吉川 康之

埼玉県川越市在住の平凡なサラリーマン。

エリアおよび湖のスプーニングによるトラウトフィッシングをこよなく愛する。



《 秋の阿寒湖2014  〜 2014年10月末    〜 北海道釧路市阿寒湖 〜 》


 秋の阿寒湖と言って私がまず最初に思い浮かべるのはやはりレインボートラウト! ワカサギを文字通りに鱈腹食ってデップリ太ったあの体型から繰り出される強烈な引きはまさに凶暴そのもの。一度あの引きを味わってしまったらきっと病み付きになることは間違いないでしょう。またあの引きを味わいたい! またあの時のようにのされてみたい! 今回私はそんな想いを胸に10月末の阿寒湖へと向かいました。

 紅葉の季節はすっかり過ぎてしまった感のある今回の阿寒湖、観光のピークも過ぎ次第に落ち着きを取り戻して行く温泉街とは対照的に、湖畔では今まさに秋の釣りがピークを迎えておりました。

 近年、秋の阿寒湖ではワカサギを模したフライ、通称ドラワカ(ドライワカサギ)を用いたフライフィッシングが何と言っても一番の人気です! 確か前回この湖を訪れた際も有名なポイントは何処も彼処もドラワカを楽しむフライマンさんで一杯でした。つい数年前までは10月も後半になると釣り人に出くわす事などほとんど無かったのに、いかにこの釣りに魅了されたアングラーが多いかという事が窺えます。


今年もドラワカを楽しむフライマンさんで賑わっていました

今年は小さな個体が多いようです


 このドラワカの釣り、もともとはこの時期行われている船からのワカサギ漁の際に、網からこぼれたワカサギを狙って 大型のレインボーやアメマスたちがやってくるのを知っていた漁業関係の方が始めた釣りのようです。ワカサギ漁が無ければ基本この釣りは成立しないため、以前はこの現象を知るごく一部のアングラーさん達だけが密かに楽しんでいたと聞きます。

 ところが近年、網からこぼれたワカサギを意図的に作り出す、いわゆるチャミングの釣りが広く知れ渡るようになってから一気にその人気に火がついたようです(チャミング無しでドラワカの釣りを楽しむアングラーの方も沢山見かけます)。

 このチャミングの釣り、そのイメージだけで判断するともうパラダイス!のような印象を受けますが、実際にこの釣りを体験された方の話を聞くと、ワカサギの解凍方法はもちろんのこと、撒く数やタイミングなど... かなりテクニックを要する釣りのようで、相当にやり込んだ人でもボウズをくらう事は決して珍しい事ではないという事でした。

 この事実を知らなかった当時の私は、(きっとパラダイスなんでしょう!)とその光景を遠目に眺めながら、あわよくば彼らのおこぼれに与れないかと、スケベ心丸出しにジワリジワリとサイドステップで彼らの方に近づいて行ったものです(笑)。

 ですがその時の私の釣りはもうメチャクチャでした。隣で沸き起こるボイルや歓声に意識が行ってしまい集中力は常に散漫、短時間にルアーをコロコロと替えて、リーリングする手にも力が入りませんでした。さらにその場の特異な状況によるものでしょうか、魚の行動もどこかいつもと違うような感じがしました(人間同様に変なスイッチが入ってしまった様な感じ)。魂の籠らないリーリングに相手をしてくれる魚などは当然おらず、その日は完全敗北、非常に後味の悪い気分で宿へと戻って行った事を今でも良く覚えています。 その夜はもう反省することしきりでした。やはりその場の思いつきで釣りなどするものではありません。最初から自分が最も信頼する釣り方で通すべきであったと痛感しました。

 そして今回、この反省を生かしてチャミングの影響の及ばないエリア、他人のあまり入っていないようなエリアを中心に探って行くことに決めました。

 今回使用したタックルはロッド:TLB-83DT ラグレスボロンに PE 0.8号(12lb)+フロロリーダー10lbの組み合わせ、使用したルアーは前回この季節にとても良い仕事をしてくれたピュアシェル(5g、6.5g、7.5g)を選択しました。 今回の釣行では沢山のワカサギ(2〜5cm程の当歳魚か)をストックしていた非常に水通しの良い浅瀬&岩盤エリアを中心に入る機会が多かったため、キャスト後はほぼカウントなしで表層域(〜50cm)を扇状に広く探って行きました。


阿寒湖のレインボートラウト
ピュアシェル7.5gにて

ピュアシェル
今回も良い仕事をしてくれました

 その後、スプーンでは少しアピールが強すぎるかなと思われた状況に於いては、トラウティンサージャー6cm のただ巻でナチュラルな誘いを、さらに沖の表層をゆっくり探りたいといった状況に於いてはチェリーブラッドLL70Sを投入するなど、その時の状況に合わせて適宜ルアーを切り替えて行きました。


ワカサギを鱈腹食ってコンディションは最高です!
トラウティンサージャー6cmにて

釣れてくる魚は綺麗な個体ばかりです


阿寒湖の金色アメマス チェリーブラッドLL70Sにて

斑点の少なめな個体を良く見かけます


 う〜ん、やっぱり秋のレインボーは格別です! あのサイズに対して明らかに不釣り合いと言える大きな鰭から繰り出される強烈な引きは絶対に一度は味わうべきです。わかさぎを飽食した抜群のプロポーションを誇る阿寒湖のレインボートラウト、その一匹を手にするのもなかなか一筋縄には行きませんが、ぜひ一度挑戦される事をお勧めいたします。




【阿寒湖のレインボートラウト(2014年10月末) You Tube 動画】



● 使用タックル

 
ロッド TLB-83DT ラグレスボロン (SMITH)
リール 10 CERTATE 2500 (DAIWA)
ライン FIRELINE EXT 0.8号(12lb) LO−VIS GREEN (BERKLEY)
リーダー TROUT SHOCK LEADER フロロカーボン 10lb (MORRIS)
ルアー ピュアシェル 5g,6.5g,7.5g (SMITH)
トラウティンサージャー 6g(SMITH)
チェリーブラッド LL70S 7.7g(SMITH) ※ フックはテイル側に1本のみ
フック シュアーフック スプーン用 Wトラウトタテアイ6B,6G (SMITH)
トラウティンサージャー用  Wトラウトタテアイ6B (SMITH)
チェリーブラッド LL70S用  Wトラウトタテアイ6B (SMITH)
※ バーブは潰してあります
ネット チェリーネット サツキ (SMITH)



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