池谷 成就

ルアーでのキャスティング、レイクトローリングを中心としたビッグトラウト狙いのエキスパート。 「かわせみ倶楽部」主宰。


《 長野県白馬姫川水系 》


大雨と渇水は釣りにはとても厳しい状況となるが、長野県白馬村に宿をとった4日間常に濁っていたのが白馬の地を流れる姫川上流部本支流。まるで泥が流れているような状況下に川沿いを車で走ってみると、支流「平川」からの泥流がそのまま流入、また分流からも流入していることによると判明。逆にその流入部から上流源流部は渇水で水位が低く、源流部支流の「犬川」は一滴の水の気配さえ感じない涸れ沢となっていた。あれほど大型イワナが釣れた流れも、水が無ければと思うと半年前の雪不足を愁うしかなかった。

いったいどこを釣れば良いのか、白馬には晩夏と冬(スキー)の年二回、あしかけ20年ほど通って初めての光景だったので驚いてしまった。想い起せば渓流用ベイトロッド(後にインターボロンベイトシリーズとして発売)の最初の大釣りもこの地域だった。


昨年10月の台風「令和元年東日本台風」の水害と年明けの雪不足からくる渇水状況という相反する「水」を取り巻く環境はとても厳しい「釣」を強いられる。さらに姫川本流より大きい支流「松川」は、白馬連峰白馬岳から流れる「北股入」、鑓ヶ岳・唐松岳の氷河(唐松沢雪渓2019年氷河認定)の一滴から始まる流れは温暖化が原因なのか、雪代水の如くパステルブルーの流れの色は濃い。また姫川は水質ランキング日本一となることもある清らかな流れとなればそれはもう壮大な自然を釣る喜びはあるはずなのだが・・・・・。



いつもとは違う状況に宿から何度も川を往復し澄んだ流れを探し走り回った。たまたま通りがかって目に飛び込んできたのが、とても判り易い看板の「ヤマニーカワニー」カヌーや渓流釣りのガイドサービスだ。姫川上流漁業協同組合の日釣券の購入がてら近況・釣況が聞けたのがこの後の釣りを一変させてくれるきっかけとなった。目の前の「大楢川」も泥濁りが入ってしまっていたが、このガイドサービスのやや下流に一泊目の宿をGotoキャンペーンで取っていたが、濁りの原因も判ったのでその周辺の流れは諦め、濁りリスクが少ない狙い目の渓流を細い流に変えて入渓してみた。


白馬といえども暑い晩夏に、蛇も熊の足跡もとにかく目につく。草の丈が視界をさえぎるから余計に怖い。獣臭がしないことを頼りに釣っては移動を繰り返す。真昼間にオレンジ色の服を着た猟友会にも遭遇。



流れの水温も20℃に届きそうな渓流釣りとしては高水温ながら魚は釣れてきた。イワナ尺級2尾以外はチビイワナと小型ヤマメのオンパレードだが、大き目の支流の流れでは、瀬尻から飛び出してくるイワナに、ダウンクロスストリームキャストに早めショートトゥイッチを頻繁に掛けてやると面白いようにヒットしてくる。早瀬ではでシェイキング状態でルアーを動かすと、ヒットの連続衝撃が伝わってくるのはこの釣りの醍醐味だ。帰り際にこうやって釣ったんだよと足元にルアーを泳がせシェイキングして同行者に説明していたら、ヒットしてきたのには釣った本人でさえ驚いた。魚は濃いが、熊が多い地域なので特に注意。




● データ

姫川上流漁協 日釣券1,000円


● 使用タックル

ロッド ベイトクラシックTBC-53L
ベイトクラシックTBC-65ML
リール アルファスRエディション103L(イケタニペイント・AVAIL改)
ライン フロロドレイク3lb(0.8号)・フロロドレイク4lb(1号)
ルアー バック&フォース4gジェイドMDD-コンタクト・ パニッシュ55WL



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