成吉 弘幸

昭和34年生まれ(奈良県在住)。
登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では夏は渓流へ、冬は管理釣り場へとトラウトを追いかけている。

フィールド情報の乏しい関西の渓流で安全な川を選んで入渓ポイントなどもわかりやすくレポート。関西のトラウトルアーマンの一助になれば幸いです。



《 天川漁業協同組合管理釣り場(平成29年11月11日) 》


 奈良県吉野郡天川村を流れる天の川にニジマスを放流し、10月から翌年2月まで期間限定でオープンする、天川漁業協同組合管理釣り場へ行ってきました。この釣り場は自然渓流をそのままの状態で管理釣り場としており、ウェーダーなどの装備がないと、その魅力を十分味わうことができません。ただルアーやフライで渓流フィッシングを楽しむ者にとっては、シーズンオフの腕試しにはちょうど良い釣り場とも言えます。管理釣り場として釣りができるのは御手洗渓谷付近の約2Kmで、この季節は紅葉と釣りが同時に楽しめる、この時期ならでは釣り場です。

 当日はまず営業開始の午前8時前に、天川村役場入口の漁協事務所で遊漁券を購入します。その際に聞いたところでは、御手洗渓谷のトンネルより上流に特に放流量が多いそうなので、車でそちらへ向かいます。トンネルを抜けると、道幅が広くなっているところがあり、そこに車を駐車します。

 この日用意したロッドは、悩んだ末にエリア用のFLNE−62GTS。昨シーズンは、この釣り場でIBXX−56MTを使い、ミノーイング中心での攻略を考えていたのですが、ほとんどがスプーンとクランクでの釣果だったので、今年はエリア用のFLNE−62GTSを用意した次第です。


 準備を済ますと、少しでも早く釣りを始めたい私は、ガードレールに結び付けられたロープをたよりに、足元に細心の注意を払いながら入渓。ちょうど小さな落ち込みからの流れが連続しており、一つ一つの流れの幅はさほどないため、クロスキャストには無理があります。そして浅めの水深を考慮し、選んだのはmkスプーンTRAP2.2g赤金。これを流れの筋沿いにアップキャストで探ってみると、2投目にヒットしたがすぐにオートリリース。次があると気を取り直して、同じようにアップキャストで探ってみるものの、ヒットしても全てオートリリース。さすがに焦ってきましたが、冷静に考えてみると魚の活性が低い事が考えられます。定位しているニジマスも、流れてきたルアーをガッツリ咥えるほど活性は高くないのでしょう。

 しばらくは浅い流れが続くので、気を取り直して同じくmkスプーンTRAP2.2gのダウンキャストして、スローリトリーブで探っていきます。するとヒットから難なくランディングできたのは、30cm弱のニジマスでした。やはりそれほど活性は高くないのでしょう。
 ここからしばらくは、各ポイントでmkスプーンTRAP2.2gをカラーローテーションしながら、ダウンキャスト&スローリトリーブで順調に釣果を上げていくことができました。

 そういった場所以外では、次の落ち込み直前にニジマスが定位していることが多く、このポイントではクロスキャストで攻略に成功しました。


 そのまま釣り上っていくと、落ち込みからのプールになっているポイントに来ました。ここではさすがにダウンキャストは無理なので、mkスプーンTRAP2.2gをアップクロスキャストして探ることに。白泡の中にキャストし、やはりスローリトリーブで探ってみると、難なく30cmクラスのニジマスがヒット。さらにチェイスしてくる魚影が見られるため、リトリーブコースを変えながら、さらにはスプーンのカラーローテーションしながら、レギュラーサイズのニジマスをヒットさせていきます。ところが次第にその頻度もおちてきたのですが、フラフラとスプーンを追ってくる魚影は確認できます。
 そこで、ルアーをシンキングクランクのカルラにチェンジ。これを流芯脇にアップキャストし、流れに乗せ若干沈めてから、スローリトリーブで探ってみます。するとクランクにはスレていないのか、それまで口を使ってくれなかったニジマスが、猛然とカルラにアタックしてくるのが目視で確認できます。結果的に、この一つのポイントで、mkスプーンTRAPとカルラで10匹近くキャッチすることができました。




 さらに釣り上っていくと、比較的に入渓しやすい渓相になってきたためか、ここぞというポイントには先行者がいて、思うように自分の釣りをすることができません。しばらくは竿抜けポイント探っていくのですが、さすがにそれまでのようにはニジマスが遊んでくれません。丁寧にポイントを探りながら、ポイポツと釣果をあげたものの、しばらくは我慢の釣りが続きました。

 それでもしばらくすると、落ち込みからのプールというルアー向きのポイントが空いています。足跡もなく、大岩の陰になっているためか、先行者が攻めた跡が見当たりません。早速、mkスプーンTRAP2.2gのアップキャスト&スローリトリーブで探ってみると、それまで途絶えがちだったヒットが復活します。このポイントでもmkスプーンTRAPとカルラで何とかレギュラーサイズのニジマス数匹をヒットさせることができました。


 正午を回ってからは、先行者の影響もあって釣果が伸びなくなってきました。さらに久しぶりの渓流歩きで、疲れも溜まってきたため、早めに切り上げようかと思っていると、浅いトロ場に10匹以上のニジマスがフラフラと定位している場所を発見しました。早速この日のヒットルアーであるmkスプーンTRAP2.2gのダウンキャストで探ってみると、チラッとはスプーンに反応するものの、追ってこようとしません。どうもスレきったニジマスの群れのようです。そこで、スプーンを少しづつサイズダウンして探っていくと、ZIL0.6gで何とか2匹をキャッチすることができました。



 この場所で神経をすり減らしたものの、さらにもう少し釣り上り、カルラで数匹の釣果を上げた後、早めの午後2時過ぎに終了としました。

 この日は数はそれなりに釣れたものの、サイズは30cmどまりでした。実際に50cmクラスを釣り上げた人もいます。どうも一つ一つのポイントに時間をかけ過ぎたようで、管理釣り場区間の2kmの3分の2程度しか探ることができなかったのが反省点です。次回はサイズ重視で再釣行できたらと、願っています。


● 使用タックル

ロッド FLNE‐60GTS
リール S社1000番
ライン ナイロン3ポンド
ヒットルアー mkスプーンTRAP2.2g 各種カラー
カルラ 各種カラー
ZIL0.6g 各種カラー



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