後藤 芳久

オフショア(GT、ジギング)、フレッシュウォーター(湖、サクラマス、渓流)と何でも挑戦し続けるマルチプレイヤー。そのチャレンジフィールドは国内に留まらず海外遠征にも及ぶ。
医薬品配送ドライバー。


《 サクラマスをジギングで釣ると言う事 》


三陸でサクラマスをジギングで釣らせてくれる遊漁船があると知ったのはちょうど1年前の事。しかし、時すでに遅しのシーズンも後半でしかも人気の釣りとあって予約が取れずに悔しい思いをした。そんなことで今年やっとの思いで1年越しのサクラマスジギングに挑戦することが出来た。

この釣りの経験のある友人とインターネットの情報ではボウズ覚悟の釣り、海サクラマスは口がもろくてバレやすい、主に中層を狙う、スレ掛が多い、ボトムにはマダラが沢山居てそれを釣ってしまうとマダラの活性が上がってしまいサクラマスのタナである中層にまで浮いてきてしまうので極力マダラは釣らない事。それらを頭の片隅に置きながらタックルのセッティングをする。

今回お世話になったのは岩手県大船渡市の起喜来湾(おきらいわん)の崎浜港から出船の広進丸。広進丸川畑船長は11年も前からサクラマス(三陸ではママスと呼称)を何とかジギングで釣れないかと試行錯誤してきたようだ。当初はパイオニアならではの御苦労がかなりあったようだが今となっては平日でも満員となるまでにアングラーが押し寄せる人気ターゲットに。


4月も中旬だと言うのに天気予報は霙か雪と言う予報の中の出船。出船した頃にはまだ雨模様もポイントに着くころには霙になった。頬に氷の粒が当たってめちゃくちゃ冷たい、寒い。

最初のポイントは湾口部の岬付近で行程10分と非常に近い。水深は約60メートル、船長の指示で40メートルほど沈めてシャクリ上げる。最初はどんなシャクリ方が良いのか分からないので同船者のシャクリ方を横目でチラチラ見ながらの釣り。ほどなくして魚が上がり始めるがマダラの1〜2キロクラスが多いようだ。


朝は雨〜霙

陸から近い所でやってます


そして3流し目に水深25メートル付近までシャクリ上げたジグにガツンとヒット!ガンガンとヘッドシェイクしながら体にリーダーを巻いているようで「カリッ、カッカッ」と嫌な感触が伝わってくる。たぶんサクラマスであろう。リーダーはそんなに太い物を使ってはいないのでヒヤヒヤのファイトであったが何とかキャッチ。白銀に輝く50センチほどの魚体は紛れもなくサクラマスだ。予想通りリーダーを体に巻いていてリーダーに小さな傷が何か所にも付いている。正直な所、アッサリと1匹目が釣れてしまった。

ヒット直後にPEラインのカラーは確認したのでヒットした水深はおおよそ分かるもののどんなシャクリでヒットしたのかは良く覚えていない。ただ、「やった!サクラマスをジギングで釣ったぞ!」と言う喜びはいつものサクラマスのそれとは遜色なかった。

1本目


2本目
そして次の流しでも1匹ヒットでキャッチ、その2流し目後でも1バイトで1キャッチ。開始からわずか1時間ほどで3ヒット、3キャッチのまさに「良く分からないうちに釣れちゃった」状態。

そうなると、もしかしたら軽く10匹くらい釣れちゃう?良く分からないけど自分のやっている事が大正解?と言う勘違いを見透かしたかのようにパッタリと魚からの反応が無くなる。


小移動を繰り返しながら反応を追いかけているとフォールしていくジグにコツンとバイト。すかさず合わせるも乗らず、しかしジグに絡みながら追いかけてくるようでしつこく小刻みにさそって「ゴンッ」とヒット。サクラマスを確信して上がってきたのは人生初マダラ。しかも4キロほどとアベレージサイズよりも大きい。初マダラと言う事もあってリリースせずにキープ(他の人はマダラはみんなリリースしている)。


このマダラを釣ってから他の人にもほとんどアタリがなくなり沈黙の時間帯がやってきた。この頃にはすっかりと天気は回復して青空も見えるようになった。こうして日が差してくるとサクラマスは浮いてくるようで若干浅いタナを攻めるように船長からアドバイスを貰い一つ隣の岬のポイントに移動。

ポイント変えの1流し目はヒットが集中している傾向があるので早めにジグを投入してしっかりと上のタナまでシャクルと水面から15メートルと浅いタナでヒット!これは間違いなくサクラマスだろう。今日初めて釣れちゃったではなく釣ってやった感のあるサクラマス。そしてほどなく4匹目をキャッチ。

晴れました


有名な岬だとか(首崎)

地形の変化は多し


船中でもポツポツとヒットするが長続きはせずにまたまた沈黙の時間を経てタイムアップ。終わってみればサクラマスジギング初挑戦にしてマグレのバラシ無しの4キャッチと出来すぎの釣果に終わった。


しかし、次も良い釣果を約束出来るかは・・・まったく分からない。 なぜならば釣れている人と釣れていない人の違いが傍目に見て全く分からない。同じようなジグを使い大体同じようなタックルで同じようなシャクリをしていても釣れる人には釣れて、釣れない人には釣れない。釣れていない人も当然釣れている人の釣り方、ジグのタイプ、重さ、ジグのカラーを十分に参考にしているにも関わらず。ヒットに恵まれないアングラーは「なんで俺にだけ当たらないんだ?」と頭を抱えてしまう。

これがサクラマスジギングの奥の深さと言って間違いないだろう。隣の人にはバンバン当たるのに自分には全然当たらない、なんて事がこの釣りにドハマりしてしまう要素満載である。


その年の水温や回遊の状況にもよるだろうがシーズンは5月いっぱいまでとあと少し。これからの時期は引きの強いカラフトマス(三陸ではサクラマスと呼称)やシロザケの若魚の大目マスなどが上がりだすようだ。

チャンスがあればあと数回・・・千葉からだと遠いけどまた来てみたい。


● 使用タックル

ロッド HSJ-C511
リール オシアジガー1500HG
ライン PE1.2号+リーダーフロロ5号
ルアー ジグ80〜120g



[ 戻る ]