成吉 弘幸

昭和34年生まれ(奈良県在住)。
登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では夏は渓流へ、冬は管理釣り場へとトラウトを追いかけている。

フィールド情報の乏しい関西の渓流で安全な川を選んで入渓ポイントなどもわかりやすくレポート。関西のトラウトルアーマンの一助になれば幸いです。



《 服部緑地フィッシングパーク(11月18日) 》


 今回は大阪市豊中市にあります、服部緑地ウォーターランドフィッシングパークに行ってきました。この釣り場はプールのオフシーズンを利用した管理釣り場で、11月から4月までの予定で営業しています。

 この日は午前中に私用で休暇を取ったため、午後券(4時間)で楽しもうと出かけました。しかしトラウトを釣るのに、昼間に奈良の田舎から大阪の都市部に向けて車を走らすというのは、何か不思議な感覚です。いつも管理釣り場は朝一から楽しんでいます。というのも基本的には朝マズメがトラウトの活性が高いからです。それが午後オンリーの釣行となると、場所的にもベストやベターな場所には入れないでしょうし、どのような釣りになるのか不安です。おまけに天気予報では最高気温が25度まで上がるとのこと。いったいどんな釣りになるのかドキドキでした。


 正午前に受付を済ませ、ルアーフィッシング専用の「なぎさプール」に向かいます。これ以外にも流水プールを活用した、餌釣りエリアやフライ・テンカラエリアもあるようです。なぎさプールというのは、水深0mから奥に向かって深くなり、水深1.2mが最深部となっています。ただし水深0mのなぎさ部分からは、エリアスプーンでは攻略は難しいようで、プールの両サイドが実質的な釣り場となるようです。実際に私が到着した時点でも、両サイドには先行者が並んで釣りを楽しまれています。ただ、なぎさ部分から見て左サイドに人が集中して、右サイドは人が少ない。必然的に右サイドに向かいます。ここからだと、何とか水車からの流れの中にいる魚も狙えそうです。準備をしながら魚の様子を見ていると、放流されているのは、レギュラーサイズが25〜30cmのニジマスがほとんどで、ポツポツと40cmクラスもいるようです。それと気になるのは、プールサイドから4m付近の表中層を群れになって流れと逆方向に定位しているニジマスたちです。ただしこいつらはスレマスと判断して無視します。


 まずは様子見のためにエッセンシャル1.6gスプーンで表層から中層、ボトムと探ってみます。カラーもアピール色とナチュラル色を試してみたのですが、どうも反応がよくありません。そこでZIL1.4gにチェンジしてみたのですが、アタリはあるもののヒットに持ち込めません。その時あることに気づきました。スレマスと思って無視していたニジマスたちが、スプーンに興味を示しています。本当にスレマスなら、スプーンを避けるだけのはずです。言葉では伝えにくいのですが、そのスプーンに対する反応から、これは攻略できると考えました。

 そこでZIL1.4gを、定位している魚たちの少し上を通かするようにリトリーブしてみますが、反応すれどもバイトしてくる様子がありません。同じ層をもう少しスピードを落としてリトリーブしたいので、スプーンをmkスプーンTRAP1.0gにチェンジします。カラーはナチュラルカラーを選択。それまでと同じように魚たちの少し上を通してみると、狙い通りスプーンに反応してアタックしてくるのが確認できます。後はエルファーロッドとエステルラインの相性から、大きなアワセを入れなくても軽く巻きアワセだけで、自動的にニジマスがヒットしてくれます。サイズは30cm前後ですが、釣れる魚のコンディションは思いのほか良く、そのファイトもサイズ以上に楽しめます。



 ここからしばらくは同様に、mkスプーンTRAP1.0gのカラーローテーションで釣れ続けます。ただし時よりアピールカラーも試してみたのですが、晴天のためかこちらへの反応はよくありませんでした。


 ところが午後1時半頃を過ぎたあたりから、急に魚の反応が悪くなってきました。そこでスプーンをZIL0.6gにチェンジしてみたのですが、なぜかヒットしてくれません。魚たちの動きをみていても、それまでとは違って、スプーンを避けるだけです。ここからが大苦戦の始まりでした。スプーンでの攻略をいったんあきらめ、最近活躍してくれているシボクラやカルモを投入してみたのですが、時よりヒットはするものの、ネットインまでにオートリリースしてしまいます。それ以外のルアーも試してみたのですが、結果に変わりはありません。これは推測なのですが、プールを利用した管理釣り場では、基本的に新しい水の流入はありません。その上周囲をコンクリートで固められているので、気温の変化がダイレクトに水温に伝わっていると思われます。この日は最高気温が午後2時ごろに25℃に達するとの予報であり、それに伴い急激に水温も上昇して、魚の反応が激変したのではと考えています。

 と言い訳しても仕方ありません。それまでに反応が良かったカルモMR-Fを投げ続けていたところ、午後3時ごろにヒットしたニジマスは、何とかネットインさせる事ができました。営業終了の午後4時までの残り時間は広範囲に表層近くを探りたくて、ZIL1.4gをキャストし続け、ブラウングリーンドットカラーで2匹のニジマスをヒットさせ終了としました。



 次回は水温の安定した時期に午前中から釣行できれば、もっと楽しめるのではと考えています。


● 使用タックル

ロッド FLBC−S58UL(エルファー)
リール S社1000番
ライン エステル0.3号(直結)

ヒットルアー mkスプーンTRAP1.0g 各種カラー
カルモMR−F マゼチャ
ZIL1.4g ブラウングリーンドット



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