池谷 成就

ルアーでのキャスティング、レイクトローリングを中心としたビッグトラウト狙いのエキスパート。 「かわせみ倶楽部」主宰。


《 祝!僕の渓流解禁2014 》


 大雪の影響をまともに受けた今年の群馬県渓魚(イワナ・ヤマメ)解禁日3月1日。2週間を経ても群馬県の北西部に位置する西吾妻(にしあがつま)の嬬恋村(つまごいむら)や、北軽井沢地区の長野原町(ながのはらまち)を見て回るも除雪の山で駐車スペースも無く、踏み抜きにびびってしまいめぼしい渓流にも入れず大苦戦。入院5ヶ月弱、静養8ヶ月の療養空けの身にはちと重い想い。

 やむなく吾妻川(あがつまがわ)の中流部にあたる東吾妻町(ひがしあがつままち)まで降り、日当たりの良い南面の支流を物色し数本の支流にルアーをダウンストリームキャストで流し込んでみる。

 群馬の渓流のほとんどではコルジュ帯(谷が迫る狭い流れ)が混ざるようなポイントが多いので、初夏水温の温む時期までは圧倒的にダウンストリームキャストが幸運を呼び込んできてくれている。


 ふと流れを探し魚を探し、はじめて入渓したとある支流では魚の回収ボックスに遭遇。あらためて3年前のあれは何んだったのだろうかと頭の整理が付かない状況にとりあえず写真を撮っていた。つまらない事を載せるなと怒る人もいるだろう。僕はありのままを載せたと言い訳させて欲しい。また、どう思うかは人それぞれとも言い訳させて欲しい。

 ほかの支流では見事なアオガエルに遭遇。単純に春先の流れで遭遇すると目立ちすぎるほど目立つ容姿に季節を間違ったのでは心配してしまう。



 ただ、この流れやはり温かい!?のか、雪代(ゆきしろ)はほとんど無いものの水温を計ると7℃。なかば投げやり的にバック&フォーススプーン4gをまさにバックアンドフォース(流れに行ったり来たり)させていると、黒っぽい影が大石のえぐれから電光石火のごとくキラキラと不規則に輝くバック&フォース4g方向に走ったかと思うと同時に、ロッドに衝撃を伝えてきた。

 26cmほどのちょっと痩せ気味イワナ。今年の初物に写真を撮りまくる。上流から車を走らせてきたが、たしかこの渓流には回収ボックスらしき物は無かったのでリリース。



 一尾釣ると欲がでるのもありのままの本音。余裕が出てかすかな温泉臭に周りを見渡すと、幾筋かに分れて生温かい無色透明な単純泉がちょろちょろと湯気を立てながら細流に入り込む。これが水温を上げているのだろうか。この渓にして7℃はなんとか2尾釣らないとマグレ(偶然)という心の烙印も消せない。

 やや足場の高い立ち位置からD-コンタクトをダウンクロスストリーム気味にキャスト。この際、空気中をはしるラインのほうがロッドに出るアタリは取り易いので、水中に浸っているラインをなるべく短くする。タナ取りは重要だが無用なラインの浸りは学習効果によるスレをも呼び込こんでしまうので、これとルアーとラインの絡み、落ち葉などのゴミだけには気を使う。

 そして、これまたまさに、バックアンドフォースでルアーの遊泳層をキープしていると、今度はチビヤマメがヒット。さらにもう一尾のヤマメを追加し、真昼間、短時間諦め半分フィッシングも大満足の釣りとなった幸運に感謝。そして、まだ錆びていなかった勘(第六感)よ、ありがとうの釣りとなった。



● データ

群馬県吾妻漁協 東吾妻地区左岸渓流


● 使用タックル

ロッド オリジナル渓流ベイトロッドヤマメ調子6’4”
リール アルファス タイプF改(ギア比6.8:1、IOS 01オイル、AVAIL)
ライン フロロブラスト3lb。
ルアー D-コンタクトバック&フォース4gジェイドMD



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