極寒の湯川シラサギに

池谷 成就

群馬県在住。トラウトルアーゲーム全般のエキスパートだが、近年は群馬県や長野県を中心とした渓流、湖での釣りに傾倒している。かわせみ倶楽部 所属。

 雪積もる真冬日に幕開けした軽井沢湯川の渓流魚解禁。あえて激戦区の中軽井沢地区に入った頃には、すでに数十人の釣り人が竿を振っていた。実はこの地区の釣りには自信があった。ここ十年ほどは解禁日だろうが数日たっての釣行も吹雪だろうが氷点下だろうがオケラ(ボウズ)は無かったので、のんびりとした釣行となったが今年は違った。見事にオケラ。原因を自問自答しながらの釣りとなったが、漁協の放流場所(稚魚・成魚)が変更になっていたり、濃密放流されるトラウトパークの場所の設定変更も加わり、いつもは激戦区ながら人気のないポイントを探しての釣行は容易だったが、今年はそれも出来ず、さらに強烈な寒波に見舞われたため、必要以上にポイント移動したりと、完全にパターンを失ってしまっていた。

 新型コロナウイルス感染拡大防止等重点措置によりたまたま会社は休業していたので、佐久漁協の年券を購入して連日の釣行となった。解禁日も3日経つ頃には釣り人はまばら。半日ポイントに釣り人がいない日もあった。それは釣れていない証拠でもあって、そのポイントにハマッてしまうこともしばしば。もちろんルアーの場合は5ロッド以上のディスタンスを取りながら、意を決してとにかく解禁日に入ったポイントに狙いを絞りタメてみることに。この日も4時間ほどオケラのままでまる4日オケラを覚悟しかけた時だった。

 一羽の白くて大きな鳥が対岸やや斜めのところに舞い降りた。一般的にシロサギと呼ばれるが、口ばしの特徴からダイサギらしい。そろそろ夕暮れ時の寒さが襲ってくるなか、しばしシロサギを観察していると、首をもたげたり、すぼめたり、横を見たりと何かを目で追っている様子が伝わってくる。いつもは獲物を横取りされてばかりだが、今度ばかりはと、釣れない苦しまぎれの横取りシラサギ作戦を決行した。

 先ほどシロサギがいた対岸にルアーをダウンストリームキャストで送り込む。芦原のエグレを狙いシロサギの視線の先を思い出しながら、しばらくの間、動くルアーを流れに留めていたところいきなりキタ!普段敵対しているシロサギだが、今回は解禁4日目にして初の渓魚、イワナをプレゼントしてもらった感が強い。5日目も同じ方法で1尾のイワナと出会った。5日目にして2尾のイワナだからシロサギに今回は感謝。厳しさ故にこの区間は友人たちと修行区間と呼び合った。6日からはさすがに修行区間を離れ、支流に入ると積雪の多さから手つかずのポイントも多く、ニジマス、イワナと連発しやっと気持ちよく解禁できたのだった。

佐久漁協 年券¥6,500、日釣り券¥1,300。


※ 本釣行内容は群馬県在住者を対象に含む、長野県GOTOトラベル隣県割り期間中のものとなります

Rodスミス ベイトクラシックTBC-65ML
ReelAVAIL社製かわせみ俱楽部50周年記念モデルプロト
Lineフロロドレイク3lb
Lureバック&フォース4gジェイドMDDーコンタクトパニッシュ55SP
Caseスミス リバーシブルD86 F86
Accessoriesスミス プライヤー クランプ フォーセップ スモール 121mm