吉川 康之

埼玉県川越市在住の平凡なサラリーマン。

エリアおよび湖のスプーニングによるトラウトフィッシングをこよなく愛する。



《 夏のハイランドレイク2013 (蝉の釣り)
〜 2013年 7月後半  栃木県日光市 中禅寺湖 〜 》



 6月末を境に終了すると思われた蝉パターンの釣りでしたが、意外な事に7月に入ってもまだ釣れているという話です。それが本当なら自分ももう一度味わいたい! そんな訳で今回はその真相を確かめるべく7月後半の中禅寺湖に出掛けてきました。


 実はこの日の本当の釣行目的はまったく別の事にありました。私の中では毎年の恒例行事となっている夏のディープな釣り! これを楽しむというのがこの日の真の目的でありました。ところがこの日は夜半から本降りの雨、幾分雨が治まり ようやく車から這い出た頃には、辺りはもうすっかり明るくなっておりました。(今日はもう終わったな。)今さらあのポイントに向かっても、朝の時合にはとうてい間に合いそうにもありません。いったいこの後どうしたものかと、色々と考えを巡らした挙句に辿りついた結論、それが今回タイトルにもある蝉パターンの釣りでした。

 それは凡そ1ヶ月近くも前の事になりますが、前回 蝉パターンを満喫した際、トラウトの活性が上がったのは朝一ではなく、完全に陽が昇ってからの事でした。もしかしたら今回も同じ状況が再現されるかもしれない。 勿論、確信などありませんでしたが、今さら釣りもせずに帰るわけにも行きません。下界で暑さに茹だっているよりはまだマシ! といった半分諦めムードのなかポイントを目指しました。

 この日準備したタックルはロッド:ラグレス・ボロン TLB−83DT にライン:PE0.8号+フロロリーダー10lbの組み合わせ。ルアーはバスやエリアトラウトでお馴染み スミスの蝉ルアー 美蝉(ビセン)を使用しました。今日はランガンして多くのポイントを見て回りたかったため、なるべく身軽に ひとつのタックルで蝉パターン〜レイクジギングまで色々とこなせるそんなタックルセレクトでした。

 当たり前の事ですが、7月の湖面に蝉の姿は一匹も見つける事は出来ませんでした。背後にそびえる山のずっと上の方、耳を澄ますと微かにその鳴き声が聞こえてくるくらいのものでした。釣れそうな気配などまったくありませんが、とりあえず美蝉(ビセン)を放り込みます。着水後、アクションは加えずその様子を見守りましたが、魚からの反応は一切ありませんでした。着水位置を変えても結果は同じです。はたして自分の目の前には本当に魚が居るのだろうか? とても不安を覚える瞬間です。

 それならばと、今度は美蝉(ビセン)の着水と同時にピチャピチャとこれを積極的に動かしました。リーダーが水面を叩かないようロッドティップを高く掲げた状態で小刻みな連続シェイクを繰り返します。そしてそれと同時にゆっくりとリーリングも行い、水面を羽をバタつかせて移動する溺れた蝉を演出しました。反応が現れるまでにそれほど時間は掛からなかったと思います。何度かのミスバイトを繰り返していたと思いますが、ほどなくこの日最初の魚をキャッチする事が出来ました。相手は予想通りのレインボートラウトでした。

 尾鰭が欠けているのが少し悔やまれますが、それ以外はとてもコンディションの良いまずまずのサイズの個体でした。魚の付き場といい、そしてその出方といい、前回 6月後半の状況とそれほど大きな違いはありませんでした。(なんだ7月でもイケるじゃん!)


この日のファーストヒット!7月でも蝉パターンは有効のようです。

美蝉(ビセン)2.6g#11 ゴーストハルゼミカラー


 この後も積極的な『誘い』の釣りを中心にランガンして各ポイントを探りました。あわよくば居付きの大型ブラウン! などと淡い期待を寄せましたが、釣れてくるのは全てレインボーばかりでした。ですが夏のこの時期に これだけ人を熱くさせてくれる存在は貴重です!贅沢など言ってられません。まさにレインボー様様です。


釣れるのはレインボーばかりですが、贅沢は言ってられません

特別採捕実施中 近隣の学生さん達でしょうか


 するとそんな中、明らかに餌を探していると思われる回遊レインボーの姿が目に留まりました。私はこの夏、度々出くわす事になるこのタイプの個体を その出現の様子から『出会い系レインボー』と呼んでおりますが、彼女らとの遭遇は ほんといつも興奮させられました。相手はもう食う気満々! もし美蝉(ビセン)が彼女らの目の前に落ちれば、間違いなく食ってくる!と自信を持って断言出来る程でした。なのであとは彼女らの進行方向を見定める視力と、そのちょい先に美蝉(ビセン)を放り込んでやれるキャスティングのテクニック、そしてこれが最も大きな難関かも知れませんが、相手をがっちりと捕えるフッキングテクニック! これさえ揃えばもう獲ったも同然でした。ですがそんな時に限って、フックがガイドに絡まったり、ルアーが明後日の方向に飛んで行ったりと、いざという時に頼りない 己の心の弱さを知る事になるのでした。

 当日は小魚達の作り出すライズリング以外はほとんど見ることは出来ませんでしたが、この後もかなりの頻度で反応が返ってきました。

 夕方6時まで釣り続けてレインボーが6匹(pm12:00〜16:00迄の時間帯は反応がまったくありませんでした)。キャッチ率は4割程度と今後に課題が残りますが、視覚的にかなり楽しめる釣りであるため、私的には十分満足の出来る内容でした。 これからの暑い季節、避暑を兼ねてまた出掛けようかと思っております。


ヒレの欠けた個体が多いのがちょっと残念です

こちらは出会い系レインボー


夕方になって再び活性が上がりました

これから本格的な夏を迎えます


【中禅寺湖のレインボートラウト(8月 美蝉の釣り) You Tube 動画】



● 使用タックル

ロッド TLB-83DT ラグレスボロン (SMITH)
リール 10 CERTATE 2500 (DAIWA)
ライン FIRELINE EXT 0.8号(12lb) LO−VIS GREEN (BERKLEY)
リーダー TROUT SHOCK LEADER フロロカーボン 10lb (MORRIS)
ルアー 美蝉 (SMITH) ※ フックはシングルに換装
フック テイル側  Wトラウトタテアイ5B  (SMITH)
ベリー側  Wトラウトタテアイ4B  (SMITH)
   ※ バーブは潰してあります
ネット チェリーネット サツキ (SMITH)



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