成吉 弘幸

昭和34年生まれ(奈良県在住)。
登山やバードウォッチング、テレマークスキーなどを経て、現在では夏は渓流へ、冬は管理釣り場へとトラウトを追いかけている。

フィールド情報の乏しい関西の渓流で安全な川を選んで入渓ポイントなどもわかりやすくレポート。関西のトラウトルアーマンの一助になれば幸いです。



《 長瀬太郎生川釣行 》


 昨年は仕事が忙しく、さらに体調不良もありしばらく釣りは控えていましたが、各地より渓流解禁の知らせを耳にするにつれ、じっとしておれなくなりました。

 そこで、三重県に出かけるのにあわせて、短時間ですが釣行に出かけることにしました。目的地は名張川の上流、青蓮寺川の支流に当たる長瀬太郎生川の太郎生地区です。この川を選んだのは、3月24日に解禁したばかりと言うこと。さらには川沿いに車道が走るので渓流の趣には欠けますが、入渓・退渓が楽であり短時間でも楽しめると判断したからです。

 現地に着いたのは午前6時。まずは遊魚券を購入時に聞いた放流ポイントの最上流部に当たる下太郎生橋付近に向かいます。


 はやる気持ちを落ち着かせながら、久しぶりのウェーダーに履き替えます。最初に選択したルアーはスプーン。放流されて間もないアマゴにはミノーのアクションよりはスプーンの方が有効と考えたからです。 ピュア3.5g赤金を選択。放流魚が溜まりそうな流れの緩やかなポイントを流れを横切るようにクロスキャストで探ってみます。ところがスプーンを投げても投げても全く反応がありません。

 久しぶりでキャスティングコントロールが狂っているのを差し引いても、魚の様子が確認できないので焦ります。 餌釣りの方にお話を聞いても反応がないらしく、お互い首を傾げるばかり。


 流れの緩やかなポイントに魚信がないということは、すでに瀬の中に入っているのではと仮定し、ルアーをDコンタクトにチェンジ。

 各ポイントをアップ、クロス、ダウンと丁寧に探って釣り下ってみました。護岸際の流れの筋を上流側からダウンキャストし、軽くトゥイッチングで探っていると、岩陰から魚が飛び出し、ミノーにチェイスして、すぐに元の岩陰に戻ったのが見えました。 この日初めての魚影に胸が高鳴ります。

 ちょっとインターバルをおいて、ミノーをエーアール・HDミノー黒金にチェンジ。先ほどと同じようにキャストし、岩陰まではノーアクションのただ巻きで、岩陰の横にさしかかったところで、軽くアクションを加えてみると、岩陰から飛び出した魚影が狙い通りARミノーにヒット。ちょうど20cmの放流アマゴでした。

 このポイント付近に放流アマゴが溜まっていたのか、エーアール・HDミノーにもう一匹ヒットしたのですが、こちらはランディング直前にフックアウト。 それでもこれでヒットパターンがつかめたと思ったのが大間違い。この後、全く魚の姿を見ることができません。


 予定では午前11時までに釣りを終えなければ成らないため、状況を打開しようとポイントを大幅に移動。車で下流の登橋下流へ向かいます。 途中、いかにも魚が居そうな堰堤も探ってみましたが、全く反応がありません。次第に不安に苛まれながら、予定した移動ポイントへ。ここから時間が許す限り釣り下ってみることに。ミノーはオールマイティに使えるDコンタクト黒金にチェンジ。

 ここからは流れの筋を中心に、各ポイントごとにミノーを通すコースを変えながら、アクションも様々試しながら探っていきます。すると瀬からプールに変わる流れの先をダウンで探っていて、Dコンタクトにアマゴがミスバイト。やっぱり魚は居る。自分の探り方が悪いだけのようだ。

 どうも1週間前に放流されたアマゴはバラけてはいるものの、まだまだ瀬の中に入りきれてはいない。それでも流れの筋脇の比較的緩やかな場所で、岩陰など身を隠せる場所に居るようです。そのような場所を中心に探っていって、やっとDコンタクト黒金にこの日3匹目の20cmの放流アマゴがヒット。

 結局、このアマゴが最後の釣果となり午前11時に釣行を終了しました。



 この日は久しぶりの釣行、それも4時間ほどの釣行でしたが、これからのシーズンに向けて感を取り戻すことができました。 遊魚券購入の際に聞いた話では、ゴールデンウィーク前の4月26日には追加放流するとのこと。初心者の練習にはもってこいの渓流です。


● 使用タックル

ロッド TRBX−56MT
リール S社2000番
ライン ナイロン3ポンド
ヒットルアー エーアール・HDミノー黒金
Dコンタクト黒金



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