まったと思ったら、グリグリっと首を振る感触がタックルを伝わってきます。レギュラーサイズのそれとは、明らかに違います。ここからは寄せては走られ、浮かべては潜られるのを繰り返しながら、やっとのことでネットインしたのは、この日の本命ターゲットであるロックトラウトでした。正確には計測していませんが、50cmは軽く超える大物でした。

 それからしばらくはボート上での昼食を挟んで、ZIL1.8gのカラーローテーションで順調に釣果を伸ばしていったのですが、午後1時を過ぎたころに反応が悪くなってきました。そのためクランクを試すことにします。各種クランクを使って、いろんな探り方を試してみたのですが、全く反応がなく1時間以上が経過しました。そこでクランクを諦め、再びスプーンに戻します。


 選んだのはエッセンシャル1.6gです。クランクで探っている時に、何度かアタリがあったのですが、それは比較的浅いレンジで、さらに魚たちが浮いてきたと判断しての選択でした。案の定カウントダウン5のレンジで、狙い通りレギュラーサイズのニジマスがヒット。同じレンジをエッセンシャル1.6gのカラーローテーションで探って、途切れていたヒットが復活しました。ただヒットする魚がこの釣り場では小型となる30cmクラスのニジマスばかりなのは残念です。

 終了を予定していた午後3時を過ぎたのですが、何とか最後に良型とのファイトを楽しむべく粘ります。そして最後にエッセンシャル1.6gのナチュラルカラーで、40cmクラスのニジマスをヒットさせることができ、この日は終了としました。

 残念ながらプラグでの釣果はありませんでしたが、大型のロックロックトラウトのヒットや良型ニジマスも多く釣れ、楽しい時間を過ごすことができました。

 

RodFLD-68
ReelS社1000番
Lineナイロン3lb(直結)
Lure エッセンシャル1.9g 各種カラー
エッセンシャル1.6g 各種カラー
ZIL1.8g 各種カラー