服部緑地ウォーターランドフィッシングパーク釣行
(11月17日)

成吉 弘幸

奈良県在住。登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では近畿地方の渓流や管理釣り場を中心にトラウトを追いかけている。

 今回は大阪府豊中市にあります、服部緑地ウォーターランドフィッシングパークへ行ってきました。こちらは夏の期間中はプールとして利用される施設を有効活用し、秋から春にかけてトラウトを放流し、管理釣り場として営業されています。流れるプールはフライ・テンカラエリアとエサ釣りエリアとなっており、ルアーフィッシングが楽しめるのは、奥のなぎさプールです。水深0mから奥になるにしたがって深くなり、最深部で1.2m程あります。

 この日は午前中に所用があり、午後4時間のみでの釣行です。遊漁券を購入後になぎさプールに向かいます。平日なので空いているかと思っていたのですが、思ったよりはアングラーの数は多く、私の後にも入場者は増える一方。3基ある水車のうち中央の1基のみ稼働しており、水車からの流れの白泡がなくなる付近を狙える場所が、ベストポジションかと思われます。ただその付近は当然先行者があるので、私は向かって右の奥側の空きスペースに入れてもらいます。


 この釣り場は昨年に続き2回目の釣行なのですが、昨年同時期と比べ大きく違うのは、その透明度です。昨年は比較的透明度があり、サイトフィッシングも楽しめたのですが、今回は藻類の影響か、ほぼ真緑の状況で、ルアーを水面に落としてもすぐに見えなくなります。透明度は10cm程度です。こんな状況で、果たしてトラウトがルアーを見つけてくれるか不安になります。


 サイトでの確認ができないので、どのレンジに魚がいるのか探るために、エッセンシャルスプーン1.6gの明滅カラーをキャストして、表層から少しずつ沈めながら様子をみます。このようなブライドでの釣りでは、パイロットルアーで水中の様子をどこまでイメージできるかが重要になってきます。探り続けていると、水深1m付近でアタリが頻発します。ただフッキングしてくれそうにはありません。


 そこでスプーンをアンバー1.1gにチェンジします。カラーは晴天の昼過ぎながら透明度がないことを考慮し、明滅カラーをチョイスします。これを水車のからの流れを跨ぐようにキャストしたら、そのままドリフトさせ。そしてカウント7ほど沈めたところで巻き始めます。それでもすぐにはヒットしませんが、ラインアタリがあることから、その付近に魚が溜まっているのは間違いなさそうです。透明度が低いことから、魚にルアーをアピールするため、時より軽くロッドでシェイキングアクションを入れてみます。するとアクションを入れた後のただ巻きに戻ったところで、小気味よいアタリともにヒット。この日の一匹目は30cm弱のニジマスでした。どうも30~35cmのニジマスを中心に放流されているようです。

 なんとなくヒットパターンがわかったところで、この後しばらくはアンバー1.1gのカラーローテーションでヒットが続きます。コンディションとしては決して釣れやすい状況ではありませんが、光系カラーや明滅系のカラーを中心に、1色で2匹程度のレギュラーサイズのニジマスの、釣果を上げることができました。

 しかしこのパターンも30分程度で反応が悪くなってきたので、アンバー0.8gスプーンにチェンジし、アンバー1.1gの時と同様に探ってみたのですが、時よりアタリはあるものの、なかなかヒットに持ち込むことができません。ただ足元付近でもアタリがあるので、しばらくは足元付近のニジマスを探ってみることにします。選んだのはZIL0.6gスプーンです。アンバーに比べてシルエットも小さく、アンバースプーンのサイズに飽きたニジマスも、口を使ってくれると考えたわけです。カラーは視認性も考慮してライムチャートブラックです。これを水車の流れの手前までキャストしたら、ボトムまで沈めます。着底したら軽くフリップを入れ巻き始めます。ただそのまま巻き続けると、ラインの浮力もありZIL0.6gでは浮き上がりやすいので、巻くのをいったん止めスプーンを沈めます。そうやって極力中層より下のレンジを探ってみます。ルアーを回収するまで、これを3回程度繰り返すといった具合です。リトリーブスピードはデッドスロー。

 この方法で3匹ほどキャッチでしたのですが、手返しも悪く神経も使うので、クランクを試してみます。クランクであればスプーンよりも波動も大きく、集魚効果も高いと考えた訳です。ところがタイプの異なるクランクを、カラーもチェンジしながら探ってみたのですが、アタリもなく時間だけが過ぎていきます。


 この日は4時間勝負で釣れない時間が続くと不安になるので、再びZIL0.6gに戻して同様に探ってみると、なんとかヒットさせることができます。それからしばらくはZIL0.6gで釣果をかせぎながら、残り時間が1時間を切ったところで、どうしてもクランクでの釣果を上げたくて、再び各種クランクを試します。デジ巻きなども試したのですが、この日のニジマスたちにはクランクは気にいってもらえなかったようです。

 残り時間が15分を切ったところ、最後の釣果が欲しくて、この日最初のヒットパターンであるアンバー1.1gスプーンに戻します。狙い方も同じように探って、レギュラーサイズのニジマスを2匹ヒットさせたところで、終了としました。

 この日はブラインドでの釣りとなりましたが、タックルを通して伝わってくる情報を冷静に分析できたおかげで、短時間ながらも満足のいく釣果を上げることができました。


スプーン用

RodFLBC-S58UL
ReelS社1000番
Lineエステル0.3号(直結)

クランク用

RodFLNE-60GTS
ReelS社1000番
Lineナイロン2lb(直結)
Lureアンバー1.1g 各種カラー
ZIL0.6g 各種カラー